紙の本
徐々に分かってくる
2024/01/03 17:58
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編三本。
遺された句集から、黒い蝶の夢から、フェアリーサークルから、語るうちに少しずつ凶事が明らかになっていきます。
ちょっとスピリチュアル入ってるのもあるけれど、ジンワリくる不気味さは楽しめる。
電子書籍
好み!
2023/11/08 07:18
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投稿者:さらしな - この投稿者のレビュー一覧を見る
3つお話が入っていて、2つめのお話がとても好みでした。
絢爛豪華な遊女たちの本当の姿を思い浮かべて、(実際にみんなかわいいもんなあ……)とうっとり。
ある遊女の気質というか性質についてのオチみたいなのが述べられているのもよかったです。
3つめのお話は、ラストシーンを思い浮かべて泣いてしまいました。
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好みのホラーだった!
虫とか、キノコとか、サイコー過ぎる!
貴志さんの「天使の囀り」もかなり好き♡
「くさびら」のラストシーンの美しさに心を打たれました。
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命を絶った青年が残した一冊の句集。そこに記された十三句を解釈していくほどに、隠された秘密が浮かび上がる。『皐月闇』より。他全3篇。
全編通してじっとりした湿気を帯びたようにどんよりしている。物語は三話それぞれ個性的で読みやすい。
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地味ながら貴志祐介さんの魅力が光る短編集です。昨年発売の秋雨物語と地続きの雰囲気があります。この作品集がおもしろいと思われた方には、秋雨物語もおすすめです。
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梅雨の時期のような薄暗さがずっと続いているような三篇を収録した本でした。
どのお話も予想外の展開が待っていました。
私には表現や漢字が難しく感じ、ストーリーをしっかり理解できている自信はありませんが、それでも面白かったと思っています。
でも読み終わっても全然スッキリしない笑
最後ちょっとウルっとはきましたけど、怖いというよりはモヤっとしたっていう印象です笑
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ホラー作家が怖いと言ってたので、ホラーを期待したけどそうでもなかった。SF風。
「皐月闇」
認知症の老害男の思考を読まされるとは。主人公視点だとそこまでではないけど、あなた呼びはなんか気に障ったし、たぶん、端から見たら、偉そうでイラつくのかもしれない。
テーマは俳句。貴志祐介すごいな。
しかし、オチは読めてしまうのが残念。認知症だからこそずっと苦しめる。暇だな。
俳句の読み解き方は面白かったけど、仮説をたてていき、それをどんどん破っていく手法はやっぱり好き。
「ぼくとう奇譚」
夢の登場人物の元ネタが虫達で面白かった。
自業自得のオチなので、最初から共感出来ずに、とりあえず展開を追うのが面白かった。
「くさびら」
元ネタがあるとは。キノコの話は面白かった。
これもやっぱりオチはわかってしまうけど、やり方がリアル。ガレージの仕掛けが恐すぎる。
従兄弟の医者には見えず、それ以外の人間には見えていた、というのも面白かった。
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ねっとりとした印象の三作品。最も先生らしく好きなのは昭和初期テイストの二話目。一、三話目はミステリ色強く特に一話は俳句を嗜む自分のハートを射抜いたが、総合して★4。
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幻想・ホラー・ミステリーを混ぜたようなお話が3編入っている小説。
タイトルの通り、どの話も雨が降っている描写があってしっとりとした雰囲気。
自分好みの話ばかりで面白かった!どれも好きだけど、一番好きなのは"ぼくとう奇譚"かな。
皐月闇…一番目の話。俳句の意味を解き明かしていくストーリーで暗号解読のようなミステリー要素と、ちょっとしたどんでん返しもあり楽しめた。女の執念は怖い。
ぼくとう奇譚…二番目の話。こちらはミステリーではなく、幻想とホラー(怪奇?)を混ぜたような感じ。昭和初期の時代設定のおかげで遊郭の雰囲気が幻想的で美しい。でも逆にそれが恐ろしい。
日斉さん普通に有能やん。最後の真相を語るところは鳥肌ものでした。日震さんは何者なのだろうか…。
タイトルの"ぼくとう"はラストの方で意味が分かって、あ、そうなんだ?と思った。あと女の執念は怖い。
くさびら…三番目の話。なぜかキノコが見えるようになった男の話。実際想像するとキノコが部屋にビッシリって気持ち悪いと思うけど、キノコという単語のおかげなのかそこまでホラー感はなかった。頭のおかしくなった男の話で怪奇小説か?かと思ったけど、最後の方は流れが変わり、ちゃんと(?)探偵が活躍してミステリーの話となり、真犯人を追い詰めるところがあってよかった。まさかキノコの話からいい話で終わるとは思わなかった。
キノコの種類がいっぱい出てきてちょっと勉強になった。女の執念(というより思念か?)がなせた業。女の執念はすごい。
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【皐月闇】
語り手の元に現れた自殺した兄の俳句集を持ったかつての教え子。
その俳句にはおそろしい秘密が隠されていて。
兄が犯した罪の告白であれ?そんなもの?と思わせておいてから語り手へのどんでん返し、さらには認知症すらトラウマによる局所的な健忘であるというオチ。
とても面白かった。
随所に伏線があって、なおかつ読み進める度に伏線は分かりやすくなる(次第に思い出しはじめているという描写かな?)ように書かれているのが細かい。
さらに認知症というピースがいい仕事をしてた。語り手が犯人であるパターンって割と知っているはずの出来事を無視して違和感になってしまうことが多い気がしてるけどこれなら忘れているから説明が着くし納得出来る。語り手が本来は全てを知っている犯人でありながら読者と同じくまっさらで何も知らない立場での語りを許される。
ただ強いて言うなら本当にまっさらな読者には「兄が自殺した」「兄と瞳の婚前旅行」「婚前旅行で失踪、死んでしまった」という前情報が逆に余計な思い込みを生んでしまってアンフェアな気もする。
いや、それこそ「というのも実は嘘でミスリードです」という部分を省いた連用止め……ってコト?!
