紙の本
あったかい
2023/09/18 04:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
全部が繋がって、温かい気持ちになりました。
こんなお店があれば、私もボランティアしたいなぁと思います。
人生、悪い事ばかりじゃ無いって思えます。
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亡き夫との思い出をきっかけに主人公、松井波子が開いた「クロード子ども食堂」の゙1日が描かれている。
ボランティアスタッフの大学生や近所の主婦、食堂に訪れる親子や老人。ひとりで食べに来る子。食堂のオーナーや波子の息子。
色んな人との繋がりが描かれていて、その繋がりによっての心の変化や登場人物の思いが優しく心に伝わって来ました。
最後の登場人物はサプライズ登場みたいで、波子も嬉しかっただろうし、読み手のこちらも嬉しい気持ちと安堵の気持ちになりました。
子ども食堂
今、必要な取組みなのだろうと思います。
でも、いつか「そういえば、子どもは無料でご飯が食べられる子ども食堂って言うのが以前あったね~。」と話せるくらい、普段の食事が安定して食べられる世の中になって欲しいと思いました。
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「子ども食堂」が舞台の物語。
食堂の発起人の松井波子は、夫を交通事故で亡くし、その夫の生前の思いから子ども食堂を始める。
「クロード子ども食堂」のある1日の物語。
子ども食堂を利用する子は、貧困だったり、シングル親だったり、少なからず何かの理由がある。
子どもが一人で食事をする姿は、切なく感じてしまうけれど、現実、そういう子は多いのだと思う。
子ども食堂ならではの運営の難しさや、子ども・親への接し方が描かれていて、運営する方の思いがより伝わってきた。
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夫の死をきっかけに子ども食堂を始めた波子さん。
子どもたち必要なのは「とにもかくにもごはん」
月に2回。子供は無料、大人は300円で出来立てのバランスの取れたごはんが食べられるだけでどれだけ救われるだろう。
連作短編でサクサク読めた。
その分情感が薄く若干淡泊。
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こども食堂を舞台に、1日の時間経過と共にこども食堂に関わる人々のこれまでの人生、日常を丁寧に描いている作品であった。
共通して言えることは、皆それぞれ後悔を抱えながらも、その後悔を晴らすかのように行動しているのと。
こどもの貧困問題という社会問題にもフォーカスを当てながら、様々な人がこども食堂を通して前向きに動いている点に共感を覚えた。
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子ども食堂についての認識を新たにした。社会に必要なものなのだな。章立てがお洒落だ。登場人物が関わり合い、前向きに話が進む。とにもかくにもごはんがあれば何とかなるのではと思ってしまう。ラストは予想されたが、巧い!
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小野寺史宜さんの最近の作品。
読み終えて、「あっ、この作品は実質一日の内4時間ぐらいを描いた作品だった」のだ!と少し驚いてしまいました(目次を見ていない?)。作品に登場する人々の回想を含めると七年ぐらいのスパンでしょうか?
「子ども食堂」の運営者、利用者である子供たち、親、そして関連する人たち。それぞれの立場で各章が繋がれていきます。同じ一日の数時間の話なのに、それぞれの目線では何年間もの時が輻輳していきます。
「子ども食堂」を利用する人たちの様々な事情、そして運営する側の心情。色々と考えさせられます。
ストーリーは少し心が温まるよう陽な締めくくり。でも、現実はもっと難しいのではないか?と思ってしまうのでした。
小野寺さんの作品は人を見るめが暖かいですね。
<ここまでが感想です。後はバカなオヤジの極めて個人的な意見です。>
「子ども食堂」をモチーフにした作品は色々と出ていますね。それだけ子供の食育が日本の社会問題として顕在化しているという事でしょう。
実際には厳しい現実があるのは事実だと思います。個人の意思や生き方が尊重されつつある、それは良い方向に向かっていると思います。しかし自分勝手と自己実現・自己主張が曖昧になる。一人一人の個性や能力は平等に扱い尊重するべきです。しかし平等と言いながら社会は自分勝手な基準によってどんどん人間を選別する。すると当然のことながら貧富の差は助長されていく。
良いところだけ強調し、年齢、男女、個々人の様々な能力等々はそれぞれに評価され尊重されるべきでしょう。区別は必要なのだけれど差別はダメだというのは当然のことです。
本当の意味で多様性の時代だと思っています。しかし、社会全体でどこかで何らかの基準を作ってふるいにかける。
そういった社会の中で最終的に一番被害を被っているのは子供たちだと思っています。自分の意思があるかないか?そんなことは関係なく、たとえ意思があったとしてもどうにもなりません。自分が苦しい状況にあるという自覚すら抱く事が難しい。
人間社会の根本問題を解決できるわけではないけれど、そういう社会事情の中で「子ども食堂」というのは意義があると思います。
