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ユニークな本を読んでいる。
『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』・・・大阪大学出版会の発行する本だ。
題名の通りドーナツの穴だけ残して食べる方法をめぐって、大阪大学の教授連がそれぞれの研究領域の立場から「真面目に」考察している。
目次はざっと以下の通り。
第0章 ドーナツの穴談義のインターネット生態学的考察(松村真宏)
第1部 穴だけ残して食べるには
第1章 ドーナツを削る―工学としての切削の限界(高田 孝)
第2章 ドーナツとは家である―美学の視点から「ドーナツの穴」を覗く試み(田中 均)
第3章 とにかくドーナツを食べる方法(宮地秀樹)
第4章 ドーナツの穴の周りを巡る永遠の旅人―精神医学的人間(井上洋一)
第5章「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」と聞いて、あなたはこの命題から何を考えますか?―ミクロとマクロから本質に迫る(杉田米行)
第2部 ドーナツの穴に学ぶこと
第6章 パラドクスに潜む人類の秘密―なぜ人類はこのようなことを考えてしまうのか? (大村敬一)
第7章 ドーナツ型オリゴ糖の穴を用いて分子を捕まえる(木田敏之)
第8章 法律家は黒を白と言いくるめる?(大久保邦彦)
第9章 ドーナツ化現象と経済学(松行輝昌)
第10章 ドーナツという「近代」(宮原 曉)
第11章 法の穴と法規制のパラドックス~自由を損なう自由をどれだけ法で規制するべきなのか?(瀬戸山晃一)
第12章 アメリカの「トンデモ訴訟」とその背景(松本充郎)
穴の部分をどれだけ薄く残せるかに着目するのはエネルギー工学専攻の髙田准教授、切削技術は素材論も避けられない。
ドーナツを食べるとドーナツの穴が無くなるという常識から疑いはじめるのは、美学芸術学専攻の田中准教授、かれは「ドーナツは家である」という結論にたどりつく。
ドーナツの発明は「近代」の想像力をもってして始まると言う宮原准教授は、「ドーナツ以前」と「ドーナツ以後」を俯瞰しドーナツの穴に具現化された「近代」を論じる。
文系も理系も一緒になってこの本は作られている。
面白がるのも手だが、学問の深さを感じるのも手だ。
一歩まちがえば、牽強付会と衒学趣味に堕しかねない問題設定だ。
教授連のふところの深さと真面目に遊べるユーモアを期待したいところだが、さて、どうだろう。
ブログACH & PFUI より転載
http://achpfui.com/pfui/?p=3938
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母校が出版した一風変わった本に挑戦。
様々な学部の教授たちが「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」について考えています。
2人ほど授業を取っていた(パンキョーですが)先生の名前を見つけてテンション上がりました。
それぞれの分野で考えたらこうなった、ということなんでしょうが、ドーナツの穴、置いてけぼり!!という話も少なくなく…
しかし、いろんな学問、いろんな見方、いろんな考え方があるんだなと改めて考えるきっかけになりました。
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ドーナツを通して、様々な学問をつまみぐいする本。私は文系を専門としているけど、数学(幾何学)もおもしろいと思った。それくらい分かりやすく書かれており、それぞれの分野の入門書的要素も含む。
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いろんな専門の先生が真面目に答えている。
面白いけどほとんど???の世界でした。
私としては,ドーナツを穴だけ残すということは,
穴以外を全部食べるという結論に達しまして,
とにかく,全部食べるのだ~!!
ドーナツはチョコファッションが好きです♪
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興味深かったのは数学、法律の分野の教授の話
タイトルの命題がスッキリすることはもちろん期待しないでいただきたい
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難しい〜!全ての内容を理解するのははっきり言って無理です(笑)
ただ、あとがきにもあったようにある一つのテーマをあらゆる角度から分析したり推察したりしているこの本を読むことによってその中の何かが頭に引っかかる事が大事なのかなと思いました。
学校の勉強と同じですね。
まぁ大学で作られた本なんですけども。
本としては面白い作りやと思います。
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題名と大学教授が本気で取り組んだという触れ込みに引かれて購入したけど、穴だけ残す方法を本気で考えた人は数人で、ドーナツについてや、その周辺の内容が大半だったのが残念。
本気で考えた人たちの話は面白かったし、多面的に物事を見ることの面白ろさを知ることができた。
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もし、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」を知りたいのならば、期待はずれです。
中身としては、様々な分野の研究者が「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」から連想する、その分野の研究の手法の紹介、となっています。
誤植も多く、ちょっぴり残念でした。
学生による製作であることと、製作期間を考えると、このクオリティが限界なんでしょうね。
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先輩にいただいた本。
阪大学生が企画、作成、販売まで行った本。
タイトル通り「ドーナツの穴だけ残して食べる」ことに関して、経済学、法学、哲学、工学など様々な分野の教員が、その学問的アプローチで検証している。
学生による補足、語句説明があり、理解を助けてはいるが、全ての理解は難しい。だが、当著に『学問とは関心をもったものごとに対して、各個人が研究、検証、探求していくもの』の思いを強く感じた。全てを理解する必要はなく、関心をもったことを1つ発見してほしい。また、それについて深く学び進めてほしい。ということだろう。
