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初めてカズオ·イシグロ作品です。
ノーベル文学賞を受賞して名前を知り、機会があれば作品を読んでみたいと思っていました。
可愛らしい作品名と可愛らしい装丁(単行本)に゙惹かれて読みたいと思っていました。文庫化されて「チャンス」と思い手に取りました。
しかし、翻訳本は少し読みづらかったです。だから、普段は日本の作家の作品ばかり読んでいて、無意識に外国文学を避けていたんだと解りました。
作品はAIロボット、クララの話。
クララはAF=人工親友として子どもの成長を手助けするロボット。
そして、ある日、ジョジーという少女の家庭に買い取られて一緒に暮らしていきます。
クララはジョジーのために色々と考えて頑張ります。
でも、何故、クララを選んだのか。とか、クララの引退のことになると、「所詮、物(ロボット)でしかないんだな」と感じられる場面があって、クララが不憫に゙思えました。
人間の都合の良いように作られたAIロボットで「もの」だから、いくら知性と感情があって素晴らしい働きをしてもそういう終わりの扱いになるのだろうと思うと、良い気持ちにはなれませんでした。
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クララ(AF=AI)は太陽信仰や人間のような感情を持とうとする。
一方人間側は、感情を良いものとは捉えずAFを人間として扱ってしまおうという始末。加えて向上処置(科学技術による能力引き上げ処置?)など、人間離れした存在を目指すようになる。
ここらへんがAIの人間化と人間のロボット化との対比として描かれていて良い。
社会問題も取り上げられているそうなので、これから調べる。科学技術の進歩による倫理観を問う作品であり、心打たれる話でもあった。
最初はカズオイシグロ作品のなかでもあんまり好きではなかったけど、考察や読み返すことで深みの出る作品なのかな。アイロニーとか物悲しさみたいなのは他の作品と同様で存分に味わえた。
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『日の名残り』、ノーベル文学賞受賞時にいつか読もうと思ったが、どうも実現しなさそう。ちょっと前の作品が文庫化、興味がある作家さんなので、まずは読んでみたい
#クララとお日さま
#カズオ・イシグロ
23/7/19出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3NX7kur
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2021年春の作品、読みたいと思いつつぐずぐずしているうちにもう文庫になった(でも文庫本でも1500円! 30年前の単行本価格…)。
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いただき本。
今年一番。出逢ってくれてありがとう。
カズオイシグロは何冊か読ませていただきましたが、ダントツに好き。
AF人工親友のクララが語る物語は、独特の言い回しがなんともよい。
そしてAFやら、向上処理を受けた子と受けなかった子やら、未来的な世界観のなかで、その詳細は決して語られる事がない。そこがとても素敵。
クララの思いは、いや、任務みたいなものなのか? は、とても一途だ。
一途さというものは、人の心を動かすものだと思うのだけど、
この作品は、一途さが微細な粒子となって空気中を漂い、私の読書時間にどんどん広がっていった感じ。
そのミストみたいなものが、私の体内に、自然な形で入り込み、憂いを与えてくれた。
本を読んで、心はこんなふうに動いていくんだなぁと、とっても心地よく感じることのできた一冊。
久々の感覚でした〜。ありがとう。
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高い人工知能を持つAFクララと病弱少女ジョジー。2人の友情だけにとどまらず、母親、父親、ボーイフレンド、ボーイフレンドの母、ボーイフレンドの母の…と、周りの様々な人間関係や出来事がクララ目線で描かれる。そして物語は思わぬ方向に…。
クララが異常なほどまでにも重要視するおひさま。陽の当たる場所で読むといっそう面白く感じると思います。でも、最後があまりにも切なすぎる。普通だったら「あんなに尽くしたのに、役に立ったのに…」と怒りの感情を持ってもおかしくないのに、役割を果たしたことに心から満足するクララ。ここが人間にはない素晴らしいところであり、人工知能が人間に追いつけないところでもあるのかな、と感じた。
