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以前、ここで未知庵先生の『未知庵の三時のお水』を紹介し、絶賛させてもらった
その時は、あまりにもカオスな内容っぷりに、「もしかして、この先生は阿部共実先生を超えるモノを持っているのでは・・・」と期待半分恐怖半分の印象を抱いた
しかしだ、この『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』をいざ読んだら、未知庵先生には申し訳ないが、それは勘違いでしかなかった、と思い知らされた・・・いや、ある意味、未知庵先生は一線をまだ越えてないのだから、喜んでいるのかもしれない
下手に断定は出来ないが、恐らく、この漫画のインパクトあるタイトルは最多文字数だろう
しかし、正直、本編で味あわされた、吐き気を催すほどの混沌の衝撃を伝えるには、この長さですら不足だ
半分は阿部先生らしいブラックなコミカルさがあるが、もう半分は笑える内容ではないどころか、結構、精神的に凹まされるから、「面白い」とは言えないけれど、『空が灰色だから』や“このマンガがすごい!”のオンナ編で第一位を獲得した『ちーちゃんはちょっと足りない』に匹敵する、心に深々と突き刺さる凶悪な鋭さを持っている漫画である事は力強く言い切れる
印象に残らない話が一つもないので、お勧めを絞るのは難しいが、今、これを書いている時の気分で選ぶと、第6話の『それがだよ』
この台詞を引用に選んだのは、しみじみと「恋する女の子って生き物は強ぇなぁ」と思い知らされたから
そして、この作品に限った感想じゃないが、阿部先生の漫画は一日でも早く、アニメ化すべきだ
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championタップ!に掲載されていた作品を読んでいたが書き下ろしや作者がホームページ上で公開した作品も収録されているということで購入。
表紙は『死』が4つも並んでてインパクトが強いが、鬱っぽかったり後味悪いものよりなんだかニヤニヤしてしまうような作品が多め。
『それがだよ』のケーキ投げるシーン好き。
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この人ならではのこの感覚は、この人の作品じゃないと味わえない。なので、もうしばらくこの人の厄介になるかと思う。
じゃんじゃん人に勧めたいけど、人格を疑われる危険もあるのでなんとも勧めにくい、厄介な一冊。
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思春期の自意識が過剰に肥大し炸裂するエピソードを描いた
オムニバス短編シリーズ。
面白いが帯の煽り文句「心がざわつく」は承服しかねる。
私の理解と共感の範囲にストンと落ちる物語ではあるけれど、
決してザワザワしない……それはもう、
ジェネレーションギャップと言うしかないのか。
遠い昔、そんな年頃だった私や親しかった友人たちは
話しても通じないフラストレーションを
小説(らしきもの)や絵を描くことで発散していたから、
「殺す」だの「リセット」だのって発想に結び付かなかった。
だから今も普通に生きているし
日々考え手を動かし何かを作り続けている。
苦悩の十代なんて一瞬だ、永遠ではない。
だが、血反吐を吐くほど悶え苦しんだ経験は無駄にならない。
……無駄ではなかったと思える大人に仕上がれば、の話だが。
それにしても、こうしたテーマ・作風が人口に膾炙する時代、
山田花子女史のあまりに早過ぎた死が悼まれてならない。
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……うう……ううぅ……。
読んだら凹むと分かっているのに新刊を読まずにはいられない。かわいいお話もあったけど。
「おねがいだから死んでくれ」を読んで文字通りになったけれど阿部共実さんがこれを描いてくれたから生きるよ。
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ああいったいどうなってしまうのひやひや、っていう不安を煽るけどどぎゃーんとかわいく落としてきていやー良かった、と油断したところでいきなりバーンと重い扉が閉められちゃうみたいなやつ。(わかりません)
とりあえずがんばれメガネしんどい。
田所君はとても萌えました。
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当たり外れがある
分裂症のようなキャラを頑張って描くことがよくあって、それがネットでも取り上げられるけど、そういうのはハズレで、「ネコネコココネ・・・」「お願いだから死んでくれ」のような残念な人間のキャラクターを描くのが当たりだと思う
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これを読んで、悶えて、のたうち回っていられる内は大丈夫だ。歳を重ねてこれに何も感じなくなるのが怖い。
『おねがいだから死んでくれ』
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◆心が弱っているときに読んだらクルかなぁと恐る恐る読む。◆大丈夫だった。この本、好きだった。◆だって〈不器用でもつながりたい〉って気持ちがビシビシ伝わってくる。心が熱くなる。◆第4話「がんばれメガネ」の女楽さんや第9話「おねがいだから死んでくれ」の佐久田くんみたいな〈普通〉側の人、むしろ怖すぎ。でもリアルだ。◆LIKE: 第2話「一旦だけ 一旦だけでも」/ 第6話「それがだよ」/ 第7話「10時間」/ 第10話「深い悲しみ」
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空灰をさらに濃く、カオスにした話が勢ぞろい。
1回読んで?な話も2回目読んでみたら、色んな意味で味がある。
空灰や男子高校生の日常を読み返したくなった。
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灰色に比べて絵柄の向上、安定よ。
一旦拭く回の、キラキラ演出がすごい。
あれがあるだけで、なぜか映画みたいだった。
お願いだから死んでくれ回は、前日譚をラストに持ってくるところが、手腕だよな。
カレー回はがっかり。
お前だよ回は、こういうのがあるから阿部さんにだまされてしまうんだよな、と思った。
第1話の降霊モノは、まさにこの作品の第1話にふさわしい。
煽るだけ煽っといてこのオチ!
