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これは楽しい本。浮世絵に描かれた金魚、猫、犬、鷹などに焦点をあてて紹介。ぱっとみには見過ごしてしまっていた動物たち。はては像や虎など主役で描かれているのもあり。
表紙は「風流娘手遊」歌川国安 文化8~11年(1811-1814) 江戸の三大ペットは猫、犬、金魚だとあった。金魚は夏になると行商人が売り歩いた。その金魚の行商人の浮世絵も紹介されていた。「見立て夏景色」(歌川国芳)で歌舞伎役者が金魚売に扮している。
紹介されている動物は、
生活の中の動物として、猫、犬、金魚、舶来の鳥(鸚鵡インコ、九官鳥)、雄鶏、駝鳥。これらは人間がこれらをかわいがったり観賞したりと、動物は小さい。
以下のは動物が主役。動物が大きく描かれている。
働く動物たちとして、牛、猿回し、軍馬、
空想の動物たちとして、妖狐、(地震を起こした)鯰、河童、蟇蛙、大蛇と熊、妖鼠、獅子、竜宮城(タコ、コイなど海の動物集合)、大鯉、亀、野禽(ムササビ)、鵺(ぬえ)などなど
擬人な動物たちとして、猫、兎、鶏、兎、馬、猪。「芸競猫の戯」四代歌川国政 明治5年(1872) 猫たち25匹くらいが着物を着て座敷遊びをしている。
舶来の動物たち 犬、5点あるがポインターとか見るからに舶来。横浜の異人が飼っているという図。万延元年あたり。ほか、駱駝、豹、像。
あと「浅草境寺境内ニテフランス大曲馬」三代歌川広重 明治4年 なんていうのもありました。題名通りの興行があったとあります。
「北斎の動物たち」として「北斎漫画」から多数紹介
2023.8.10初版第1刷 図書館
ほかに「お化け図鑑」「英雄豪傑図鑑」もあるようだ。