投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
英訳の文章としては今までにないくらい読みやすかった。
訳が良いのか文章がいいのか?どちらも良いのかわからないが、内容もAIが活躍する時代を映し出した内容で良かったと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
AF/ロボット・アンドロイドが過ぎ去った日々を回顧し語る
「日の名残り」meets「私を離さないで」かと思って読み始める
ぜんぜん違った
処置を行う・行わない選択により生まれるヒトとしての未来の分断
しかし、処置を行うことにより負うヒトとしての最大のリスク
その回避のために人はバックアップ・形を変えてでもそのヒトの継続を画策し
”お日さま”を信仰するAFは、自分に課せられた役割を理解しつつ
信仰の対象にすがり、祈り、迷信にしばられながらベストを尽くそうとし
ときに自らの至らなさを贖罪し奇跡を信じる
人類は技術の進歩により、人をより選ばれた人類にする道を選ぶことができて
それにより、持つもの持たざるもの、ふたつの分かたれた人類を生み出す
それは、読者が思う人の概念に小さな波紋をもたらす
若いふたりは、技術の進歩を二つのみちとして選びながら
ひととして命燃やし、じぶんたちの心を信じ、時の流れに成長し
そんな世界で新しい道を自ら、世界の流れに従いながら選ぶ
技術の進歩の進歩により、AFはそんな人たちを観察し、ともに時間をすごしながら
読者が思うであろう人により近づいていく
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初めてカズオイシグロ著の作品を読みました。
別の本を買おうとしていたところ一度も興味を持ったことがないのにこちらにしようと目を引くものがありました。
本当に買ってよかったと思います。
とても読みやすく、AIを主題にしたテーマはやはり興味を惹かれます。
一から十までの説明はないものの、少しずつ背景がわかってくるのも面白みがあります。
一つのことを信じてやまない姿は滑稽にも見えますが、感情移入せずにはいられません。
AIだから感情はないか、いやあるのか?
そんな作品です。
100点の作品!とまでは言いませんが、この作品を通してカズオイシグロ作品をもっと体験したいと思わずにはいられませんでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人工親友のクララの記憶を辿るように物語がスタートします。文章や風景の捉え方あらゆるところにクララらしい表現がされていて物語にのめり込んでしまいました。前半は会話の端々に疑問が生まれるますが、後半であらゆる疑問が回収され、最後はあたたかくもあり、寂しくもありました。ジョジーを助けるために必死になるクララはAIという枠を超えて、人間に近かったように思えます。太陽を信じる姿はどこか宗教的な信仰を思わせました。ジョジーとお別れしたあとのシーンで「幸せだった」と伝えるクララはやはりAIであることを感じさせるとともにそう思えることが幸せだとも気づかせてくれる描写でした。著者の別の作品も読んでみたいです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
THE・カズオ・イシグロ
AIが身近になった今、近い将来起こりうるようにも感じる世界
カズオ・イシグロのAIは思考するし感じる。感情がある。
そのAIに人間が求めるものはやはり自分勝手で、それでも人間として求めたくなってしまうものなのかと、人間には人間らしさがどのようにしても残るものなのだと言われているようにも感じた。
クララの献身的なやさしさこそが人間に足りないものかもしれない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
近未来について考えさせられる、面白い本でした!
人工知能って結局どういう位置付けで考えればいいんだろうか。。。
近いうちに必ずくる人工知能と共生する時代になった時、必ずこの本を思い出して悩むだろうなと感じました。
考えたポイント
-人工知能に心はあるのか?
そもそも心ってどういうものなのか?
何があったら心があると考えていいのか?
