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アダム・カヘンの最初の本の新訳版。
前の翻訳は2008年に出たということで、私は出てすぐ読んで、その後再読していないので、15年振りということになる。
旧訳と比較してないので、どこがどう変わったかはわからないが、全体として読みやすくなった印象をもった。
もちろん、その後のアダムの本やU理論などなどを読んだり、ワークショップに参加したり、いろいろしたので、「そうそう」みたいな感じで読みやすく感じたのかもしれない。
いくつか自分の理解が十分でなかったところで、改めて理解が進んだ概念もいくつかあった。(「ディベート」に関する部分とか)
本は、理論的というより、さまざまなエピソードを紹介しながら、ストーリー的に語られているので、読みやすい感じはするのだけど、全体としてどういうフレームになるのかはややわかりにくい。
その辺りのところを訳者が解説で、U理論のフレームに当てはめ直して、全体を整理してくれているので、スッキリする。この解説のためだけでも、読む価値がありそう。
著者のファシリテーションは、その後、「愛」「力」「公義」の三位一体論に発展するわけだが、この本は、その入り口、とくに「愛」を中心に語られているということになる。
しかし、改めて、三位一体論を頭にいれて読むと、明確に概念整理はされていないものの、そこにつながっていく話しはあって、面白かった。
カヘンは、静的なフレームワークの中でファシリテーションする人ではなく、なんか軸の極を行ったり来たりしながら、ダイナミックに前進していくような人なんだろうなと思った。