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こども食堂を始めた女性とボランティアスタッフ、利用者や周囲の人々が織り成す群像劇。フィクション的な終わり方ではあるものの、こども食堂を必要としている子の救いになりました風のありがちなまとめ方ではなく、淡々と進行していくのが良い。波子の考え方はとても素敵で見習いたい。牧斗の母親も側から見ていると眉を顰めがちな言動をしているが、彼女なりに息子を想っていることも伺え、人間は一面だけで判断できないと改めて気づかされた。日常の延長に当たり前のようにこども食堂が溶け込む地域が増えていきますように。
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登場人物の頭の中に浮かんだ単語や短い言葉を羅列しているような特徴的な文章だなと思ったら、著者が小野寺さんで納得した。
他作品も読んだことがあるが、この方のお話しは人情味に溢れていて、読み終えると暖かい気持ちになる。
たまたま、最近こども食堂について耳にすることが多かったので、運営する側の工夫や苦労を知れて、頭が下がる思いに。
波子さんがこども食堂をやろうと思ったきっかけになるエピソードが印象深いので、最後の章はとても感慨深く、美しい幕引きだった。
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子ども食堂を題材にした本。かなりきれぎれに読んでしまったからうまく感情移入しきれなかった。案外、子ども食堂を始める、関わる理由ってこんな感じなのかも。
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ほっこりとするお話。子ども食堂で起こる出来事やそこでも人の関わりが静かに描かれていた。
片親や貧困など今社会で問題になっていることはでてくるが、総じて悲壮感はなくどこか暖かい気持ちになった。登場人物が人間味に溢れていて、いい意味でフィクションと感じない小説だった。
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子ども食堂は自分の生活に馴染み薄いのですが、気になってる存在でした。
自分はボランティア活動等に興味はあるけど、参加したことはない人間です。
営利でない活動なのに、たぶん私は何かを求めてしまうから合わないだろうと思っていました。
作中の人物、久恵さんが「ありがとうとかごちそうさまとか、せめて何か一言、言ってくれればねぇ」と言います。まさにこういうこと!と思いました。
そんな久恵さんに波子さんが言います。
「わたしね、子ども食堂を始める前に考えたんですよ。子どもにありがとうを言われたい、みたいになるのはよそうって。笑顔は見たいけど、ありがとうまでは臨むまいって。」
「(ありがとうと)言われたらうれしいです。でも期待はしないです。言われたいって言う気持ちは、いつの間にか言わせたいに変わっちゃいそうだから」
「きてくれてありがとう。それでいいんですよ。嬉しいじゃないですか、きてくれたら。お母さんに連れられてじゃなく、一人で来てくれる子だっているんですよ、行きたいと思ってくれたと言うことは、ここを認めてくれたと言うことですよ」
ありがとうを「言われたい」じゃなくて「言わせたい」って思っちゃうなぁって思いました。
でも、報われないって思ってしまったら、たしかにボランティアじゃないよなと。
何かしてあげてると思わずに、自分が人の力になりたいからやるんだろうと思いました。
ボランティアをされてる方って、すごい。
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ハラハラものが続くとほのぼの系を読みたくなる
その時に小野寺さんの本をよく読む。
日常に転がっていそうな事、人の感情などを
わかりやすく書いてあるものが多い。
そうなんだよね…と同感しながら楽しんでます。
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他の方の感想を見て読んでみたくなりました。
こども食堂に集まる人達の心を覗き込ませてもらっているような気持になりました。
同じ場所にいる人達が起きた出来事にそれぞれの正論があり、捉え方の違いになるほどなと感心しながら読み進めました。
人ってやっぱり分からないものなんだと改めて思い、でも人の中にある良さを引き出せるのも人なんだなとも。
中でも一人の小学生の母親に対する思いがあまりにも健気で。
子供だけではなく、大人も、お年寄りも、皆の居場所である子供食堂の物語です。
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ずっと気になっていた小野寺さん。
書店で見つけて手に取りました。
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小さな子ども食堂で、
かつての想いが実を結ぶ!
お腹が空いたら
いつでもおいで。
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少しのすれ違いや、ほころびをそのままにしていたら、
気づいたら目の前の人はいなくなっていた。
亡き夫との思い出をきっかけに、
松井波子は「クロード子ども食堂」を開く。
様々な家庭環境の人達が、
温かい手作りのごはんを食べる。
ただそれだけなのに。
作り手や主催側の大変さ、
代表として動く波子の決意や潔さ。
大人だって、子どもだって、
大変な時はある。
大事にしたいのに余裕がなくてできなかったり。
それを後悔したときには、もう遅かったり。
それでも、それでも。
大きな事件もトラブルも起きないけれど、
心のざわざわした部分を落ち着かせて、
現実的になれるというか、
現実のなかでどう向き合うか、
つなげていくかを考えさせてくれた一冊でした。
豆腐ハンバーグは私も食べたい。笑
と書いていたら、お腹が空いてきました。
誰かが作ってくれるあったかいご飯て良いですよね。