『学問』のあるべき姿について、書いている。各章の内容は深すぎることはないので、大学生に『学問とは』と気付かせるきっかけになれば良いと思った著書。
誰彼に薦めるのではなく、学生に対しては薦められる著書だと感じた。自分としては3だが、その面を考慮し、4とした。
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「そんなバカな」で終わらないのが学問。
「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」というのはコピペだったそうな。でも、それを大学の先生が真剣に考えたら、というのがこの本の企画趣旨。それにしてはちょっと肩すかしかも。要は、絶対不可能と思える命題にも、「いや、ちょっと待て」と取り組む、つまり常識を疑うのが大学の学問だ、と、そういうことか。
「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」の解決に期待すると、後半は特に肩すかし。でも、大学とはなんだろう、学問とはなんだろう、と考えるには面白い本だった。
世界のドーナツコラムが結構面白い。
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表紙には見るからに美味しそうなドーナツ。真ん中で穴が「I’m here」と言っている。そこにいるのは分かったが、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」とは何の事やらさっぱりわからない。
この命題に果敢に挑戦した12人の識者は何れも大阪大学の教員で各分野の研究者だ。
工学研究科の准教授は「切る」「削る」とは何か、から始め、旋盤、フライス盤、レーザーまで持ちだしての加工を考える。加工精度を上げるために樹脂を侵食させて固定化する?もうドーナツは食べられなくなっている。
数学の准教授は「数学において論理的思考は自由である」と豪語し、「ドーナツの穴は、そこに指を入れていることで穴の存在を認識できる」と定義した上で、「そのドーナツを4次元に移動させて食べてしまえば3次元では穴を認識したままいつの間にかドーナツが食べられているということになる」と説く。「低次元トポロジー」というそうだが、屁理屈にしか聞こえない。
文学研究科の准教授はプラトンやハイデガーまで持ちだして「美学の見方に立てばドーナツそのものとは、食べられないものであり、穴も無くならない」などと驚かしてから、「現実のドーナツについて考えると、ドーナツは家である」と結論付けた。もう何も言うまい。
歴史学の教授は「どのような見方をするかによって、その物の認識の仕方、理解の仕方が変わってくる」と言い、ドーナツ問題に対しても「歴史家がとるミクロ的アプローチとマクロ的アプローチで考える」とする。これは期待できそうだと読み進めると、ミクロ的アプローチの例として「日本健康保険法と医師会の関係」について分析し、マクロ的アプローチの例として「冷戦期の国際政治」について論じる。なるほど、医師会と国際政治については大変よく分かったが、ドーナツはどうしたのだろう?
法律家の教授は、先ずドーナツに関する法令と法解釈、更に判例を調べて「ドーナツ枕」訴訟の原告、被告の主張から東京地裁と知財高裁の判決までを解説する。実に正統的なアプローチだ。しかし、ドーナツの穴問題になると、様々な屁理屈と詭弁を弄して丸め込もうとした挙句に、ヴェニスの商人を引き合いに出し、屁理屈、詭弁が賞賛される場合もあると開き直る。
結局本書を読み終わった時には「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」が分かるどころか脳内大混乱状態に陥るわけだが、この様なくだらない問題を各分野の研究者が大真面目に論じている所が面白く、様々な分野の研究者の考え方を垣間見る事ができる所が大変興味深い。
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読めば読むほどドーナツが食べたくなるという、ダイエターの敵の本。小難しいこと考えると、甘いものが欲しくなるんですもの。
歴史学みたいに、ドーナツの穴から離れたところで学問の方法を語ってしまった先生もいましたが、大概の先生が自分の学問手法を使ってドーナツの穴を語っています。
考えること論じることが楽しくて仕方がない先生たち。自前の学問手法をドーナツに応用するのは無理かもと思いつつも、力づくで語って行くその様が、面白いのよ~。
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「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」という実に興味を引くタイトルにつられて読んでしまったけれど、実際の内容はサブタイトルの「穴からのぞく大学講義」のほうだった。
というわけなので、おじさんにとっては、少々手遅れ感を感じるほろ苦な読後感。
若い人たちには、特に、大阪大学を目指す人には、おすすめ。
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大阪大学の学生が中心となって、タイトル通りの「ドーナツの穴だけ残して食べる方法」という問いかけを教員たちに投げかけてその返答コラムを集めた本。
途中、大学一年程度向け、との記述があったが、まぁそのぐらいが対象だと思う。
少し詐欺的で、本当にドーナツの穴だけ残して食べる方法について考察された論述は全文の1/3あるかどうか、その他は各々の専門分野の先生の分野紹介的な内容だった。
「大学での学問というものを紹介したい」という意図が根本的にあるらしいので、しょうがないかもしれないけど、一方で書籍としての一貫性に欠けてる印象受けてしまいました。
参考になったのは「ググり方」のパートと「人の階層錯誤」について述べたパートかな。。
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「ん? ドーナツを穴だけ残して食べるって……!?」
一見、矛盾しているように思えるタイトルが、実は深い深い。哲学や数学、工学などの様々な分野から、大阪大学の教授たちがこの方法に解を与えるべくアプローチしていく。
というわけで自分には内容の半分もきちんと理解できてはいないと思うのだけれど(笑)、そんなことはどうでもよい。このテーマの“大いなる矛盾”に各ジャンルのエキスパートたちが真剣に取り組み、解説してくれることに意味があるし、そこがこの本の面白いところなのだから。