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①日本の偉大な企業の技術力を足がかりにする
②高齢化社会との向き合い方は、これからの世界の教訓になる
③世界の中間層は21世紀を通じて秩序と規律を強く求めるようになっていく
④海外に渡る若者が増えて、その国で友ができ、人脈が広がる
⑤もっと広い意味で日本人が自信を取り戻して欲しい
•中間層の価値観がこれから世界を動かすようになる
【アメリカ】
•人的資本の優位性、多くのトップ大学、出生率の高さ
•巨大ハイテク企業
西海岸ではアップル、Google、Amazon、Microsoft、メタが生まれた
【カナダ】
•天然資源豊富、銀行と保険会社の経営状態がいい
•産業の浮き沈みは激しく(ノーテルネットワークス、ブラックベリー)、アメリカに依存
•ケベック州の言語とアイデンティティ問題にうまく対処し、大規模な移住が生み出す機会と緊張のバランスをとることがカギ
【ラテンアメリカ】
•世界人口に占める割合は8%だが、世界全体の殺人件数の38%がラテンアメリカで起こっている
•一昔前は、ヨーロッパと一人当たりのGDPは同水準であった
【イギリス】
•プラス要因:サービス産業の規模、とくに金融サービス産業の規模が他のどの産業よりも大きい
【ドイツ】
•最先端分野の製造業で世界をリードしている、貿易黒字が世界最大
•自動車輸出額はダントツ世界一位
【オランダ】
•オランダ経済はほとんどのドイツの分家、輸出の1/4はドイツ向け、農産物の輸出大国
【北欧】
•北欧の社会モデルは持続可能なのか
高支出•高負担の社会を成り立たせるには、強い一体感と信頼が欠かせない。移民が流入、悪用する人はいないという信頼が必要
【ロシア】
•エネルギー•原材料輸出への依存が高すぎる(輸出全体の2/3)
•人口の高齢化、男性の平均寿命は66歳
【アフリカ】
•中国が農業、インフラ、製造業に投資→中国の「一帯一路」構想の鍵を握る
•ナイジェリア: 対外債務の返済を石油に依存、石油が輸出収入の95%を占める
【オーストラリア】
•天然資源が豊富、英語、壮大な国土、アジア時間帯に属する
•乾燥した大陸、気候変動がとくに深刻な脅威
【人口動態】
•先進世界全体の高齢化、人口の減少している国
•アジアの人口重心が中国からインドにシフト
•アフリカ、中東の人口の急増
•南ヨーロッパ特にイタリア人は北ヨーロッパに移住、ヨーロッパは、人口が減少して労働力が急速に高齢化する、相対的に地位も下がる
【貿易と金融】
•これからは サービスの貿易>財の貿易
所得を地元で支出する割合が増える、サービスの貿易は財の貿易よりも制限が多い 例)医師免許
•2050年には国際貿易の半分以上が財ではなくサービスに(特に医療と教育)
•経済活動に占めるヨーロッパの割合はこの先も縮小していく
•暗号資産は行き詰まり、どこかの段階で資産としての価値を失う(価格の振れが大きすぎる、国や中央銀行が暗号資産の使用を監督していない;国による保証がない)
•2050年には、世界の人口の2/3が都市で暮らす見通し→輸送、公共サービス、住宅などの重要な分野で優れた取り組みの事例を応用できれば、世界の大半の人は文化生活を送れるようになる
①アメリカの政治体制が崩れる
→一時的に中国に世界最大の経済国の座を渡す→本当の意味での多人種社会になることを受け入れなければならない(アフリカ系アメリカ人に敬意を払う)
②中国、インド、アメリカの関係が悪化する
→中国の高齢化社会、2030-40年代になんらかの形で政治体制が転換される
③ロシアが強く出過ぎる
④サハラ以南アフリカが貧困から抜け出せない
⑤宗教紛争が勃発する
⑥環境の悪化と気候変動を元に戻せなくなる
→テクノロジーは人類が環境に与えるダメージを遅らせるが、急速に進む気候変動のスピードに追いつけない
⑦新型コロナウイルスの影響が尾を引き、そこに新たに別の脅威が襲いくる
⑧中東がさらに不安定になる
⑨情報革命は音系をもたらさず、弊害を生み出すかもしれない
→人は信じたいニュースだけを選ぶので、自分の意見が強化されていく;確証バイアス
⑩民主主義への脅威
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===qte===
2023年を振り返る1冊
中東問題で歴史を探る/日本担う人づくり急務 編集委員 倉品武文
2023/12/18付日本経済新聞 朝刊
2023年、様々な分野で大きなニュースが駆け巡った。その背景を知り、理解を深める上で、長年の研究を重ねた専門家の解説はヒントになるだろう。担当した大学の授業で寄せられた学生の関心を踏まえ、高校生にも手に取りやすい新旧の新書、文庫を選んだ。
学生はパレスチナ危機に最も関心を寄せた。高橋和夫著『アラブとイスラエル』は現代につながる中東問題の歴史的経緯や危機の構図を知る一冊である。
