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少し前に映画を観て、原作はどんな感じだろうと思い拝見。内容が違いすぎて呆然としました…。ですが、別物と思って読むと、複数の事件と人が重なったとても面白い作品でした。特に子供に対する自分の印象は少々変わったかもしれません。
また、映画のポアロとは違い、悲壮な感じが無く、登場人物もミステリアスでクールな人が多く、時々コミカルなので実に読みやすかったです。
自分はミステリ小説をあまり読んだ事が無いのですが、子供が犠牲になる、という所と、子供と言えども虚言や脅迫など中々アクの強い子達が登場してきて強烈でした。まさに「教育とは聖なる領域」。教える事、学び続ける事で人格が形成されていくのかと改めて思います。ただ、今となってはこの話をポアロとしているのが、犯人という所がなかなかパンチの効いた皮肉に思います。マクベス夫人についてとても興味が出てきました。
子供は親に全てを話すとは限らない。その通りかもと思うのですが、大人は親には話すと思い込んでしまう事が多いと思いました。何が起きているのか、恐怖が感じ取れない。とても難しい事ですが、注意して見たり話したりしないといけないなと思います。
また、犯人や被害者の発言がミスリードである事。
特に被害者を周囲の人達が非難する為、読み手としては同情してしまい、嘘が本当だったと信じてあげたくなるという。本当に巧妙な罠でした。
そして、犯人では無いのに疑ってしまった登場人物達に何となく申し訳ない気持ちになるという。
自分は探偵には向いていなと学びました。
それにしても、残酷な結末です。親が友達を殺して、更には自分も殺されそうになって、そして勝手に自殺されたという。せめて他人であって欲しかったです。とりあえず洗脳が解けると思いたいです。
今回原作オリヴァーに会えて良かったです。映画では心が腐っているのかな?と思わせる人物でしたので、変わった人ではあるけど、ポアロの友人で心の底からホッとしました。
他、この本の中で未だ気になる事と言えば、オリガの居場所を当てた魔女は本当に魔女なのではないだろうかという所です。ハロウィンらしい演出でした。
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アガサ・クリスティーはあまり読んだことがなかったので、読んでみたいと思っていた。
ハロウィンシーズンだったので、これを買って読んでみた。
巻末の「解説」を読んで、この本を選んだのは失敗だったと思った。悲しみ。
村人同士お互いみんなが知っているような、狭い村の中で少女が殺される、殺人事件が起こった。
被害者は「殺人事件を見た」と自慢していたことから、口封じの犯行かと思われるが、もともと虚言癖のあるその少女の言葉は、誰も信じてはいなかった。
しかし、解決のために請われてやってきたポワロは、その言葉から推理を始めていき、村人たちに今まさに起こった殺人事件に加えて、過去に起こった殺人事件についても事情を聞いていきながら、真相に迫っていく。
村人たちの証言が推理の主な材料になるのですが、これが人それぞれ好き勝手なことを言うので、何を信じたらいいのかわからない。本当の探偵はこういう中から信憑性のある情報を取捨しているのでしょうね。
ポワロは真実に辿り着きましたが、何だか振り回された気分です。
あと、最近のミステリーに比べて種明かしが簡易なので、不明瞭な部分が残りました。また読み返せばいいのでしょうが。
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感想なしだと、読んだ日付すら後でわからなくなるので書いておこう。
オーディブルにて
古典ミステリだけど、正直何が古典で何が新鋭なのかすらよくわからない。いろんなミステリを読むけど、その隙間に挟まる登場人物(主に脇役、端役)の一言や日常の振る舞いの描写を読むのが好きなのだ。だったら謎を追うのが主体のミステリじゃなくて、人々の日常を描いたストーリーを読めばいいじゃないかという気もするけど、そうじゃなくて、ミステリの隙間だからいいのだ。そこに本質が見出せるようなやつが好きなのだ。
クリスティは、だから、マープルなら彼女が編み物をしたりご近所と付き合ったりしているのを見るのが好きだし、ポアロなら自身の口髭にじっと見入っている彼を見たり、たまに友達と話したりしてるのを見るのが好き。
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殺人現場を見たことがあると言った少女が殺された。少女が言ったことが本当かどうかということに犯人への手がかりが…。ハロウィーン・パーティに参加した人たちの言葉からポアロが真実を見つけたときに犯人が浮かび上がる。様々な証言が一つにつながるところがやはりクリスティーだと感じた。
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これ結構好き。
映画ベネチアの亡霊の原作と聞いていたけど、もはや別物と言って差し支えない。
ドラマチックな映画版とクリスティを存分に味わえる小説。
それぞれに魅力があって良い。
ああでもやっぱり私は、ストーリー・設定・人物・動機全てにおいて原作推しなんだよなあ。
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映画の原作ということで買ったけど全然違う。映画の方が良かった。別の話として読めば、ある程度基準はクリアしている。
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今回は犯人や動機の検討がつかなさすぎて、ワクワク感が味わえなかった。でも「殺人現場を見たことがある」と話す少女→殺される!という興味を引く導入がまさにアガサクリスティーで好き。
映画観る前に原作読みたくて買ったけど、読めば読むほど映画のあらすじと違ってあれ…?と思ってたら、原案なだけで話全然違うと巻末で分かってちょっとショック!
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久々に古典ミステリーを読めて満足。事件、推理、トリック(?)、動機などなどは特に驚かされることもなく、ギリシャ神話に基づく点が多々あり、へぇーで終わってしまうけど、登場人物がみんな個性的で、テンポ良く読めた。古き良き時代の英国の雰囲気が味わえたし、相変わらず几帳面なポアロに会えて良き。
映画の原作として先読みしようと読んだけど、原案のみとのこと。あとがきで知ってちょっと残念。
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映画を見たので原作もと何十年ぶりかで一読。かなり原作と映画は違っていて、というか、ほとんど別物でした。ヘイスティングスではなくオリヴァ夫人との一篇。ポワロさしさたっぷり味わえて満足。
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話に派手さも深さも無いし、トリックも特異な点があるわけではないのだけど、それだけにクリスティらしさが詰まった作品と言えるのかな?
事件は愚かな少女が殺人現場を見たと吹聴した事から始まる。その構図は個人的に『葬儀を終えて』を思い出させるかな
自分の発言がどのような影響を生むか全く想像できていない愚か者の言葉が無用な殺人を呼び起こす。まあ、あちらはもう少し異なる構図ではあるけれど
本作の特徴を一つ挙げるならそれは被害者が幼い子供である点か
クリスティ作品によく見られる金銭も愛憎もあまり絡んでこない年代が被害者となれば、作中で盛んに言及されるように変質者や狂人による犯行を疑いたくなるもの
でも、そこに理性的な犯行動機があるならば、また被害者のジョイスが殺される直前に吹聴した殺人の話に意味があるならば
今回の事件をややこしくするのは、ジョイスの発言を信じる者が皆無な点だね。ジョイスの話を起点に事件の推理を進めるしか無いのに、彼女の話から事件の全容は見えてこず、従って彼女が目撃した筈の過去の事件も容易に見えてこない
ただ、ポアロはいつもの調子で事件関係者の話を聞き続ける事で推理を膨らませていくわけだ
そうして辿り着いた真相にやはり派手さはないのだけれど、子供が被害者として描かれたからこそ活きるラストであるようには思えたかな