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驚きました
2024/02/26 00:15
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく特異な世界を書いてらっしゃいます、この作品。あまり、周りには日本人と黒人とのハーフの人がいないので、余計、そのように感じたのかも知れません。ただ、過激なシーンを作者の筆力ですが、さらりと…。
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何を伝えたいのかよくわからなかった。
虚しさなのか、悲しみなのか
怒りなのか、憤りなのか…
表現がくどくて難しすぎたけど
でも、最後まで
読ませてしまう力みたいなものは感じた。
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安堂ホセさんの作品を読んでいたら、藤沢周さんの初期作品に感じた、文章から溢れ出るような衝動的暴力表現を思い出しました
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居心地の悪い空間に無理矢理入れられた時の感覚が鋭く刺さる本だった。心地よいものは常に人を退廃させるのだが,本作はちょうど真反対にある感じがする。
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読んでいて文章が心地よいかと言われると難しい。感情を削いだ詩的な文が続く。良い経験だった。迷彩色の男は誰か?
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著者の前作「ジャクソンひとり」のときのような読んでいる間の爽快感はないが、世界を知らない自分にとって、新しい世界を垣間見れたような気分。
クルージングスポットで、男たちが互いに品定めし、気に入れば個室でセックスする。
そんな場所があるのだろうか。
それが異性の組み合わせだったら卑猥と思うのに、男同士だとあまり卑猥に思わない私の感性はいかがなものか。
主人公は肌の色が黒く、いぶきも同じく黒い。2人が一緒にいると、目をひくだろうと思う。なぜ日本人の一部の人はブラックという言葉を使うのだろう。彼らの方が目鼻立ちもはっきりしており、手脚も長く、外見的に優れていると思うのだが。
主人公は職場では「NPC」と言われている。職場の者たちが彼がクルージングスポットで遊び、包丁を購入して…という私生活を知ったら、もう「NPC」と呼べないだろうと勝手に想像し、気持ちが良くなった。
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自分は性的マイノリティの差別主義ではないと思っていても、誰しも心の奥底に大なり小なり色々な事に差別や偏見が隠れている。そんな自分を自覚して、認める。昭和の私はアップデートしていかないと、無自覚に人を傷つけているかも。
乾いた文章だけど、お店の雰囲気や主人公のバレないかという焦燥感、ラストの現場が鮮やかに伝わってきた。
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前作も今作も芥川賞候補。今回もブラック ミックスの肌を持ち ホモセクシャルな青年が遭遇する猟奇的な事件とその顛末。読む人を限定しているような作品。 日本人の女性でノンケの私には作者の言いたいことの 十分の1もわかってあげられないのかもしれない。
でも本が好きで、あらゆる本に興味を持っている読書人なら、彼の世界の(日本人生まれでブラックミックスの肌を持つホモセクシャルな青年の)視点や、湾曲したヘイトクライム)のニュアンスを知るには良い機会となる作品だと思う。R指定のような内容だが、淡々とした筆致に救われる。
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モノクロの文章から暗闇に色彩が浮かび上がるようだった。セクシュアルマイノリティを題材にした小説はいくつか読んできたが、そのどれとも似つかないインパクトだった。
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170回芥川賞候補作
安藤ホセさんの『迷彩色の男』
ブラックミックス、ホモセクシャル、そしてヘイトクライムの事、自分がそうではないからと言って、理解出来ない事は無いと感じさせてくれる、更にそんな人々の事も理解して欲しいと訴えてくる作品だったと思います。
共感は出来ないけど、理解する事は出来る。
そもそも、我が国日本は、弥次さん喜多さんの物語、東海道中膝栗毛の頃より性に対して大らかな国民性なのだから・・・
などとも思ってしまいました。
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赤と青のコントラストを主題として表現力や文体は優れていると感じるが、物語としては純粋に面白さに欠けている。
登場人物たちに共感できないし、共感する余地もない。人種差別、性的差別に対してのアンチテーゼだと思うがノンケが読むと置いてきぼりにされる。
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性におけるマイノリティであること、人種におけるアイデンティティの揺らぎなど複合的な要素がセルフスティグマとなり、こんがらがっているのか。文体が読みにくく、何か引っ掛かってしまう所はあるが、現代的な語彙力で固い文体にアクセントを効かせ読ませる力がある。作中描写される
色彩とむせかえるような匂いの中、物語に引き込まれ、現実を忘れた。読後の後味は決して良いものではないが、しばらくは残っていく痣を残したのは確かだ。
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強烈な作品である。トラウマのように記憶に残りそうだ。ホモセクシャルで日本人と黒人のミックスである“私”は、ゲイが集まって乱交する店で、“私”の恋人であるいぶき(日本人と黒人のミックス)と楽しんでいる。いぶきは店で客に襲われ瀕死となる。なかなか表に出せないシチュエーションであり、“私”がクローズドな世界でいぶきの復讐をするのが、暗くて湿っぽくて臭くてドロドロしている。作者の詩のような文体は綺麗なのだが、世界観を色でたとえるなら汚れた黒である。世の中の闇を描いた感じは芥川賞候補にふさわしい。
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分かり合えない、性的マイノリティの人たちの
葛藤だったり、実情を社会は中々認めてくれない。その環境で、生きていく人たちの思いを濃く
作品に表現していると思います。
安堂ホセさんは、「ジャクソンひとり」で文藝賞を
受賞されていて、本作で、第168回芥川賞の候補にもなりました。今回の「迷彩色の男」も第170回芥川賞の候補になっていて、注目されています。
いわゆる、ホモセクシャルの人たちが主軸というのか、物語に色濃く出てきます。社会から感じる差別に揉まれながら生きていく人たちの淡々とした、生き様を描いています。
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前作もだったけど読解が難しく何度もページを遡った。自分の読解力では難しかった。でもつまらない、自分には合わないとはならず、わかるまでもう一度読んでみようと思わせる作品だった。細部は難しくでも物語全体の雰囲気がいいのだ。