20世紀、戦争が繰り返される過程でパレスチナは混乱し、難民が生まれた。著者は「対立する諸見解を努めて公平に解説することを試みた」とその難しさを語る。そして「ユダヤ人国家建設というシオニストの夢が成就し、故郷の喪失というパレスチナ人の悪夢が始まった」と記している。
パレスチナはかつて「パレスチナ人の居住地であり、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が長年にわたって共存してきた地域であった」という解説が印象深い。時代や民族を超え、共存するという言葉の重みが伝わってくる。
人工知能(AI)の出現に学生は期待と不安を抱く。郭四志著『産業革命史』は国際政治経済の動きを産業革命史の視点で捉え直す。近年はIT(情報技術)、AI、新エネルギーなどの分野で第4次産業革命が起こり始め、「人間の価値観に大きな影響を与えつつある」と分析する。
さらに「科学技術・イノベーションは、激化する国家間の覇権争いの中核」と強調。米国と中国の覇権争いの下で日本は「日本ならではの文化・ソフトパワー」を活用した長期的戦略が求められると提起する。技術革新が国家の未来を左右するカギになることを気づかせてくれる。
日本の名目GDP(国内総生産)がドイツに抜かれ、世界第4位になると報じられた。森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』は1990年代末に書かれた。バブル崩壊後から停滞する2050年の日本がテーマである。近隣諸国との新たな関係づくりを目指す「東北アジア共同体」構想や、日本を担う人材の重要性を力説している点が興味深い。
「マルクスは経済が社会の土台であると考えるが、私は人間が土台だと考える」、日本に必要なのは「自分で問題をつくり、それを解きほぐすための論理を考え出す能力を持った人である」。AI時代を生きる学生へのヒントである。
今夏、記録的な猛暑に見舞われた。鬼頭昭雄著『異常気象と地球温暖化』は異常気象の捉え方や気候の仕組みを学生にもわかりやすく解説する。著者は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書執筆に携わった専門家だ。
今後、地球の平均気温の上昇が避けられないことを想定し「適応策などの対策を立てておくべき」と指摘する。現実的な分析は地球温暖化がすべての人々に共通した厳しい課題であることを突きつけている。
師走を迎え、大谷翔平選手が米大リーグのドジャースと総額7億ドル(約1015億円)のメジャー史上最高の大型契約を結んだというニュースが飛び込んできた。
鈴木透著『スポーツ国家アメリカ���は米プロスポーツが巨大なビジネスへと変貌した歩みを描いている。その背景には地道な経営努力があったという。
ファンサービスで顧客満足度を上げ、経営資源を多角化するために「入場料収入の他に、放映権料、関連商品の独自販売やライセンスの付与」などを事業に育ててきた。そしてスポーツは「この国の文化や社会の特質を明らかにする格好の素材」と意義づける。
時代は刻々と変化している。読書で得た時代への視点は新たな学びや就職活動にも生きてくるだろう。
【さらにオススメの3冊】
(1)『歴史人口学で見た日本』(速水融)…人口学の手法を知る
(2)『国家は巨大ITに勝てるのか』(小林泰明)…GAFAなど企業群と各国政府の攻防を描く
(3)『2050年の世界』(ヘイミシュ・マクレイ、遠藤真美訳)…経済や歴史の視点から未来を予測
===unqte===
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私が印象に残った事は、人口が増加する国であるインドはもちろんですが、台頭する国は英語圏、すなわち英語が話せる国であると言うことにあります。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アセアンなど英語がほぼ母国語であるところに価値があると言う話です。
DeepLやGoogle 翻訳の普及で英語力が必要ではないと考えている方も多いと思いますが、やはり英語のネイティブで、込み入った、立ち話ができる。そんな人材が日本人にも必要と感じたことが特に印象に残りました。
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ようやく読み終えた。
世界情勢から、1世代先を予想する。
日本についても書かれている。超高齢化で、これからは緩やかに下っていくだろうと…。
想像できる未来が予想されている。
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読んでいる間ずっと面白かった。話し上手な教授の講義を受けているような感覚。国際政治や経済、投資に興味がある人にお勧め!