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クララは終始冷静。感情的にならない。それは感情がないということか。ならば、ジョジーの友だちが集まったとき、どうして黙ってしまったのか。悔しいとか、屈辱的とか、そういう感情をもったのではなかったか。そして、クララは終始従順。逆らうとか、歯向かうとか、反論するというようなことはなかった。と思う。そういうふうにプログラミングされているのか。しかし、そこに自由な意思がないというわけではない。ジョジ―のために、お日さまにお願いするために、無理をして納屋まで行った。最後の場面でも、家族のことを一切悪く言うことはない。幸せだったという。クララにとっての幸せ?一体それは何なのだろう。それにしても、いつもながらイシグロの物語はゆっくりと落ち着いた雰囲気のなかで進んでいく。AFとは何か。向上処置とは何か。たぶんそれぞれ各一ヶ所でしかその答えが書かれていない。人工親友、遺伝子編集、それらもさりげなく登場するから、意識していなければ見逃してしまう。ところでクララはあの煙突3本のキカイが1台しかないと思っていたのか。そんなわけはないのに、その辺り幼くてかわいい。というか、経験は増え、記憶が増えていくわけだけれど、それを成長と呼んでいいのだろうか。ジョジーやリックといっしょに成長したのだろうか。最後の店長さんとの会話を読むと、やはり成長したと言っていいのだろうな。そして、この後、クララは分解され鉱物を回収した上で廃棄処分になるのか。それとも、メンテナンスをした上で、再び他の子どものところに持ち込まれるのか。このまま捨てられるとすると、なんとも気の毒な感じがするな。さて、この物語を読んでいる途中、小6の生徒に内容を話してみた。AFとは何かを想像させた。残念ながらパッと思いついた生徒はいなかった。と言っても、僕自身我慢できずにググってしまったから、偉そうには言えない。あまりお勉強が得意でない女子が一人だけタイトルをメモしていた。読んでくれるだろうか。残念ながらイシグロの名前は浸透していないようだ。昨年、通信に連載していた文学談義の中でも紹介したのだが。読んでないなあ。
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お久しぶりの カズオ・イシグロ
独特の雰囲気に会いたくて 読み始めた
何とも言えないこの雰囲気がいいなぁ
最後の店長さんとクララの場面に似たシーンをどこかで読んだような気がするのだけれど………
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何ていうか、横綱相撲すぎる小説でした…。
感想書こうにも、解説すら完璧のため、今更私ごときが何を?!という感じですが、
AIとの共生についての一つの形を、丁寧に、静かに紡いだ作品でした。
ただ解説でも触れられている通り、
倫理観や「心とは何か」という、それこそ人間が長年取り組みつつ先延ばしにしてきた命題に対して、
納得できる回答を導き出したのが、感情と学習の機能を持ったAIだった、という展開が何ともリアルだなと思いました。
人間がAIを恐れたり、感情を持ったとしても人工物であることに対して複雑な感情を抱く間に、彼らが先に人道的な課題への答えを見つけることも、この先ありそうだなと。
■
また、イシグロ作品特有の、
にこやかな建前の会話中に現れる綻び、そこから覗く穏やかでない本音(押し込めた苛立ち、無意識の差別意識など)のスケッチが相変わらず巧みで、「交流会」の様子や「向上処置」絡みの会話には大変ザワザワしました。
(例えば著者の「夜想曲集」は、その人間描写のエグみを個人的に強く感じました)
AIであるクララは、不安や疑問、不快感を感じることがあっても、意地悪な気持ちや嫉妬心=他者への敵意や過剰な自意識、は薄いんですよね(読み落としていたらすみません)。
不穏な展開であってもページをめくるのが嫌にならないのは、語り手のクララが、人間の純粋さや善意で成り立っている存在だから、というのも大きいと感じます。
逆に言えば、人が完全には克服できないそういった業(ごう)を取り除いた存在が、技術革新次第ではできてしまうのかも…という可能性を示された気もします。それが良い悪いはまた別として。
世間的にはヒューマニストとして浸透している手塚治虫の作品にも、時々、人間へのブラックでシニカルな視点が見られるように、
イシグロ氏も多分、常人以上に、人間に対してのやるせなさを感じてきたと思うんです。
ただ、現実を冷静に見つめながら、
「人間はそれだけじゃないはず」というのを、筆の力で証明する根気強さがあるからこそ、多くの読者の心を揺さぶるのだと思いました。
本作の「完成まで6年」という歳月は、
科学の発展の明暗にとことん向き合いながら、
批評的な目線を貫きつつも、陽だまりのような結末に辿り着くために必要だったんだなと思います。
■
映画化ってあったけど、私はワイティティ監督=マイティ・ソーのイメージ強いからどんな仕上がりになるのか楽しみ!