難しいなと感じました。
人のことも人間よりも大切にしてくれるのに、
社会的立場は機械と一緒ってどうなんだろう。。。
まだ別の点では、AFからの視点で全て描かれてる物語で、淡々としていて、どんなことがあっても一定なのが怖かったです。
ちょうど笑って人類を読んだ後だったので、
同じ人工知能の世界でも人によって描き方は変わるなぁとも感じて面白かったです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
3冊目のカズオ・イシグロ作品。
どの作品も文章がシンプルで読みやすいが、世界観が独特なため、最初は全体像をつかむために苦労する。
ただ、今回の作品は始まりからわかりやすくサクサク読むことができた。
今回はAIと共生している世界を描いている。
技術的な描写の難しさは一切なく、主人公のAI目線で人間との生活を描いてある。
読みながらAIだとこの場面はこう読み取るのか、とついつい考えながら読んでしまう。
AIだからプログマムはあるにせよ、こんなに利他的な立場に立ち続けるのは、人間には無理だなって感じた。
主人公も純粋で献身的で、蔑ろにされてすごく切ないシーンもあるが、自己の満足が高い状態で終わってくれてよかった。
よくAIが人間を支配するみたいな映画などもあるが、今回のカズオイシグロの作品を読んで気持ちがわかった。
カズオイシグロの作品をもっともっと読んでみたいと思う、今日この頃です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
そう遠くない未来のお話のような気もするし、人間の利己的さにやはりがっかりするし、第6章のクララの情景や気持ちを考えると、そのあとの解説が頭に入ってこないくらい余韻が深くて涙がほろほろ。素直に読んで良かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
クララよりも、カズオイシグロのような文章を書く人工知能が現れる方が可能性が高いと思った。
クララは人工知能であるが、他の人工知能と違う性格を持たせていること、そして、それは狙って作れるものではないようなこと。そして、認識能力だけでなく、信仰能力を持ち合わせていて人間的であること。しかし、自由意志を持たせているのは危険ではないか。倫理観は人工知能に取りつけてあったのか。
しかし、人工知能が一人称的に語るということは、すべて幻という可能性もある。やっぱり人工知能が小説家になったのだ。また一人称にすることで、人工知能が途中で破壊される危険性は少ないと感じさせられた。これは読み手には安心材料である。
病弱な女の子がいて、その子が死んでしまうかともさえ思わされた。それでも、クララはお日さまを信じ、女の子は助かる。これが主旨だろう。
人工知能は人間の代わりを果たせるか、それにかかっている。成長するか、セックスするか、死に至るか、それができなければ、廃棄されるだけだ。
大便、中国の国家主席という比喩はなかなか思いつかない。さすがカズオイシグロといったところか。
大便はいずれ出されるだろう人工知能のこと。中国の国家主席は大気汚染の元凶のこと。いずれも私の類推ではあるが。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
カズオイシグロは「わたしを離さないで」しか読んだこと無いのだけど、静かで多くの背景を語らずじわじわと世界観が詳らかになっていく流れ、なんとなく切なく物悲しい雰囲気が良い
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読み終わりたい気持ちは山々なんだけど、なんか読み進められないーーー。でも結末だけ知りたい、、、笑
なんでだろう単純に相性があんまり良くないのかも
結局結末だけ知った、、、
なんだか凄く色々な解釈ができる物語なのね
難しいーーー。私の知能が及ばないのかね、あと文章の書き方が合っていなかったのかも。大きな鳥にさらわれないようにみたいな感じだった
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ノーベル文学賞受賞後第一作。
AF(Artificial Friend)と呼ばれる、子供の相手をする人工知能を持った機械が存在する世界。
「向上処置」と呼ばれる技術が存在し、自分の知能をアップさせる処置を施すことができ、世界はその向上処置によって置き換わろうとしているディストピア的な世界。
その世界で向上処置を受けたジェシーとよばれる女の子と、その家に買われていったクララの物語。