世界の力関係は北米・欧州からアジア=中国・インドへシフトしていくが、中国の高齢化が進みアメリカが返り咲く。日本は日本でありつづけるが、内向きな姿勢が強まる。
以下気になった点のまとめ
・新興国でもサービス経済へのシフトが進む。今後は世界が買いたいと思うサービスを創造するスキルがなによりも重要になる。買いたいものリストのトップには教育と医療がくる。営利目的の大学が成長することもあるかもしれない。
・少子高齢化が進んで自分の親よりも生活水準が下がることを若い人たちが受け入れる覚悟ができているのであれば、高齢化社会は円滑に機能できる。この点で日本は和を尊ぶ伝統的な精神のおかげでいまはなんとかなっているが、この先どうなるかはまったくわからない。
・北朝鮮の出生率は2弱と高い。なぜ経済が成功している国の人が選ぶ子どもの数のほうが、貧困にあえぐ国の人よりも少ないのかは謎である。
・先進国のグリーン化が地球の反対側で環境に悪影響を与えるときがあることを知っておかなければいけない。
・アジアの人々は西側の模倣ではなく、自分たちの未来を自分たちで選びとるようになる。西側はそれを品位と敬意を持って受け入れなければならない。
・西側社会の一部の特徴、とくに集団としての調和よりも個人の人権を過剰に重んじる傾向は、人を幸せにしないと気づくようになるとも期待している。
・日本は2050年も世界の大国でありつづけ、国民は文化生活を送っているが、経済のほとんどの分野で世界の最先端から遠ざかっている。結束力のある安定した社会でありつづけるが、世界にあまり関心を持たなくなる。
・いまは世界で不寛容が高まっているが、寛容と不寛容は定期的に入れ替わり、もうすぐサイクルが逆転するかもしれない。
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経済、金融の領域のジャーナリストとあって、ファクトベースで世界の主要な国々を描写し、ファクトから見えるこれからの世界が書かれてある。
分量は多いのにさくさく読みやすい。
日本へのリスペクトを感じられるしどの章も興味深い。
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約30年後の未来について語られている本書。
これから20〜30年はそれぞれの国がそれぞれの課題に向き合うことになるが、中所得層が多数派になるなど、世界的に生活は上向いていく。
ただし、環境への問題に全世界が取り組む必要がある。
あと30年は自分の社会人人生の大半に当てはまり、世界の変化に大なり小なり影響を受けることになるかもしれない。
内向きになっていくと予測された日本の中で、常にアンテナを張っていられるようにしたいと感じた
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400P、1Pあたりもそこそこ文字が詰まっておりボリュームたっぷりの1冊。
内容的にも今の私には読み進むのが難しく、途中で断念。
また改めてチャレンジしてみたい。
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そうなるかもしれないし、ならないかもしれないっていう話。
当たる当たらないを抜きにしても、日本に居ると普段あまりニュースも入って来ない南アメリカやアフリカの情勢含めて、全世界的な30年後を予想しているだけでも興味深かった。
中国とインド。
p. 264
イエール大学ロースクール教授のダニエル・マルコヴィッツは、2019年の著書「能力主義の罠』で、エリート内の熾烈な競争が上位1%とそれ以外の人たちの格差が広がっている原因であるとして、強く批判している。
「「能力』は偽善と化し、偽りの偶像になりさがっている。……憎悪と分断を生むカースト制だ。新たな上流階級だと言ってもいい」
p. 336
理論上では、大規模な移住があれば人口の減少を遅くできる。だが実際には、そうはならないだろう。ほかの国々が混乱すればするほど、日本人は国境を閉じるのは正しい選択だったという確信を強くする。日本の社会には、お互いに困ったときは助け合い、助けられた人は労力でお返しをするという精神が根付いている。日本社会を一つにまとめる接着剤となってきたこうした社会契約は残る。
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ちょっと楽観的な予測な気もしないでもないけれど、とても興味深いレポート。
何度か読み直して自分のプランにいかしたい。
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2050年の日本、やはりこうなるのだと率直に思う。超高齢化、内向きで快適・清潔・安全に満足、経済規模は大きいものの国際社会では存在感が減じていく。財政赤字が膨らみ過ぎて何らかの形でデフォルトが起こり、痛みを伴う施策は不可避。異色の小国になるのか。
ビジネスの周囲も変わりきれない経営者、人事、従業員、企業文化。子供や自分も内向きで満足してしまっている。