ミスリードにしては断定情報だとおもわせすぎかな、とは思った。
ホラー要素:ミステリが1:9くらい。
【ぼくとう奇譚】
昭和感がまたホラーの恐怖、不気味さを引き立たせていてよかった。
それでいて登場人物の正体やどんでん返し、伏線などもしっかりしていて雰囲気だけではなく楽しめた。
キャラも引き立っていてこれはシリーズとして読みたい。
不気味な感じもあったしおどろおどろしさもあったけど読後感はすごい爽やか。
ホラー要素:ミステリ要素は8:2
【くさびら】
妻と息子が家でをした家で実在しないキノコが現れる。従兄は精神病を疑うし探偵や義母まで現れて。
正直語り手が犯人だと思ってた。従兄だけ見えてなかったのか。
妻が自分の好きだったキノコで警告していたのも、妻の言っていたことをちゃんと覚えていたから何度も危機を察知できた語り手も、なんとも言えないラストだった。
ハッピーエンドではないしちゃんと悪い人は捕まったから胸糞では無いし、でもせつない気持ちになった。
誰も幸せになれなかったな。
ずっと幻影のキノコを中心に話が進んでいく中で最後の決め手で本物のキノコが出てくるのは胸熱だった。
生者が死者を忘れるんじゃない、死者が生者を忘れるのだ。とても良かった。
ホラー要素:ミステリ要素が4:6くらい。
全体的にストーリーは文句のつけどころがない面白さだった。
ホラーという宣伝で買うと少し物足りないかも。二話目は堂々とホラーだったけど。
ファンタジー要素が主軸だけどストーリーの本質はミステリ。
次からは作者買いしそう。
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3つの短編集。
「皐月闇」はちょっと説明が長くてテンポ悪かったかなぁ。
「くさびら」が個人的に好みだった。
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昔の教え子が家に来た。俳句部の部員。自殺した双子弟の俳句集の評価を依頼。
沖縄に旅行に行き、喧嘩。そのまま恋人が行方不明。後追い自殺。認知症を発症していて解説が難しい。生徒が違う解説を始めた。弟は自殺していない。俳句集も弟のではない。
死んだ女子は自分の恋人。レズビアン。
教師は生徒に手を出していた。死んだのは事故?殺人?学校側は懲戒免職にするのがイヤで退職。その後、教師は叩かれて家族崩壊。
認知症になったのを知り復讐にきた。
実際に強姦殺人をしたようだが認知症で記憶がないないが事件を起こしたのは思い出す
生徒が帰宅すると、忘れてしまった
ぼくとう奇譚
黒い蝶に取り憑かれた男。お札をもらう。夢を見ると戦国時代。遊郭に逃げ込む。怪しい女達に囲まれる。目が覚める。妖怪に手を出したら命はない。夢を見る。まだ、子供だが美少女を気にいる。美少女は遊女ではなく湯女になった。誘われて風呂に行く。天井に巨大な毛虫。先に美少女の胴体。喰われる
男は廃人となる。男が囚われいたのは木の蜜に群がる、蛾と蝶。美少女はまだ幼虫の毛虫
昔、子供に手を出し、その父親から殺されかれた。顔の傷はその時のもの。
子供が不憫で成敗された
くさびら
祖父が山持ちの富裕層の工業デザイナー
仕事場を軽井沢に。母が死ぬと7億円遺産は自分と心理カウンセラーの従兄弟の二人だけ
妻と子供が行方不明。庭にキノコが大発生
そのキノコは死体がある場所に発生
犯人は従兄弟
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「世にも奇妙な物語」の雰囲気に思いっきり蘊蓄をトッピングしたような中編集。
私は蘊蓄大好きだから本作も楽しめました。「ぼくとう奇譚」の虫の蘊蓄にはゾッとさせられましたが。これ全部先生が元から知っている知識で書いたなら相当すごいと思う。最後のキノコのお話が読了感がよく、ラストがあの話で良かった。
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ストーリーテラーが冴え渡る三作品。『皐月闇』は俳句、『ぼくとう奇譚』は蝶、『くさびら』は茸…暴きを促す雨…忍び寄る怪異に轟いた。ミステリもホラーも楽しめる一冊だ。
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ホラーでもありミステリーでもある3編にぞわぞわとしてしまった。
皐月闇〜中学の担任のもとへ命を絶った双子の兄が残した句集を解釈してほしいと持ってくるかつての教え子。
ひとつひとつ解釈していくうちに頭の中で蘇ってくるもの…。
先生、実はあなたはこんなことしてたんですよ…的な。
ぼくとう奇譚〜時代は関東大震災後だろうか。夜な夜な奇妙な夢を見る男。黒い蝶が飛び回り…。
その夢を見るのはよくないことの前兆で命が危ないと言われ…。
これは祟りなのだろうか。
怨念が黒い蝶に模して飛び回って苦しめられてるようである。
くらびら〜庭の芝生にある一点がいつの間にかリング状の模様を描き、キノコが埋め尽くしていく。
危機迫る感じでシャベルと鍬で取ろうとする。
従兄弟がその様子を見て驚くことにキノコとやらは、目に見えないのである。
怪現象なのか…呪法の儀式を行うも何やら不穏な空気が漂う。
家を出たという妻子に絡むミステリーの結末はキノコが証明したのだろう。