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記者の良心と熱意に頭が下がります。
2023/09/19 17:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かめ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい本でした。酒井氏の記者魂と良心と熱意にただただ敬服するとともに、遺骨収集の現在の状況も知ることができ、大変勉強になりました。「遺骨収集はこれから益々世間の関心事ではなくなる」という記載もありましたが、少なくも私個人は、先の大戦で沢山の方たちがどのように戦って、どのようにお亡くなりになったのか、知る義務があると考えているので、常に読書を通して勉強していきたいと思っています。この本は、ルポタージュにとどまらず、著者をはじめ、関係者すべての方たちの真摯な人柄、戦後に向き合った人生も伝わり、胸を打ちました。酒井記者の取材をこれからも応援しています。
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「戦争はまだ、終わっていない」。
読んでいて泣けてきました。
「硫黄島」と聞くと、映画(渡辺謙さん・二宮和也さん、イーストウッド等)を想起出来る人は多いと思うのですが、では「硫黄島の戦いのその後」について考えている、或いは考えた事のある日本人はどのくらいいるんでしょうね。。
この本に出てくる「国の不作為(収集作業の怠慢)は、トップ(歴代政権の代表)の意思の問題」という言葉は重いと思いますよ。
この本の著者は北海道新聞の記者。ただ、仕事とは関係なく「政府派遣の硫黄島遺骨収集団のボランティアとして4回渡島」しているようです。
この本はその時の遺骨収集の体験とか、「戦死者2万人のうち、未だ1万人の遺骨が行方不明」という現実について独自に調査したルポ的内容。
平和ボケしているお気楽なたくさんの日本人に読んで欲しいかな
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TBSラジオ「session」に、著者の北海道新聞記者・酒井聡平氏が出演していたことをきっかけに読んだ一冊。
祖父が戦時中、硫黄島の隣の父島にいたことを知り、祖父の戦友たちを見つけたいという思いで、並々ならぬ執念と行動力で遺骨収集団に加わる様子を読み、このような人、このような記者がいるのだと驚かされる。
当時の硫黄島を知る人や、遺族へのインタビューは貴重な話ばかりであり、戦後80年を前にこのような活動や記録することよ大切さを改めて知ると同時に、私たちも「知る」ことを続けなければならないと感じる。
「忘れてはいけないことは 決して忘れてはいけない」
本書の最後に紹介されている、酒井氏の座右の銘という、高木いさお氏の原爆詩の言葉が、今戦争について考えること、読むことの意味を教えてくれる。
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小笠原諸島にある硫黄島は1945年2月19日に米軍が上陸、日本軍との地上戦となった島だ。本土の防波堤となるべく戦った日本兵士たちは3月26日最後の総攻撃を仕掛け、壊滅した。
著者は若手の北海道新聞記者だが、祖父が小笠原諸島の防衛を担う部隊に所属していた。祖父は幸運にも生還したものの体の消耗がたたり、56歳で病死、父も著者が10歳のとき、47歳の若さで急逝している。遺児となった著者は戦争で家族を失った人に強烈なシンパシーを抱き、祖父の履歴書から硫黄島報道に執念を燃やすようになる。
そして、硫黄島に計4回渡り、うち3回は政府派遣の硫黄島戦没者遺骨収集団のボランティアとして渡島した。
「硫黄島の戦い」では守備隊2万3千人のうち、2万2千人が死亡したが、今なお1万人の遺骨が見つかっていない。
その背景には、硫黄島が日本に返還され、自衛隊基地として使用しながらも米軍が使用することを認めている理不尽さがある。過去には核兵器を隠す秘密基地として、島民帰還が不許可となり、今もFCLP(米軍の空母艦載機による陸上離着陸訓練)が実施されている。
著者は遺骨収集に関する報告書など日米の機密文書を徹底的に調査、硫黄島に詳しい人、歴史を知る人などの取材にも精力を注ぎこんだ。その半端でない熱量に圧倒され、感動的な箇所も多々ある力作になっている。
滑走路の下にある遺骨を求めて熱風が吹き上げる穴の中に入るという危険、灼熱の中での作業を30分も続けるというボランティア精神はとても真似できない。サウナですら10分も入っていられない自分が恥ずかしくなった。
