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1世代後、つまり25〜30年後の世界であれば 人口動態などの着実な計算に立って世界を予測しやすいという考え方に基づき、2050年の世界全体の様相を示した本。人口動態、資源と環境、貿易と金融、テクノロジー、政府/統治といった分野カットでの解説を経て、地域カットでの動向予測を示しているので全体像がつかみやすく納得感がある。逆に言えば、目が飛び出るような予測はないものの、それこそが1世代先という直近の世の中を網羅的に示してるこの本の価値のように感じた。
印象的だったのは冒頭の日本語版への序文であり、これだけ世界全体の動向を見てきている著者からの日本へのメッセージのように感じた。高齢化社会に相対するモデルケースとなることことや治安の良さといった、他国にはない特徴をこの 30年でどのように進展させていくか、国内からの目線でも考えていきたいと思わせられる内容だった。
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備忘用。著者がジャーナリストらしいということで構えていたが杞憂だった。シナリオ・プランニングへの応用には帯に短し襷に長しかも。
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世界の現在地と未来、主要なトピックはカバーされているように思う。気になったポイントを深掘りしていきたい
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1世代先の未来の世界を予想した本。未来を予測するなど不可能ではあるものの、現在の状況を把握した上でエビデンスがあれば30年程先であればある程度は予測できるとの著者は主張している。今後世界に影響をもたらすであろう5つの力(人口動態、資源と環境、貿易と金融、テクノロジーの進化、政府とその統治の変化)があり、世界の各国で何が起こるかを予想。最後に10の不安と10の希望をまとめている。かなりのボリュームであり読み切るのに相当時間がかかってしまったが、果たしてこの予想がどこまで当たるのか、30年後を楽しみにしたい。
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2050年の世界はどうなっているのだろう?
環境問題もあるし、地政学的な問題もあるし、あまり明るい未来は期待できない。でも、考えないというのも変なので、読んでみた。
確かにいろいろの問題、リスクはあるのだが、基本的には、そこまで暗い未来が描かれているわけではない。(最も、明るい未来が描かれているわけでもないけど)
かなり厳しい状況があるなかでは、わりと楽観的と言ってもいいかもしれない。
その理由は、大規模な戦争の勃発、環境問題の後戻りできない進行といったことが起きると、そもそも未来の予測をする意味自体がなくなってしまうように、この本では、大惨事は起きないということを仮定した上で、論じているからかな。
それでも、やはりベース的な環境問題の影響を小さめに見ている気はするし、テクノロジーの進歩に対して楽観的な感じがした。
人口動態などをベースとして経済成長の国ごとの違いというのは、わりと確度の高い話しであり、そこをシナリオの中心におくというのはわかる。
学ぶところもたくさんあったが、今ひとつ面白くない感じがしたのは何故だろう?
1〜2日くらいで、ざっと読むつもりだったのだけど、1週間以上かかってしまった。
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未来予測は困難であり見通せないものであるが、歴史から学び現在に芽吹く萌芽を捉え可能性や選択肢を考察することで方向性めいたものを推察することは出来る。本書はそうした内容。世界情勢ならびに各国の現状を5つのカテゴリーに分けて分析し30年後の「確からしい姿」を提示する。現在の国際情勢の理解やパワーバランス、要諦を理解できる知的好奇心を刺激する良書。
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現状の世界に関する客観的な事実と「1世代(30年)後のことはある程度予測可」であることから、2050年を予測する。
予測本なので当たる外れるは当たり前なところ、その点をケアしようとして冗長になる文章が多く、それだけでどれだけ文字数が増えているのかと辟易とした。
内容は面白く、特に人口動態を根拠に日本の将来を悲観視している僕にとっては「それでも2050年、日本は依然として世界第4位の経済大国、内向きになる理由はない」趣旨の分析に新しい知見を得た気持ちになった。
今の世界と将来の可能性についてざっくりアップデートできる点で良い本だった。
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興味深く読んだ。30年後の世界予想が著者の視点で書かれている。人口最大になるであろうインドから目が離せない!
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===現在地===
アメリカ EU越え ロシアの15倍 人間の才能 教育・文化・人口流入 TOP大学
カナダ 人口の90%はアメリカ国境から100マイルに
イギリス コモンロー(英米法)で優位 金融サービスとハイエンド製造業
ドイツ 先端製造業輸出黒字 世界最大 ユーロ割安 国内サービスは見劣り
フランス 世界10高級ブランド中6ブランド 世界3位武器輸出 幸福度低い 失業
イタリア 政治が弱く社会の結束が弱い
北欧スイス 社会の結束が強い 持続可能性?
ロシア 世界一広大 天然資源 人的資本 EUと中国に陸上国境 人口と法律
中国 持続可能性? 債務と環境破壊 西側のコピー 国内の圧力
インド 大きく多様 激しい格差 高い教育水準と野心
日本 高齢化のフロンティア 低犯罪率と長寿 清潔 サービスの質
オーストラリア 天然資源 時間帯と隔絶した位置 教育 気候変動の不安
===5つの力===
①人口動態 アメリカは増え続け EUは減る アフリカ2倍に 移民
②環境問題≒気候変動 早い行動 ESG投資 コロナ対策 水 食料 エネルギー
③金融 超低金利→資産価値上昇 商業銀行弱体化 富の格差 リスク投資増加
お金=1.価値の尺度、2.交換手段、3.貯蔵手段 国家通貨の信頼崩壊へ
現地生産化 賃金格差縮小 輸送影響 財からサービス(教育と医療)へ
④テクノロジー 高スキル労働者への需要 仕事とプライベートの垣根なくなる
AI 監視社会 エネルギー 医療 バイオテクノロジー
⑤統治 代表民主主義の不支持 独裁か直接民主主義か?
