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全体的に後味が苦めな一冊でした。
印象的だったのは「まりこさん」
子供の時と大人になってからの「まりこさん」の捉え方が違うのが納得でした。
対等には話せない相手。きっと、まりこさんは独自の世界観で暮らしていくんでしょうね。
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表題の可哀想な蝿と最後の呪縛が群を抜いて秀逸だった。ちょっとゾワっとするのがたまらない。結構厭な話ではあるけどどこかに眠っている感情が暴露されてく感がたまらなく好き
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読んでいて不快に似た感情が湧いてくるような、何ともダークな作品でした。(不快と表現するのは本作に対して最高の褒め言葉)
不穏な空気が漂いつつも続きが気になり、読む手が止められないのが魅力の一つです。本作はもちろんフィクションですが、案外近くに存在していそうなリアルな人間像が不気味さを強めていました。
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ブラックな短編集と本の紹介にも書いてあって、わかって買ったはずなのに…まぁほんとに、読後感が、悪い!!!笑
短編集でお話はリンクしていないのですが(2話目の猫屋敷と、1話目の捨て猫はリンクするかと思ったらそうでもなかった)、まぁ全部なんかちょっとずつ違ういやぁな読後感をお届けしてくれます
表題のSNSの粘着アカウントを飼うお話の設定が面白そうと思って読み始めましたがそれはなんか思ったところと全然違うところに着地して、個人的には最後の呪縛(DV夫から逃げてきた女友達と同居する話)がいちばん小説としては面白かったです
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2023.10.9 読了
うわぁ。。これ、「重ね着」以外どれもやばいやつじゃない?特に最後の「呪縛」やばいね。ダメ人間製造機が出てくるよ。凪のお暇で言うところのゴンの女版。
男運、女運悪いとかじゃなくて、自分でダメにしちゃうやつね。これはやばいわ。そして、主人公の麻希は、可哀想っていうか、ただただ辛い。しんどい。
はぁ、、読後の余韻最高。
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全体的に文章が好きではない。
喉に小骨が引っかかる様な小さな違和感を感じながら読み進めた。
帯に「誰もが日々見て見ぬふりをしているものを突きつける」とあるが、いまいちピンと来なかった。
全体的に後味の悪い短編集になっており、表紙の鮮やかながら禍々しい様がよく合っている。
自分も表紙の魅力に誘われた蝿なのかもしれない。
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後味の悪さが残る短編集。
どれも自分の境遇と違うのに、身近にありそうなリアルさを感じる。
「マリコさん」「呪縛」が印象的だった。
詩乃って魔性の女?
弱い存在を守るヒーローでいたつもりが、気付かぬうちに病的なほどの執着心を抱くようになるとは‥。
あぁ怖っ。
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「可哀想な蠅」
「まりこさん」
「重ね着」
「呪縛」
四話収録の短編集。
ブラック武田降臨。
やってくれるわ武田さん。
三話目の『重ね着』は姉妹の会話に辛辣さはあるものの、まだ救いが見える。
だが他の三編に至っては容赦ない。
人の心に巣食う負の感情と悪意がこれでもかと描かれ、打ちのめされる。
全ての物語に共通して登場する『可哀想』のフレーズ。
心から相手に同情する純粋さとは裏腹に、相手を見下す傲慢さに人間の闇深さを感じた。
SNS上で執拗に絡んで来る粘着質な輩を描いた表題作は結末に震える。
黒に振り切った切れ味鋭い物語が癖になる。
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救いが欲しい、ブラックな短編集
面白かったです!