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ずっと帰りを待っている遺族にとっては、遺骨はただの骨ではなく、肉体であり魂でありその人そのものなのです。決して蔑ろにしてはいけない忘れてはいけない、戦った人たちの魂。
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筆者の強い熱意・想いがひしひしと伝わってきた。
現在の硫黄島の状況、遺骨収集の取り組み、なかなか報道されない中、貴重なノンフィクション。
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ミステリー小説好きだけどこれは現実のミステリー
信じられない量の資料を忙しい仕事の合間でよくこんな華麗にまとめたなぁと感心してしまう
ジャーナリズムがすごすぎる
おかげで僕は本を読んだだけでこんな貴重な情報を知ることができた
今度は硫黄島の手紙と父親たちの星条旗観よう
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戦没者2万人のうち1万人が行方不明という太平洋戦争屈指の激戦区硫黄島。遺骨収集に執念を燃やす新聞記者の戦い(描く。筆者は本書が初著作。
筆者は北海道新聞の記者。遺骨収集にかける思いは伝わったくるものの、自分には文体が合わなかった。
どうも合わなかった。
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新聞記者による遺骨収集参加の体験記(ノンフィクション)であるが、硫黄島の戦後史を知る上で大変重要な研究書でもある。著者の執念、情熱に心打たれる。おすすめです。
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故安倍元総理が確か硫黄島の滑走路で跪き、地面に手を当てて黙祷なさった。
違ったっけ?硫黄島じゃなかったかな。
このところ遺骨帰還の話をそういえば聞いてなかった。
こんなにハードルがあったのかと、それすら知らなかった。小笠原諸島返還の時の米国との色んなしがらみがあったのか。
いずれにしろ、誰がもはや戦後ではないと言ったのか。
色んなところで、我が国は、全く先の大戦を総括出来ていない、終わらせていれないことが分かる。
かの民主党政権も、そこだけはきっちりやってたんだってことは、これは驚いた。完クソだと思っていたのですみませんでした。それ分かったのもよかった。
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北海道のローカル紙時代に抱いた個人的興味を、ブロック紙に転職して10年以上かけて取材し、これまで記者が上陸したのは若干1名程度に限られる硫黄島に複数回上陸し、最後は天皇陛下に硫黄島の所感を直接質問するという、、、興味関心が人をここまで動かすのかと。凄まじい熱意を感じた
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これは一級のノンフィクションです。
クリントイーストウッドの映画で「玉砕の島」
として広く知られる硫黄島(ちなみにイオウジ
マではなく、イオウトウです)
約2万人の兵士が犠牲になったと言われていま
すが、実はそれらの遺骨は現在でも半分が見つ
かっていません。
そもそも民間人の上陸は禁じられていて、遺骨
の探索も多くて年に4回程度です。非常に少な
いのです。
なぜか。
戦後、硫黄島が辿った歴史を掘り起こすことで
その理由が見えてきます。
遺骨の探索に関わる人は主に、硫黄島に散った
兵士等の遺児です。
しかし当然彼らも高齢です。残された遺族がど
んな思いで遺骨を探すのかが、痛切に伝わって
きます。
本文中に出てくる「戦争は終わっても戦禍は残
る」という言葉を理解できる一冊です。
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太平洋戦争の激戦地、硫黄島。未だ見つからぬ1万人の遺骨の謎を探るべく、調査だけでなく遺骨収集ボランティアにも3度参加した記者の著書。著者の祖父も戦争関係者であったため、単なる興味本位の行動記録ではなくその本気度が十分伝わる記録であり、硫黄島の現状を知る上での一助となる作品。
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もう少ししたら戦争の語り部はいなくなってしまう…。戦争を知らないすべての人、特に若い人に読んで欲しい。
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普段小説しか読まないからか、最初は読みにくく感じた。
でも伝えたい思いが伝わってきてこれは知らなきゃいけない、読みきらなきゃいけないという思いで読みすすめたところ途中から文体にも慣れ一気に読めました。
とても勉強になりました。