男鹿と女楽の回がいちばんこわかったかもなあ。
双方いかれてる。
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アホな話もたまにはあるのだけれど、バッドトリップってこんなやつなのかもしれないと思うほど救いようのない話も散りばめられる。『空が灰色だから』の系譜を継ぎながら、訳のわからない、オチもつかず気まずい救いようのない状態が続いたまま終わる。非常に後味の悪い終わり方をする作品の割合が増えた。調子の悪い時にとことんダメージを喰らうのにはおすすめ。もやもやは別方向で晴れると思う。でもそれが良い。
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歯車が噛み合わないもどかしさが心地好くもあったり、死にたくもあったり。トラウマになりそうなやつを味わえた。
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空灰のシリーズ的な感じです。
前作と同じく、かわいらしい話、後味の悪い話、痛くて辛い話などなどの短編が描かれています。
・短編:おねがいだから死んでくれ
「ぼっち」とか「コミュ障」というものの本質について触れたような気がします。
人と感性が合い、同じものを好きになれるということは、当たり前のように思えて、実はとても幸せなことなのではないでしょうか。
これはその「当たり前」ができない少年の話です。
少年は性格が悪いと言われ、傷つきますが、そもそも彼は物事を意図的に悪く言っているというよりは、本音を隠せないのです。
好むものやそもそもの価値観などが違いすぎて、クラスメイトと同じ感想を持つことができません。共感して、器用に人に合わせるすべを持っていません。
この状態がいわゆるコミュ障のひとつではないでしょうか。
当然孤独感が強くなり、ますます自分の世界に没頭し、他人への恐れが深くなっていきます。
けれど漫画という自己表現の場所を得て、少年はそこに希望を見出します。
そして自分と似た感性を持っているかもしれない人間に縋りますが…
・WEB漫画再録:ニーソ眼鏡児童液
統合失調症など、精神の病気に関しては、
「これはニセモノでホンモノじゃない」
などと批判を受けることがありますが、
精神の症状にもさまざまな種類があり、テンプレート的なものが必ずしも正しいとは限りません。
この短編では簡単な会話だけでどう見ても青年が狂っていることを読者に伝えていきますが、
後半で、彼の気がついたことは妄想なのか現実なのかということを投げかけられます。しかしそれは…
・がんばれメガネ
主人公が大学デビューした高校の同級生にドン引きしながら会話をしますが、再会の理由は…
なかなか生々しい話になっています。
断片的なセリフの内容だけで、その人間がどんな状態に置かれてるかをハッキリさせてゆくのが非常に上手です。
もちろん絵柄も、オチを知った後で見るとこれは伏線だったのか…!
と驚かされます。
短編のこんな少ないページ数でこれだけ考察(と言う名の妄想)が広がるこの漫画は素晴らしいです。
灰色の青春を歩んできた人、現在進行形で灰色な人にオススメです。
灰色の理由がなんとなく掴める…かもしれません。たぶん。
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秋田書店のサイトでバックナンバーの一部が立ち読み可能。タイトルのわりにはゆるいシュールなギャグ。
かと思いきや歪んだエロや思春期の痛々しい心理描写などもあるらしい。ので読んでみたい。