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『レーエンデ国物語』の2巻目
前作の英雄ヘクトルの死後、レーエンデ奪還のために7州の連合国を束ねる、前作ヒロインのユリアが毒婦と帝国側から言われていたレーエンデ国地方の物語。
両親を殺されたイジョルニ人のルーチェとルーチェを拾ったヒロイン、テッサがレーエンデの自由を合言葉に命を燃やす戦い。
前作との関連はいろいろ出てくるものの、前作を知っていれば結末は既にわかるお話で、ああ…きっとこうなるんだろうなという感じのお話です。
ただ、結末が、わかっているから面白さが半減するかというと、そうでもなく、読みながら既に次の3巻が楽しみになりました。
さて、レーエンデの歴史でルーチェは「残虐王」と呼ばれることになるのですが、最後まで読むと、なるほど、なぜ「残虐王」と呼ばれたのかわかるようになります。
全体としては、前作が好きなら今回も外れはないだろうなと思うくらい、相変わらず私は好きです。
今回は革命の話なのですが、物事を為すということに必要なものって、改めて思いました。
それは天地人であるということを。
天地人が揃っていないと、結局うまくいきづらいだなぁと思いました。
ただ、天地人が揃っていなければ諦めて何もしなくてよいか?
実はそうではなくて、運さえ向けばその運をものにするための実力を持っていないといけない。つまり、諦めずに努力をしなければならないっていうことなんだろうなと。あと、その運が向いた時に生きていること。
革命など大きなことを成し遂げるということは実はこういうものなんだろうなと思いました。
生きてればなんとかなるっていうのは恐らくこういうことなのかなと感じた本作品。きっと、先人たちの積み重ねがレーエンデを救う日が来るんだろうなと思います。
あと、私もそうですが、世界は広いとはいうものの、実は世界っていうのは自分がみえるものこそ世界なんだろうなということ。
結局、世界は私が見えているものとあなたが見ているものの集まりなんだろうなと感じた本作品。
さぁ、革命のはなしをしよう。
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第1作に引き続き、やはりひたすらに没入できるファンタジー小説だった。
一気に読み進めてしまう。
今後の物語がどうなっていくのか続きが楽しみ。
ただやはり、報われて欲しいと思ってしまう。
わかりやすいハッピーエンドよりも、エンドが無慈悲なところがリアルで、それがいいのは分かってはいるが、どうか報われて欲しい。
魂として海に還った後は、どうか穏やかに、自分のささやかな幸せを大事にして過ごして欲しい。
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今回の話も凄かった。
次どうなるんだろう……という気持ち一つでページを捲り続けました。
ルチアーノが『残虐王』になるまでの軌跡、テッサの最後。
王道のハッピーエンドなどでは全然なくて、でも胸を打つシーンの数々。人間の裏側、残虐な部分までしっかりと描く多崎礼さんの作品が好きです。
装丁も凄く素敵で、全て読んでから表紙のイラストを見て感じ入りました。あの斧は、そういうことだったのか……となります。
そして今回のお話は3部へ続く中継地点で、早くも次巻が待ち遠しい。2部巻末でレーエンデの独立が示されていたので、そこに至るまでの話になるのだと思うとワクワクします。
読み応えたっぷりのファンタジーでした。
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大変読み応えのある作品でした。
最後の場面があまりにも切なすぎて一度読んだだけでは消化不良だったので、以下あれこれ考えてみましたが、総じて非常に満足感の得られる物語でした。
登場人物全員の生き様に心を打たれます。
十二月の花嫁になれて良かったね、テッサ。
【以下考察】
ルーチェが好き、愛しているといいながらも、テッサの言葉の端々にシモンの影響が濃く出ている点が気になったので、テッサにとってルーチェとシモンはそれぞれどんな存在だったのかを考えてみた。
テッサにとってルーチェは、最期まで唯一の家族で、希望で良心だったのだと思う。ルーチェがテッサを好いて、認めてくれたから、テッサも自分自身を好きになれた。どんな状況に身を置いても人の心を失わずにいられた。一人間としてのテッサ・ダールの心を支えていたのがルーチェだったのだと思う。
対してシモンは、テッサに英雄として生きる選択肢を最初に与えた人である。実際に行動に移すきっかけはダール村の襲撃にあっただろうが、それ以前のシモンとの会話があったからこそ、テッサは英雄として生きる道を選べたのだと思う。テッサが義勇軍の仲間を率いる際に言う「諸君、仕事の時間だ。たったひとつの大事な命、慌てて落っことすんじゃないよ!」という言葉も、磔刑台から民衆に向けて想いを伝えた際の「生まれた瞬間から最期の息を引き取るまで、あたし達の人生はあたし達のものだ。命も矜持も魂も、すべてあたし達自身のものだ。」という言葉も、テッサの第九中隊時代にシモンが放った言葉である。「英雄」としてのテッサ・ダールの生き方を方針付け、支え励ましてくれた存在がシモンだったのだと思う。だからこそ、自らの手でシモンを葬った時、「英雄」を支えてきたものがなくなってしまったから、あれほどまでに落ち込み、引きこもらざるを得なかったのだろう。
