紙の本
取りあえず読んで
2023/11/06 16:53
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投稿者:沖田圭介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あるラジオ番組で,奈良監獄がホテルになるとの紹介から本誌の話しがあり興味を持ち購入しました。
主人公が殺人容疑から監獄に入れられるということであったが,実際は無実であり,その後同じような境遇で入獄した若者と脱獄という物語である。
ただ,内容的には監獄生活の話しが長く,実際の脱獄に向けての内容があまりにもあっさりし過ぎている感がある。少し残念である。また脱獄後の逃亡につてもである。
紙の本
えー、そこで終わる?!
2024/01/24 22:05
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かったし1時間程度で読めたんですがラストが残念だったかなぁ
だってそれで良いの??
○○な事証明できてないじゃん、、
救いがなくないですか??
文体は読みやすかったかなぁ
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妖精さんのゲラが
またしても届いたので
興味ないけど読んでみた
奈良監獄が舞台の
刑務所のリタ・ヘイワース
ほぼ一緒だな
それでも楽しく読めた
奈良監獄はステキ建築だし
人物描写もよかったし
どうやって外に出るのかな
ってワクワクした
人にオススメするのは躊躇わないが
「和製ショーシャンクだよ」
って絶対言う
星は迷いなく4つ
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軽いタッチで話が進む。監獄での生活が続き、脱獄するのは最終章近くになってから、さてそのあとどうする?最後は北海道に逃れ開拓団の一員となり生活が始まる。あまり緊張することもなくリラックスして読了出来た。
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無実の罪でとらえられた男二人。
鉄壁の監獄から脱獄することはできるのか。
脱獄を決意するまでの物語が彼らに関わる囚人たちのそれぞれの人生を絡めて深みを見せる。
どうやって、どんな方法で。読みながら心臓がどきどきを止めない。
世をはかなみその身を恨み拗ねて人生をあきらめていた一人の弓削の心に火をつけていった三人の男たち。
彼らとの出会いが前代未聞の脱獄計画を成功へと導いた。
ド派手な手ではない。地味で面白みがない計画だからこそやられた側の悔しさが目に見えるようだ。
監獄からの脱獄、という特殊な物語ではあるけれど、これはいろんな組織の中で理不尽な仕打ちにあったりまっとうな評価を受けられないその身にうつうつとしているすべての人への応援歌でもある。
「ショーシャンクの空に」を見たときの、あのすがすがしさのようだった。
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地味な脱獄計画ですが、周りをよく見ている弓削らしさのつまった計画だと思いました。
弓削が脱獄計画の決心をするシーン、燻っていた炎が燃え上がるようで良かったです。
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BL作家 和泉先生初の一般文芸。
タイトル通り、脱獄物。
冤罪で収監されている弓削は新しく収監されてきた羽嶋に組紐の作業を教える。彼も冤罪だったことを知る。同じ囚人で粗野なので苦手な山岸がある日看守の暴力で亡くなったり、帝大卒の自分を忌み嫌う典獄からの嫌がらせや、今後も手足となって自分を使おうとしていることに気づき、脱獄を決める。
まさかの冤罪で捕まって収監され、その濡れ衣ははれないと知り、ある意味囚人らしく過ごしていた弓削が、脱獄なんて無理だろうと想像すらしていなかったところから少しずつ脱獄へ気持ちが傾いていく様が、それぞれのエピソードを紡いで心境の変化を丁寧に書いてあり、引き込まれました。
師匠と崇める相内の存在、羽嶋の無垢さ、看守や典獄の横暴さなど、いろんな要素が相まって脱獄を決める。典獄が単純だからか、弓削の思惑通りに動いてくれて(そのように謀ったのだけど)。そして天候。脱獄できてよかった!
