紙の本
「『山友』ばりの『サイコパス』」に対する批判
2021/05/11 11:30
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝日新聞の一面に掲載されていた広告では盗用が「『この命、義に捧ぐ』でも行われていたことを立証する!」とあるが、最終章に付されている根本博の文章との対観表だけだ。「日本国紀」の南京事件の記述を批判しているところで、角川文庫版「この命、義に捧ぐ」で解説を書いている秦郁彦による批判を引用しているから、どうやら「この命、義に捧ぐ」批判は一旦、原稿を出稿してから追記したみたいだ。
大学では家永三郎のゼミを聴講し、本多勝一に憧れていた青年が新潮社に入社して、「週刊新潮」の編集部に配属されてから「週刊新潮」の色に染まっていく過程や門田本が取材対象者や書いている対象者が書き残した文章を元にして地の文にしている過程は興味深いものがある。「この命、義に捧ぐ」ならば根本博が書いたものをまとめて編集して本にして、門田隆将が解説でも書けば問題がなかっただろう。
秦郁彦は根本博陸軍中将が書いた文章は読んでいるだろうに、門田隆将が彼が書いたものを地の文にしている事に、「この命、義に捧ぐ」の解説を書く際に読んで、解説を書く時には気がつかなかったのだろうか?
しかし、この本には「週刊新潮」の創価学会批判に対する批判がある。元々が「第三文明」に連載されたものが元になっているから、創価学会による「週刊新潮」批判の一変種に見えてくる。
門田隆将を「サイコパス」呼ばわりしている個所があるが、創価学会が山崎正友元弁護士を「サイコパス」だと非難していた事を連想してしまう。つまり、門田隆将は「山友」ばりの「サイコパス」というわけだ。
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今は、フェイクニュースという偽情報が横行するような情報化社会なので、この本自体が正しいのかも分からないとも言えるけれど、中身は本当なのかなぁと思った。
裁判で判決が出ている事、記録される言動の中で疑わしい発言が多いことなどからそう感じた。
言論や表現は自由だと思うけれど、影響力のある人はその立場からの発言の重みを考えて発してほしいと思う。
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門田隆将こと門脇護は『週刊新潮』で金のために記事を書いていた。売るために人権侵害ギリギリの記事を書き、名誉毀損で訴えられ、負けている。
フロー情報としての記事を書き、消費され、金を作る。それを生業にしてきた彼は,フリーの作家になってもその癖が抜けなかったに違いない。
有名になりたかっただけなのかもしれない。金が欲しかっただけなのかもしれない。誰しもが特別な存在でありたい。自分は優秀で、一目置かれる存在だと思いたい。
彼が外に向かって牙をむくとき、それは自分の弱点を突かれたくないことの裏返しなのかもしれない。
人よりも先にそれを言う。人よりも声高にそれを言う。何回も大きな声でそれを言い続ければ、真実味を帯びてくる。
その発想の根幹は、週刊新潮時代にあるだろう。虚実折り混ぜて文章を書けば、売れる。その手法を骨の髄まで染み込ませてしまった。
若いときに何を取り込んだのかが重要だ。染み込んだ偽物が老いてから露呈すると、いかに恥ずかしいかを門田は教えてくれる。
分かる人には見抜かれてしまう。それがコンプレックスの裏返しであることを。彼はノンフィクション作家という名の、フィクション作家なのだ。ありのままの自分を世間にさらせないから、自分が描いた門田隆将というストーリーを書く作家なのだ。
何事にも功罪の両面があるだろう。本書の筆者は門田を悪と断罪する。それを読んだ私も8割方は門田は悪であると思っている。
しかし、本当にそう断罪して良いのか。2割の疑問が残るので、評価は☆2つ減らしての☆3つ。
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「Fukushima 50」の原作者が胡散臭いとは聞いていたが、ここまで酷いとは。これでノンフィクション作家とか信じがたい。驚きの暴露追求本。
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読んで良かった。右側と呼ばれる人の発言や思考を客観的に見てみたい欲求があったからその一端を知れた点で満足している
それだけに少し攻撃的な感じに読めてモヤモヤが残った。筆者の感情を抜いて客観的事実だけが提示してあればフラットな感情で読めたのになと思ったりもした
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偏ってんなあ。
盗用と引用の違いは立場の違いとか社会的要請とか、お互いの権利の保護とかあって、難しいと思うが、裁判で続けて否定されたのも事実。
資料を取材しての創作だと、特にセリフ部分が似てくるのはしょうがないと思う。が、確かに地の文まで引っ張られすぎて、それが、印象的な一文とか、構成まで似てると、これは否定されるべきかと。
いずれにしても、やっぱり、「被害者」への態度が悪いとは感じる。
狭窄な正義感に固執して、「被害」を軽視してるのか。そこは分けるべきではないか。
ただ、この著者も、要は、門田憎しか。
後半は読んでられない。感情的な誹謗中傷と、要は、政治的主張の否定だな。
安易に歴史修正主義者とか、ネトウヨとかで、否定にかかっているのを見れば、著者が立ち位置で喋っているのが見え見えでうざい。
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門田さんのことオウムの井上さんの本ですごく好きになり、テレビで本人見てえっ?となり、(外見の事言うのもあれだけど)そこまで言って委員会も見て大嫌いになった。そこでこの本を読んでみたわけ。東村山の議員さんは創価学会に殺されたんだとばっかり思ってた。それは門田さんが流したデマだったんだな。こんな人に応援される悠仁さまもかわいそう。井上さんの本、お気に入りベスト2だったけどどうするかな。そのままにしておくか。きっちり取材したということにして。
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本書を読んだのは、門田隆将の『尖閣1945』を読んだから。同社は、産経新聞社から出版されているので、右寄りの内容だろうから注意しないといけないな、と思い、門田隆将とはいかなる人物かを調べている中で本書を知った。
裁判で負けて書籍の発行と流通禁止を命じられたことも含め、門田隆将にはジャーナリストとしての資質はない。また、門田がトランプ信者であることにも驚いた。人気作家であるらしいが(確かに『尖閣1945』を読んで、読者を惹き付ける筆力はあると感じた)、それだけに危険な存在であると思う。
本書によって、人気作家門田隆将の実像を知ることができるが、無駄な記述が非常に多い。例えば、2020年の米大統領選挙に関して門田がツイートした内容を延々と紹介しているが、まともな読者であれば数例を挙げて、「同様のツイートは枚挙にいとまがない」とでも書けば納得する。
最後に、本書の著者である柳原滋雄が信頼に足る人物かと言うと、そうでもないようだ。同氏は、創価学会員で、学会絡みで名誉毀損で訴えられ敗訴する等、門田隆将ほどではないが、いろいろとあったようである(詳しくは調べていない)。そもそも創価学会員がジャーナリストとして公平性を保った記事が書けるのだろうか?