シモンの死により「英雄」としてのテッサは一度折れかけたものの、最後にはルーチェが好いてくれた、強くてかっこいい「テッサ」でいるためにも、「英雄」として生き抜くことを選んだのではないだろうか。
ここでもう一点考えたいのが、テッサにとってルーチェは最後まで光で希望だったが、ルーチェにとってのテッサは最後、果たして希望だったのか絶望だったのか、ということである。
テッサが亡くなる直前、ルーチェと最後に会った場面のルーチェの言葉が「愛している」でも「大好き」でもなく、「まだ生きてるんだね」「もう死んでもいいんだよ」「さよなら」だったのが堪らなく悲しかった。テッサと過ごせた時間も、愛しいという感情も、兄エドアルドの犠牲によって成り立っていたと認識してしまった以上、もう「愛している」とは言えなかったのだろうか。それとも、テッサへの愛しさのメーターが振り切れ、裏切られたと絶望したが故の言葉なのだろうか。
直接的な表記はないものの、ルーチェもといルチアーノは後に、テッサが生涯大切にしていた形見のナイフを用いて、吟呪に蝕まれて苦しむ兄エドアルドの息の根を止めたと思われる。そこには、苦しみを終わらせてやろうという慈悲の念と共に、エドアルド��テッサの死を神の御子に願ったことへの怨みも含まれているのではないだろうか。また、テッサのナイフを用いることで、テッサがついに成しえなかった法皇の打倒を間接的に達成させてやる、という意味も含んでいるとしたら、テッサの死後もずっと、心のどこかでテッサのことを想い続けたといえる。
(使用したテッサの形見を持ち帰らず手放したので、残虐王として今後の人生を生きる覚悟を決めた上でのテッサとの決別の意味もあったのかもしれないが。)
また、ルチアーノが制定した『犠牲法』は一見すると悪質なだけだが、最後までテッサについていかなかったレーエンデの民への怒り、同じレーエンデの民が争い合うことへの怒りと粛清の意味も込められているように思う。
加えて、ルチアーノ(ルーチェ)はテッサに「命懸けの戦いを始めるには早すぎた」と言っている。レーエンデに闇と危機感と絶望が足りなかったと。故に、自らの非道な行いで民に恐怖と絶望を与えることで、いつの日か革命の火種になることを、レーエンデに革命を起こす者が奮起することを、心のどこかで願って恐怖政治を行っていたのだとは考えられないだろうか。
以上から考えると、ルーチェにとってテッサは最後、暖かい希望の光ではなかったかもしれない。恨んだ日もあったかもしれない。しかし、心の奥深くには常にテッサの存在があり、様々な意味で生涯テッサを想い続けたと言えるだろう。
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残酷な出だしから始まり、ルチアーノは一人にされてしまう。
そん中、出会ったのがダール村の人たち。
とてもおだやかな暮らしで、このまま話が・・・
終わるはずもなく。
怪力が自慢のテッサだったけど、
登場からもっと特別に力がるように
書いてもいいんじゃないかなと思った。
ルチアーノとの恋の発展も
(たしかに発展できる環境ではなかったにしろ)
もっと深い感情が出てほしいとは思った。
テッサが村を出てからの戦の話は興味深かった。
自分が普通の人生を歩むのではなく、
レーエンデに自由をもたらす者として
行動をおこすのだと自覚してからのテッサの
変わりようが凄まじかった。
レーエンデをとりかこむ政治の仕組みも
すごくよくできていて、
新法皇のエドアルドの策略にも思わず声が出てしまったほど。
レーエンデ国をめぐって、
レーエンデために命を懸けた人たちの
熱くて儚い物語です。
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第2部。暗黒時代と言われる、前作より約100年の時代が舞台だ。
少女と少年が出会う王道だが、闘うのは少女である。かっこいい。
欲を言えばもうちょっと兄ちゃん出して欲しかったかな・・・。
つぎも楽しみです。
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数ページ読んだだけで本の世界に引き込まれていくそんな本の代表作と言っても過言ではない。また第二巻から読み始めても面白く読める本だ。
"心から願えば出来ないことなど、何もない。"このフレーズに背中を押された感覚になった。出来ないと思うのは思い込みであり、本当は心の奥底では強く望んでいないとも言えるのだろう。
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未来で革命と一言で表される史実にも人々の痛みや悲しみが含まれている事を痛感させられた。
今の世界が平和なのであればそれは過去に革命の為に生きた人がいるからなのではないか
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面白かったですが…、物語として満点だとは思いますが…なぜ悲劇…。
今回取り戻せると思ったんですよ…。
なんで、こんなだれも救われない…。
レーエンデがどうなるのか最後まで見届けるつもりですが、ハッピーエンドをください。。