脱獄の場面は、緊張感漂う描写で、息をつかせぬスリルがあり、面白かったです。どうやって脱獄するかは読者として知りたいわけで。
改行が多くて、一文1行に近い感じでそれもあって読み易く感じました。文章も柔らかかったし。
始まりが女性の視点だったので、ちょっと違和感を持ったまま読み始めたのだけれど、結果として、その子が自殺を図るまでの心境がその後の弓削の冤罪に至る部分と関連があって、弓削がその子の事を思い出す時、読んでいるこちらも想像しやすかった。
脱獄後、北海道の開拓団に紛れ込んだのは良いと思うけど、戸籍とか今後どうするのかな?と、脱獄した以上、冤罪を晴らすどころか、ほんとに罪人になっちゃうわけで、それはそれで良いのか?がちょっと気になるところではあります。
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京都帝大を卒業した数学大好きな主人公弓削は奈良の女学校で数学を教えていた。
そんなある日、教え子が亡くなり冤罪で監獄入りしてしまう。
舞台は、レンガ造りの美しい奈良監獄。
監獄に収監されて2年、これもまた冤罪で収監され終身刑をくらった羽嶋にであってから、じわじわと脱獄の思いがつのり、脱獄を企てる。
はたして主人公たちの脱獄は成功するのか。
という物語です。
まず、脱獄を小説で読むのは多分初めてじゃないかなと思うくらい、心当たりは正直ないので比較のしようがないなと思いつつも、脱獄ものってこういうものなの?と思ったのは本音です。良いとか悪いとかいうよりも、文章で読むとこんなもの?と思うくらいに。
ただ、読んでいてところどころ『ショーシャンクの空』の囚人の生活ってこういう感じだったよなと思ったり、いろいろな映画やアメリカドラマは思い浮かぶほどなので、大正を舞台にした脱獄小説と思えば、情景が浮かびやすいので良い作品なのかな?とは思いました。
この作品の微妙だなと思ったところは、囚人同士の関係性や脱獄への思いの盛り上がり方というか、回収しなくてよかったのか?と思うようなところなどちらほらと「人間が作ったんだから穴もありますよね、本作の監獄みたいに」という感じがあるのと、いろいろと軽いというか、薄いという感じがあり、もうちょっと踏み込んでも良いのではないかと思うところが私にはありました。
逆に、そこが味だと言われると、そうかもしれないと思えるところなので、これは私の好みの問題かもしれません。
しかし、そういうところもありつつも、脱獄に向けての派手さみたいなものは正直なかったですが、知能的だし、現実的だなと思いましたし、実際に脱獄を本当に上手くするのはこういうやり方かもしれないなと納得できるところは多かったと思います。
そんな本作からは、人間って、積もり積もるというのもあるかもしれませんど、思い込んだたら突然なところってあるようなぁと思いました。
ネタバレではないですが、そんな理由で脱獄を企てるのか?と思うかもしれません。
でも、行動ってある日突然、思い立ってやってしまうっていうことも私は多いと思うし、ある種の人間らしさというのが本作品には詰まっているように思いました。
あとは、この味付けに合うのかどうかかなと思います。
読みやすいし、情景は伝わりやすいです。軽い、味は薄目が良いという方、ブロマンスに抵抗がなければ、向くんじゃないかなと思いました。
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大正時代に冤罪で、日本初の西洋式監獄である奈良の監獄に収監された主人公弓削。
まあタイトル通り彼が脱獄を試みるわけですが。そこに至るまでの心理的な葛藤がメイン・・のお話なんでしょうか?なんかこう、話のポイントみたいなものが散らかってしまっている印象でした。彼を冤罪たらしめた女学生の死の真相とか羽嶋との奇妙な友情みたいなものとか当時の監獄がどういうものであったかという背景だとかそのほかにもいろんな要素が散りばめられてる割にはどれも特に突き詰められることなく終わってしまったような。作者さんはなにを書きたかったんだろうか?やっぱ最終的な着地点を見るに羽嶋さんとの、というところなんでしょうかね?
