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初貴志作品。タイトルの通りじっとりとした3編の物語り。こんな湿度の高い書き物ははじめてで、戸惑いながら読了。
どうやら、他にも名著を残しているという作者。この作家の導入としては本著を選んだのは正しかったのだろうか?
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2023.11.05
とっても楽しみにしてたのに、また裏切られた気持ち。 …。
もうこの先、夢中になって貪るように読める貴志先生の新作は読めないのかな…
今作もうーん…微妙。1ヶ月かかってやっっっっと読み終えられた。
「皐月闇」
わりとサクッと読めた。短歌の解説がこじつけすぎて…。小説だけどそんなんわかるわけなくない?とツッコミながら読んだ。
「ぼくとう奇談」
花魁たちが蝶。最後の虫の描写が非常に気持ち悪い。
「くさびら」
キノコの描写がくどい…。ストーリーは単純。猪口花の山伏の祈祷のシーン…いらなくない?
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【収録作品】皐月闇/ぼくとう奇譚/くさびら
「皐月闇」老いた元教師の下を訪れたかつての教え子。俳句の解釈がひっくり返るさまが面白い。真相は想像通り。執念深さが辛い。
「ぼくとう奇譚」黒い蝶の夢を見る作家の罪。誘蛾灯に惹き寄せられる虫の運命は、自らが選んだものといえよう。彼に肩入れする友人の気持ちが謎。
「くさびら」夫婦喧嘩の後、息子と共に姿を消した妻。夫はキノコの幻覚を見るようになる。これも真相は…と騙されそうになる。よくあるパターンなのに、叙述がうまい。
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梅雨というタイトルがしっくりくる、ねっとりとした短編集だった。
「くさびら」はホラーというよりミステリーっぽくて、展開が面白かった。
個人的にはグロテスクな「ぼくとう奇譚」が良かった。自らの罪で魂を食い尽くされてもいたので、他の2作よりはすっきりした。
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やはり貴志祐介の作品は面白い。長編が読みたい気持ちもあるが、短編でも書いてくれるだけありがたい。
1つ目は流石貴志さんという感じの引き込まれる出だしと続きが気になる展開。2つ目は舞台が現代じゃないから最初は少し読みにくい文体だと思ったけど、ラストの実際の昆虫から名前を取っていたという展開が予想外で良かった。3つ目は途中からある程度予想できたけど、1つ目と2つ目がロリコン犯罪者のお話だったから最後の話は読後感が比較的良くて最後にふさわしかった。
面白かったけど、やはりいつかは新作の長編が読みたい!
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一作目と二作目はなかなか面白かった。
一作目のなにやら不穏な空気があり違和感も感覚も覚えたけど話が進むにつれ違和感の正体がわかり面白かった。
二作目もなんのこっちゃな夢なのだけと、それが面白かった。
残念なことにラストがイマイチ。
キノコの話が長い。
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梅雨をテーマにしたホラー中編集。
「皐月闇」
「ぼくとう奇譚」
「くさびら」
の三篇収録。
それぞれ、趣も異なり、それなりに面白いのですが、ちょっと気になるところがありました。
最初の作品は、認知症と復讐を絡めた点や俳句の意味の取り方でガラッと変わるというのは良い発想だと思いますが、俳句が多すぎるのと、創作俳句なので都合の良い解釈がしやすいのがずるいなと思いました。
次の作品は、時代背景の意味がタイトルにのみ引きずられているようで、むしろ内容は江戸時代っぽい感じもするので、ちょっと読みづらかったです。
最後の作品が一番まとまりがあってオチもよく、あの人物が登場するのもファンへのサービスとしてありだと思いました。
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ホラー:ミステリ:スピリチュアル=5:3:2くらいの短め中編3編。
面白かった編
・「皐月闇」
俳句ミステリ?「こんなんで何が分かるの?」「何これ読めねぇルビ振ってくれよ~」と思った所からまさかの!ドヤ顔解説の前提が崩れて反転する構造にすっごい転がされた。と同時にこんな形の復讐って空しくならないのかな、でも小鳥を捕らえる蜘蛛に歌を見出しちゃう娘だから、嬲ることそのものが半分娯楽化してるのかな、というかそっちも闇が深くてあっちもこっちもタイトル通り無明じゃーん…。
面白かったけどもっと絞ってもいいかと思った編
・「ぼくとう奇譚」
普段なるべく知らない単語が出たら検索するようにしてるんだけど、絶っ体コイツは画像見たら寝られなくなる奴!って確信するくらいキモさ爆発のスリルでした。
惜しかったのは直前の「皐月闇」と身勝手な記憶喪失と性癖が被る所、洋風の呪いと和風の幻惑とをキチキチに詰め込んだ所。あれもこれも入れたい!気持ちは分かるけど、何時代の話だったか混乱するので本命以外はバッサリ切ってもよかったんじゃと思ったりしなくもなかったり。
総評
最後の「くさびら」以外は因果応報よね~、と思いながらも悪意の不気味さおぞましさは流石でした。毎度怖くて上手い。類作??の「秋雨物語」もあるみたいなのでそっちも読んでみようかな。
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生者と死者をつなぐホラーミステリ三編がおさめられた一冊。
俳句を読み解いていく「皐月闇」は、解釈を聞いているうちにだんだん怖くなってくる。記憶に問題がある主人公と、丁寧だけれど妙なところのある元教え子。元教え子への視線が気持ち悪いと感じていた。徐々に導かれていく真実に納得。
黒い蝶の呪いを書いた「ぼくとう奇譚」は、昭和初期の時代の雰囲気を存分に味わえた。過去の罪により呪われていると知っていても、夢の中で妓楼に通い馴染みの花魁を選ぼうとする愚かさ。不気味に朽ちていく妓楼も悪夢でしかなく、何が起きるのかと惹きつけられた。
庭に生えてくるキノコの恐怖を書いた「くさびら」は、主人公が妻子を殺したのかと思っていたら、非常に切ないお話だった。オカルトじみていたけれど、愛する家族に守られていたというラストが良かった。
どれも面白かった。