あの吸血鬼映画を撮影した方がマーベル、アカデミー賞候補、ノーベル賞作家作品、SW…とすごい躍進ぷりだと思うけれど、どんなテーマでも陽気さやユーモアを排除しない作風が人気なんだろうか。
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第4部から急展開すぎて、そこから2日で読了。面白かった!と簡単に言いたくない重さを、読み終わった直後のいまは感じる。
詳細が謎のままの設定もあるし、第3部くらいまでは割と静かに物語が進んでいくから先が不安になるけど、第4部以降が怒涛で読むのを止められなかった。
そうなってほしくない、と思ってたけど、そうなってしまうんだろうな……という結末。クララに感情移入しすぎてたからつらかった。でも読んで良かった。「わたしを離さないで」が好きな人なら受け入れやすいと思う。
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人間とAI、人間と人間の格差やお互いの関係を隔てている壁や在り方について考えさせられる作品であり、これらは正しく現代社会に置き換えて考えることができる内容であった。むしろ科学技術が進歩し本作のような世の中に近づいて行くのではないかと思ってしまった。人間が文明を発展させ便利になる一方生まれる負の副産物と言った所でしょうか。これを読んだ後にの未来を想像すると少し恐ろしい。
もう一つのテーマとして人やAIの心についても印象的だった。クララの優れた観察力から生み出される再現性の高さから本物と瓜二つのジョジーを作ることはおそらく可能であったでしょう。ですが1番重要となってくる心の本質の部分が本人にあるのではなくその周りの人達の中にあるというのがとても心に刺さるところであった。確かに他界したおじいちゃんを100%再現したロボットが現れても生きていた頃と全く同じ気持ちにの持ちようにはならないでしょう。もちろんいなくなってしまったという記憶があるのも1つの原因だが人と人が関係を築き上げ愛し合う唯一無二のものであるのは互いに他者の心が自分の中に存在し合うことで初めて心が宿るという考え方は素敵であり心に響くものである。
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英訳の文章としては今までにないくらい読みやすかった。
訳が良いのか文章がいいのか?どちらも良いのかわからないが、内容もAIが活躍する時代を映し出した内容で良かったと思う。
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AF/ロボット・アンドロイドが過ぎ去った日々を回顧し語る
「日の名残り」meets「私を離さないで」かと思って読み始める
ぜんぜん違った
処置を行う・行わない選択により生まれるヒトとしての未来の分断
しかし、処置を行うことにより負うヒトとしての最大のリスク
その回避のために人はバックアップ・形を変えてでもそのヒトの継続を画策し
”お日さま”を信仰するAFは、自分に課せられた役割を理解しつつ
信仰の対象にすがり、祈り、迷信にしばられながらベストを尽くそうとし
ときに自らの至らなさを贖罪し奇跡を信じる
人類は技術の進歩により、人をより選ばれた人類にする道を選ぶことができて
それにより、持つもの持たざるもの、ふたつの分かたれた人類を生み出す
それは、読者が思う人の概念に小さな波紋をもたらす
若いふたりは、技術の進歩を二つのみちとして選びながら
ひととして命燃やし、じぶんたちの心を信じ、時の流れに成長し
そんな世界で新しい道を自ら、世界の流れに従いながら選ぶ
技術の進歩の進歩により、AFはそんな人たちを観察し、ともに時間をすごしながら
読者が思うであろう人により近づいていく
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初めてカズオイシグロ著の作品を読みました。
別の本を買おうとしていたところ一度も興味を持ったことがないのにこちらにしようと目を引くものがありました。
本当に買ってよかったと思います。
とても読みやすく、AIを主題にしたテーマはやはり興味を惹かれます。
一から十までの説明はないものの、少しずつ背景がわかってくるのも面白みがあります。
一つのことを信じてやまない姿は滑稽にも見えますが、感情移入せずにはいられません。
AIだから感情はないか、いやあるのか?
そんな作品です。
100点の作品!とまでは言いませんが、この作品を通してカズオイシグロ作品をもっと体験したいと思わずにはいられませんでした。
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人工親友のクララの記憶を辿るように物語がスタートします。文章や風景の捉え方あらゆるところにクララらしい表現がされていて物語にのめり込んでしまいました。前半は会話の端々に疑問が生まれるますが、後半であらゆる疑問が回収され、最後はあたたかくもあり、寂しくもありました。ジョジーを助けるために必死になるクララはAIという枠を超えて、人間に近かったように思えます。太陽を信じる姿はどこか宗教的な信仰を思わせました。ジョジーとお別れしたあとのシーンで「幸せだった」と伝えるクララはやはりAIであることを感じさせるとともにそう思えることが幸せだとも気づかせてくれる描写でした。著者の別の作品も読んでみたいです。