話のスピード感はよかっただけにちょっと残念。
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今年(2023年)5月にサッカーの試合を鴻ノ池競技場に見に行った時に後ろに見えた建物が気になって帰宅後に調べたら元の奈良監獄だった。で、その繋がりでこの本を見つけ読んでみる。非常に読み易くてすんなり読める。そしていよいよ大詰め、脱獄が図られる。なかなか面白かった。でも、根本的な問題はどうなった・・・。そこはがっかり。ちなみにこの監獄跡、2026年に星野リゾートがホテルと史料館をオープン予定らしい。生きてれば行きたい
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冤罪で投獄されている孤独な弓削が、無垢な羽嶋や、師匠の相内、なぜか絡んでくる山岸、コンプレックスを抱えて嫌がらせをしてくる長谷川典獄との人間関係の中で、人を信じることや熱い気持ちを奮い立たせる過程がじっくり描かれていた。
脱獄を計画するまで、計画し実行するまでの心情が丁寧に書かれていて、弓削の硬く冷たく閉ざされた心が、少しずつ羽嶋や相内との交流でほぐされて、さらに、いつか見た祖母の情念の焔が弓削の心にも宿るまで(脱獄を決意するまで)の心情の変化が大きく、読みながら自分の心も熱くなったのを感じた。
最後、冤罪のきっかけとなった女生徒への心の向け方まで変わっていて、読み手の心も変えられたのはびっくりした。
一番のみどころは羽嶋とのバディ感で、脱獄するシーンはハラハラした。
脱獄した後は、大正時代の背景もあり、身元を証明する方法は曖昧だっただろうし、北海道でうまくやっていって欲しいな、と願う。
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脱獄バディもののエンターテイメントかなと思ったけれど、それだけではなく、主人公の内面の変化が、過去を見つめ自分を振り返りそして未来に進むまでを見守るような感じだった。とても読みやすくて一気に楽しく読んだ。
すべてが解決されるわけではないけれど、彼の気持ちが伝わってきたのか、とても清々しい気持ちで本を閉じた。
奈良監獄、行きたくなったんだけどホテルになるのね。小学生や中学生のとき行ったりしたのかな記憶にないのだけれど…行きたかったな。ホテルになったら行ってみたいな。
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時は大正時代、裕福な家庭に育った寧子は、良妻賢母を育てる名門校の橘樹高等女学校の3年生だった。
寧子は、若い数学教師に心を高鳴らせるが、教師は指導以外には全生徒に対して距離を置いていた。
ある日寧子は何の理由も告げず、校庭の片隅にあった樹に縄をかけて自死してしまう。
数学教師の弓削朋久は寧子殺しの容疑で逮捕され、冤罪を主張するのだが懲役20年の判決が下り、奈良監獄に収監される。
弓削は1日でも早く娑婆に出る日を迎えようと、感情を抑えて刑期を務めることに留意する。
そこに殺人と放火の罪で無期懲役ながら、朗らかな元印刷工の羽嶋が収監されてくる。
実は羽嶋も冤罪で収監されたのだと知ってからは、徐々に気持ちが通じ合うようになる。
監獄内では友達を敢えて作らなかった弓削ではあるが、収監されて以来、高齢者の相内とは親しくしていた。
その相内は、奈良監獄は人が作ったものである限り、きっと脱獄は可能であると主張する。
そして何気に弓削に脱獄を果たして欲しい気持ちを伝える。
奈良監獄からの脱獄など不可能と弓削は考えるのだが、羽嶋の影響もあって脱獄の計画を練るようになってゆく。
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どこで見つけたのやら……
人気BL作家が描く…表紙も何やらそれっぽい?とにかく初めてです。ってそんなに構える必要はなかった。普通の内容です。
冤罪により奈良監獄に収監された数学教師の弓削と同じく冤罪で収監された羽嶋、ようはこのふたりが脱獄を企てて、実際に実行するという話です。時は大正時代です。
監獄での過ごし方、日常、目立った事件も、変わったことも起こらない。
そんな中でそんなに緻密に計画されたものでもなく(と思える)そんな苦労するわけでもなく(と思える)あっさり(と思える)脱獄してしまうのです。へっ?という感じ。
その後ふたりは新天地で楽しく暮らすのでした。このあたりBL感ありかも。
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奈良監獄に収監されている弓削と羽嶋。
お互い2人とも冤罪である事を知り、数学教師で数字の強さを持つ弓削と、瞬間記憶を持つ羽嶋が手を取り合い脱獄を計画する。
実際の旧奈良監獄が閉庁した後の見学会に参加した事があり、気になって手に取った本。
当時撮っていた写真を見ながら読み進めるととても楽しい。
真面目さ故に自分が大胆な事はできないと全てに諦めていた弓削だが、同じ囚人の山岸や相内に背中を押され、計画を練っていく、自分を信じてくれる羽嶋のために。
そして自分も羽嶋なら信じられる。
お互いの信用が大きな力になる。