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前作に引き続き、今作もよかった。次回作までちょうどいい間隔があるのがいい。あまり早すぎても整理がつかないし、遅すぎると忘れてしまう。作品の余韻に浸りながら、次の作品を迎えられるのが幸せだなと思った。読みながら、ダール村って前作のあの!とか、黒髪のウル族!!とか、前作とのつながりを見つけると嬉しくなった。
物語は、帝国軍によって支配されてしまったレーエンデに再び自由を取り戻すべく、ダール村のテッサ(怪力少女)とイジョルニ人(帝国側にルーツのある少年)のルーチェが出会うところから始まる。
プロローグでいきなり主人公が「虐殺王」と呼ばれるようになると言われて衝撃を受け、いつ闇堕ちしてしまうのかハラハラしながら読む。
物語自体は戦争中で、しかも弾圧される側の話なので、かなりヘビー。正直読むのが辛くなるような描写もある。ファンタジーだけれど、人の動きや国の動きが緻密に描かれている。まるで本当にあった歴史小説のよう。
自分の命や仲間の命を守るため、人を殺すことになるテッサたち。戦に慣れていく自分を恐れつつも、戦果を上げることに喜びを抱く複雑な心境。そして誰が味方なのか、本当の敵はどこにいるのか……。
葛藤しつつ、混乱しつつも自分たちの力で未来を手に入れるために戦う姿は、本当に格好良かった。
「生まれた瞬間から最期の息を引き取るまで、あたし達の人生はあたし達のものだ。」
太陽のような彼女が放つ力強いメッセージに奮い立たされる作品。
次回作でレーエンデに自由を取り戻すことはできるのか。本当に三部作で終わってしまうのか(というか三部作で終われるのか?)!
作品の余韻とともに、楽しみに待ちたい。
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第一章から時間が経過して革命の話
今回もいい意味でフラグを折られて笑
所々引き継がれてるなぁと感じた
次はどのような革命になるのだろう
残虐王と言われた所以が弱すぎる
次章で語られるのか?
そこがマイナスだった
13人というのも何かの示唆なのだろうか
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帝国の圧政により苦しい生活を続けるレーエンデの人々が1人の英雄の導きで奮い立ち戦う、これぞ革命の物語といった印象の二作目。
前回は、これは革命と言えばまぁ革命ですが…みたいな所はあったけど、序章で「革命の話をしよう」という文言があるだけに少し物足りなさを感じる部分があった。
今作は序章の文言通りに人々がイメージしやすいThe革命といった感じの物語。そのため物語の進行も非常に分かりやすい。ただその分前回よりはファンタジー要素は少なめと言った感じ。
前作がホビットなら今作は十二国記といったイメージ。
今回も主人公は少女な訳だけどここまで女キャラに自立やら尊厳やらを叫ばせておいて必ず彼女達に恋愛させたり彼女達の心の重要な支えは男であるところが何だか勿体ない気もする。
最後にテッサが望むことがかつての「女の子」である自分の願いであったことにも勿体なさを感じる。
大好きな人と添い遂げたいことを最後の願いにするなら「女の子」である必要はない。
女の子から1人の人間としてテッサとして成長した筈が、最後に「女の子」に戻ってきてしまうところが残念。
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今まで読んだ中で1、2を争うほどリアルに心に突き刺さるファンタジー。
子供の頃に読んだような、めでたしで終わるファンタジーではない。
容赦なく主人公たちに降りかかる展開は、まるで現実にこんなような事が起きたかもしれないと錯覚してしまうほど生々しく、同時に心を直接掴んで揺すぶられるような衝撃があった。
普段ファンタジーを読まない人も、読む本に迷ったら必ずこれを読んで欲しい。間違いなくファンタジーへの見方が変わる作品だ。
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連作物の2巻というと、どうしても小休符的な内容となってしまいがちですが、この作品は違いました。
私の中で最高峰のファンタジーとも思えた1巻をも凌ぐ重厚な仕上がりだと思います。
言うなれば、「凄絶な愛の物語」。
勇敢な愛、残酷な愛、絶望、、主人公たち各々が進む道には各々の"正しさ"が存在するはずなのに、
それでも立ちはだかる叶わないこと、やりきれないこと。。
全体としてみたら救いのない物語だった、のかもしれません。
けれど、私はそこに希望を見たし、彼らの行動からも言葉からも人間の根元にある大切なものを受け取れた気がします。
1巻とほのかに(がっつり?)交わる部分もあったり、、ヘクトルという単語が出るたびに嬉しくなる自分がいました笑
息を呑む展開多々、、クライマックスでは涙腺崩壊でした。
3巻を読むのが楽しみです。
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レーエンデ国物語の第二部。
第一部から約100年後の話。
今回も辛い結末だった。
レーエンデ解放のため義勇軍のリーダーとなったテッサは死刑になるし、ルーチェはのちに第二代法皇帝になり、「残虐王」と呼ばれレーエンデ人から忌嫌われる孤独な生涯を送ることになる。
テッサは英雄として最期まで闘い続けたけど、ルーチェ(ルチアーノ)は民・神・自分自身に絶望してしまったことがとても悲しい。
第3巻はどうなるのか、気になります。