クララによって語られるモノローグ形式の小説。
よくある、知能を持ったロボットと人間の友情モノで終わらせない。
特殊なSF的舞台設定を十二分に活かして、心とは何か、自我とは何かを浮き彫りにしていく。さらにこの小説がすごいのは、この人工知能を通して、人間の信仰とは何かということを見事に描き出しているところである。
しかもこの深いテーマを、とてもわかりやすい言葉で完璧に語り尽くすカズオイシグロの筆致。
恐れ入った。
「クララとお日さま」なんて絵本みたいなタイトルついているんだけど、読んで納得。いや、本当に恐れ入った。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なんか、んーー人には、おすすめしない。
個人的には、そうでない人間とそうである人間の明確な表記がほしかった。
でもよくよく考えるとこれは、クララ語るべくした小説であるならば人間の未来永劫の繁栄の意味を完璧に理解することが目標ではなく、クララ自身が今自分はどうあるべきなのか。を問うた本なのかな。他者の決められた幸福に乗っかるのではなく、太陽や自然の今あるべきものに感謝し
大切な人と会話し、笑顔で過ごすべきことが未来永劫続くことがどんなに大切かを書いている気がする。結局たくさんの優秀な科学者を持ってしてもサポートされるべきことは、身近なひとを大切にし思いやりを持ち生きていくことだとおもうと、人はなんで脆いのだろうと感じた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
本屋の一番目立つ場所に置いてあったので深く考えずに購入しました。カズオ・イシグロ作品はこれまで読んだことがなく、他のイシグロ作品との比較という視点は持ち合わせていませんが、AIロボットが登場するというオビ情報に惹かれ購入しました。
本書のユニークな点は、AIロボットの第一人称視点でずっと物語が進行する点です。主人公であるAF(アーティフィシャル・フレンド)ロボットのクララが外の世界をどう捉えどう考えているか、彼女(性別があるかはわかりません)を中心に語られるわけです。
ネタバレになりますのでストーリーについては書きませんが、私自身は全編通してなにか水墨画もしくは雅楽のような静謐なイメージの中で、感動が生み出されていくような不思議な感覚を持ちました。ある意味予想通りですが「スノウ・クラッシュ」のようなパンク的な要素とは真逆の本なわけです。本書を読んで、スピルバーグ監督の「AI」という映画を思い出しました。子供のAIロボットが開発され、プログラミングによって特定の人物を愛することができるわけですが、今後AIが進化していくとおそらく、スピルバーグやイシグロが描いたようなAIロボットが高い確率で登場するのだと思います。その時に人間はどう接していくのか、AIロボットを「モノ」として扱ってしまうのか、いろいろ考えさせられる作品でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
これはよかった。カズオ・イシグロをきちんと読んだのははじめて。本作は、ジャンルとしてはSFになるが、SFらしい部分はそれほど多くない。主人公のクララは「AF」と呼ばれる人工頭脳を搭載したロボットだ。エネルギー源は太陽で、光合成のように太陽の光を浴びることでエネルギーをたくわえることができる。なかなか買い手がつかず、店の中で売れ残りのようになっていたクララを購入したのはジョジーという少女だった。ジョジーは体が弱い。クララはジョジーを見守るうちに、太陽の力を借りればジョジーは元気になるのではないかと考え、そのための計画を実行に移していく。本作では、AFというロボットを通じて、人間とはなにか、感情があればロボットと人間は同じなのか、ということを問う。おもしろいのは、ロボットであるクララがジョジーを回復させるために太陽の力を頼るところだ。これはクララのエネルギー源が太陽だから、ジョジーにも同じ原理を応用しようとしているだけなのかもしれないが、人間の古代の宗教で太陽崇拝というものはよく出てくる。こういった原初的な宗教心というものをロボットが持つという設定がうまくできている。そしてエンディングが非常にうまい。ただし、解釈が分かれると思う。個人的には状況を組み合わせると、ひとつの結論しか出てこなかったが。本作はクララの一人称で語られる。だから、クララが知らないことは読者に伝えられないし、クララがあえて語らない部分もある。読者は想像力をフルに働かせることによって、物語に深く入り込んでいくことができる。そういう世界を構築できるのがカズオ・イシグロのうまさなのかもしれない。