救いが欲しくなるブラックな短編集で、
ハッピーエンドとは程遠い、読後感がかなりえげつない。
でも、面白いので読みたくなる、矛盾を抱えつつ読了しました。
粘着質アカウントのSNS、
多頭飼育の猫の家、
DV男から逃げ出した女性と同居する女性。
と内容はさまざまでして、
色々な価値観を持つ人がいて、昨今叫ばれている
「多様性」を重視した内容になっています。
どれもこれも身近で起こりうる問題で、
人ごとでは終わらせられない違和感のようなものを感じました。
改めて、自分自身の視野はまだまだ狭いのだと実感した次第です。
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情けも容赦もなく切り裂いてくる展開とセリフが最高! 負の要素を清々しく描いた短編集 #可哀想な蠅
■きっと読みたくなるレビュー
武田先生のエンタメ短編集です。いつものとおり女性の本音や冷たい人間関係の描き方が素晴らしい。サスペンスミステリー要素もしっかりありますよ。
しんどい展開や結末も多いですが、イヤミスのような粘っこい嫌らしさではなく、むしろ清々しいんです。また特に本作は文体の芸術性と可憐さも半端なかったですね~
〇可哀想な蠅【超おすすめ】
女子大学生が動物虐待の動画をSNSにアップしたら… 現代の社会問題を切り取った作品。
これぞ武田先生の作品だわ~。最近ありがちなテーマですが、切り口や人との関わり方が新しく、気持ちいいほど残酷でイイ!洗練された文章の中にも、今時の感性が光っていて超好きです。
なんとなく判断を先送りにしてしまったり、必要以上に責任を感じてしまう感覚がすっごくよくわかる。これらの社会問題に対する結論も、私が日々感じている感覚とすごく似てて共感できるんですよね。
〇まりこさん
主人公の由美は子ども時代に猫屋敷に入り浸っており、その住人と友人関係になっていた。時を経て大人になった由美は、再び猫屋敷に訪問することになり…
どんな話になるのかなーと思いきや、この切れ味ですよ。子どもの頃は早く大人になりたかったけど、いま思えばいつまでも子供のままでいたかったですね。
〇重ね着【おススメ】
間もなく結婚する妹が、突然実家に帰ってきた。姉は伏見稲荷に登ろうと誘われる。何か話があるのかと訝しくなりながらも、姉妹は伏見稲荷に向かうのだった。
デリケートな話題に対して、ストレートに価値観をぶつけ合う二人が熱い。素敵な姉妹じゃないですか、こんな家族がいて羨ましいよ。旅情の寂しさも相まって、ただ二人の幸せを願いたくなった作品。
〇呪縛【おススメ】
若かりし頃、父の介護で生活を奪われていた女性。恋愛の興味も時間もなかった彼女は社会人となり、同僚たちとも交友も深めていくようになった。その後、彼氏も友人もできるのだが、気配りや人に尽くすことができなくなった彼女は…
おもろい、読ませる。
そして心に響くセリフや叙述が上手すぎすよ、文芸としてもエンタメとしても品質が高い。ホント冷酷な表現は日本一かよってくらい素晴らしい。冷たさと美しさのハーモニーに打ち震えました。
この「負の成長」がいいんですよね。人生辛いことも難しいことも多く、でもこれが醍醐味だったりもします。しかし本作にでてくる、どの登場人物にもなりたくない。
■ぜっさん推しポイント
武田先生の持ち味がたっぷりでてる研ぎ澄まされた作品集です。情けも容赦もなく、スパっと切り裂いてくる展開やセリフが潔くて大好き。
作中、いくつも自分勝手な言葉が吐かれますが、とても自分には言えないことだから、むしろ輝いて見えてしまう。でもこんな可哀想な蠅たちにはなりたくない… 生きるのって、難しいですよね。
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なかなかハードな短編集だったw
どの物語も短でいつ自分においてもおかしくない出来事と感情。だから私はSNSが怖い。
全然関係ない人がいきなりキバをむいてやってくるにはいやだ。
関係ない人に状況も知らずに、判断はされたくない。でも、そんな世の中なんだから慣れるしかないのかなw
残りの話も分かると思いながら、心がギュッとなるように切ない話だった。
ちょっとしたことで、すれ違いって寂しいね。
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短編集4篇
姉妹の結婚観をぶつけ合いながらの伏見稲荷の山登りの「重ね着」はどちらもあるあるだ。これだけが唯一普通だ。
その他の3篇はSNSの怖さ、猫屋敷の不気味さ、エスカレートしていく共依存、ブラック色に溢れている。人間への信頼が失われてやりきれない気持ちになる。
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表題を含む四話収録。女性二人が登場したら事件発生の前触れである。人物造形や台詞のリアルさ、駆引きに唸る。行間からいい塩梅で嫌味や烏滸がましさが立ち上る。読み応えあり。
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とてもきれいな装幀で、そこに一番惹かれた。話も読みやすくさくさくと読めるのだけど、後味が良くないかも。面白いというよりこわく感じた。
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第107回アワヒニビブリオバトル&全国大会予選で紹介された本です。2ゲーム目。ハイブリッド開催。
2023.12.29