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刀城言耶シリーズ第8長編。こわいこわい。こわい話だった…。
いつもながら、怪異とロジックをうまく組み合わせているなと思う。話の展開がえらく遅いな、犯行動機にえらくこだわるな、今回は緻密なロジックはあまり語られないのかな、最後はいつもの二転三転する推理に突入するのだろうなと思いながら読んでいたら…。これはこわいよ。そしてそこに行くまでの道のりがこれまでのどの長編とも違う感じだった。ついでに偲ちゃんの扱いも違ってたな。
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一見、シリーズ中では地味な謎。しかし、最終盤に怒涛のどんでん返し。ホラー要素も満点で、楽しめた。
ホラー要素を残しすぎるとミステリーとして成り立たなく、シリーズの中でもそういう作品はあるが、本作はその辺りのバランスが絶妙。
地方特有の悲しい業を事件の背景に感じる。
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今回も子どもに対して容赦ない地方の奇っ怪な儀礼、「忌名の儀礼」の李千子の体験に第一章から震える。人生の災厄を忌避するための儀礼でありながら、こっちの方が危険極まりないじゃないかw
ヒヤリが半端ないホラーとミステリーの組み立てを存分に堪能した後は、いつにも増して残された事件の謎が大きく、推理が推理のままで終わっちゃったなと油断していたら終章でドカンと真相の爆弾が投下されてやられた~!怖くてしょうがなかった第三章の終わりの伏線がここにきて炸裂しようとは…。
「マジかぁ…」と何度も呟いてしまう読後だった。
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戦後間もない関西地方の村で起きた奇妙な殺人事件をテーマにした物語だが、特殊な読み方の語句が頻出する.尼耳(あまがみ)家、銀鏡(しろみ)家、虫絰(むしくびり)村、河皎(かわしろ)家等々.この村では7歳、14歳、21歳の子供に忌名(いな)の儀礼を執り行う風習があり、尼耳季千子(いちこ)が14歳の儀礼中に仮死状態になったことが話の発端となる.作家の刀城言耶がその事件の真相を探るべく村に出向くが、季千子と結婚を考えている発条福太も同行する.言耶が当所の警察と情報交換して真相を探る場面が楽しめた.さらに季千子の父 太市の隠し子 市糸郎が儀礼中に殺害され問題が複雑になっていく.19名の関係者が尼耳家の座敷に集って真相を議論する第15章が圧巻だ.犯人は意外な人物だったが、次々に新しい事実が出てくる展開は把握するのが大変だった.