テクノロジー進化は GDPの低下に リーダーの大衆からの乖離 国際機関の欠陥
===2050年===
アメリカ 世界の才能の磁石を継続 人種多様化 優秀な移民 格差 社会的コスト
ヨーロッパ 重要性低下 EU南北格差
イギリス アングロ圏の繁栄
ドイツ EUの運命を決めるアンカー
フランス フランスのまま 製造業の競争力低下 移民受け入れ
イタリア 人口減少へ強い政治リーダー
ロシア 人工に比べ広すぎる国土 人口流出
中国 世界最大の経済国 環境、技術、国内 非中国系を引き寄せる質
インド インフラ 環境問題 中間層の教育 格差問題 中国・パキスタン紛争
日本 より日本的に異質に内向きに
東南アジア 政治と環境 中国より安くできるものが? 貿易戦争の影響
ナイジェリア 人口4億 中央値18歳 輸出財? 環境問題と対立、統治の質
中東 原油価格下落で格差縮小 イスラエルとイラン 情勢の変化
オーストラリア 乾燥化 水不足
===10の不安===
1.アメリカが何をするか? 新興国の役割が増加バランス取れた世界
2.中印米の関係悪化
3.ロシアの暴走
4.サハラ以南のアフリカの貧困 世界人口の4分の1を世界が支援
5.宗教紛争
6.環境悪化・気候変動の転換点
7.パンデミックの新たな脅威
8.中東の不安定
9.情報革命
10.民主主義への脅威 統治の質と市場経済システム信頼低下
===10の大きな考え方===
1.新しい中間層世界 価値観の変化 アジアの影響力
学校教育はローカル、才能の市場はグローバル
権威主義への動き 個人の自由より社会改善
2.アメリカの政治、人種、経済の緊張抑制
3.アングロ圏の台頭
英語:アメリカ、ナイジェリア、インド、イギリス 世界の4割
4.中国 攻撃から協調へ転じる政治体制の変化 高齢化と価値観の変化
5.EU 中核国と周辺国へ分かれる 少数の不満分子が動かす
6.インドとインド亜大陸 中国、パキスタンとの関係
7.アフリカの上振れ 若い人材資源の教育による問題解決
8.グローバル化 モノの移動からアイデアと資金の移動へ
9.テクノロジーによる社会課題解決 サービス産業生産性、環境問題
10.人類と地球の調和
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未来予測系の話では一番リアルで、学びが多かった。2050までに世界はどう変わるのか、今ある問題とこれから起きるであろう課題、そして地域ごとの変遷予測などら様々な角度からデータに基づき分析されている。日本にも言及があり、海外から見た日本の未来がわかるだけでも、読んでよかったと思う
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縦断的、横断的な情報を元に現在から2050年の世界の未来予想図。
変化をもたらすと考えられる5つの力。
・人口動態
・資源と環境
・貿易と金融
・テクノロジーの進歩
・政府の統治
客観的に状態を捉えつつも悲観していない著者の姿勢が良かった。
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著名ジャーナリストによる、一世代先の2050年の未来予測。
日本は高齢化社会のパイオニアとなるものの、世界の最先端からは遠ざかり内向きになるという予測。
個人的にはインドの伸びに着目。
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日本や注目されてるアメリカや中国のことしか、あまり知らなかったので、世界はこんな感じなんだ〜と勉強になる。各国様々な課題を抱えていて、それに対して複数の分岐点があり、一歩間違えれば何十年にも及ぶ影響があると思うとすごいなぁと思った。
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2050年の世界の政治経済予想。
テック系の予想本とは違い、あまり突拍子もない話は出てこず、現在の延長線上という感じ
・英語を話す国(英米のみならず、ナイジェリアやインドも含む)の覇権が続く
・アジアの時代が来る。インドがその中心になる。中国は高齢化にともない穏やかになっていく。日本は内向きのまま、移民を受け入れたりすることもなく豊かではあるが静かな社会を維持する。
・ロシアは今の長い国境線を維持できず、シベリア地方を手放すことになる
・インターネット(SNS)について:「考えを発信するスキルに長けている人があまりにも多い一方で、その考えの価値を見きわめられない人があまりにも多い」
・ポピュリズムについて:「するべきことはみんなわかっている。それでも、するべきことをしたら賽銭できない」(ジャン=クロード・ユンケル、2007)
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イギリスの著名なジャーナリストによる、30年後の未来予想図。
著者は1990年に『2020年 地球規模経済の時代』を執筆しており、それを踏襲する形で次の30年を予想している。人口増減、環境問題、テクノロジー、民主主義の在り方、地政学上のリスクといった各要素を丁寧に取り上げている。
一見我々は、将来について不安定要素があまりにも多いため、悲観的な予想をしがちだが、筆者は『ファクトフルネス』のように、客観データを重視しながら、将来の発展可能性を見いだし、明るい予測をする立場に立っている。
以下、ざっくりと頭に残ったポイントをメモしておく。
・アメリカが人材を引き寄せる「磁石」であり続けること。
・ヨーロッパ大陸は、人口が減少して静かな地域となり、一方でイギリスを始めとするアングロ圏が台頭すること。
・中国が人口減少とともに経済規模を縮小させ、攻撃的な国から協調路線に転ずること。
・インドに続いてアフリカや中東で人口が増加し、これらの地域の若者たちが活躍すること。
・日本は世界第4位の経済規模を維持しながら、治安と秩序の整った世界的に魅力的な地域であり続けること。
・ただし、日本人は快適な空間を維持しようと、閉鎖的な気質を強める可能性があること。越境学習と海外に出て学ぶ機会がますます貴重なものとなる。
ページ数が多く、読みごたえがあった。読了まで時間がかかってしまったが、今年1年の読書を振り返るタイミングでなかなか良い1冊であった。