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なかなか面白かった。色んな作品の恐怖を感じるポイントがピックアップしてあって、アレコレ摘み食いしながら楽しく読み進められた。自分の事となると、死と死体を切り離して考えちゃう節があるって言うのは妙に納得した。
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大学の講義でおじいちゃん先生が喋る余談、みたいな感じの本。
科学的な分析を期待する人には向かないと思う。私は面白く読めた。「恐怖の正体」というタイトルはちょっと内容にそぐわないとは思う。
著者は精神科医ということだが、小説、詩、映画などに詳しく、それらの作品、あるいは実際の事件を次々と引用して恐怖について考察する形式。
紹介されているのが知らない作品ばかりで、非常に興味深く読めた。
私は何に恐怖を感じるだろう?何故恐怖を感じるのだろう?とか、考え出すと楽しい。
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精神科医が医学というより多くの書籍から引用した人それぞれの恐怖の対象を分類し語る。背筋の寒くなる部分が多いのが刺激的でいつもとは一風変わった読書が楽しめる。
筆者は甲殻類恐怖症だという。本書を読むと自分は集合体恐怖症のようで、考えただけでゾクゾクする。
映画、小説から多くの引用があり筆者の博識の高さが本書を奥深い物としている。新書ならではの知的な遊戯が魅力。
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ホラー物に目がないので興味津々で読んでみた。なるほどと思う部分もあり、ところどころ印象深いエピソードもある。猿を擦る話や光の吸収率がものすごい黒絵の具はゾゾっと来て良い。紹介されているホラー映画も参考になった。ただ、恐怖について体系的に何か掴めるといった内容ではなく、恐怖をテーマにしたエッセイを読んでいるような読後感ではあった。
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【購入動機】
ホラーものの映画や小説が好きで、「怖い」という感情そのものに興味があったため。
【ざっくり概要】
「作者さんが考える怖いモノ」について、なぜその対象に対して恐怖を抱くのかが言及されている。ちなみに科学的なアプローチはないため、難しい内容はない。
【よかった点】
わかるわかる!それ怖いよね…と、作者さんの感覚に共感できる内容があるとなんとなくうれしい。笑
例えば、ゴキブリの大群に対してほとんどの人が嫌悪感を抱くと思うけど、「なぜそういった感情をいだくのか?」まじめに考えたことがある人なんていないと思う。そういった点に作者さんがめっちゃ真剣に考えてくれているので、興味深く読むことができた。
【イマイチな点】
結局作者さんの感想を読むだけなので、はじめのうちは新鮮に読めたけど、それもだんだん飽きてくる。もう一歩、こちらの予想を越えるような内容があるとよかった。
【どんな人にオススメできるか】
やっぱりホラーものが好きな人は「怖い」に興味があると思うので、そういった人にオススメできるかも。
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予想最高気温29℃ですって
どうなっとんねん!
もう夏やん!インザサマーやん!ボンジョールノやん!
今年も30℃超えたらホラー小説を読もうと思ってるんですね
宮部みゆきさんや京極夏彦さんの続きとか小野不由美さんとかね
去年けっこう読みましたからね
今年はもうスティーブン・キングとか行っちゃおうかとも思ってます
すごいねスティーブン・キング、スティーブン・キングって書いた時点でもう怖いもの
ひと文字も読んでないのにもう怖いもの
そして今年こそはホラー小説完全克服を目指しますよ!
まずそのためには「恐怖」とはなんなのかを知るところから始めなければいけません
孔子も言ってます「カレーは一晩寝かしたほうが美味しいよ」って
そしてホラー小説の克服について再定義しておきましょう
それは決して「恐怖を感じなくなること」ではありません
恐怖をいかにエンターテイメントに昇華させることができるかってところです
ホラー小説を読んだ日の夜はトイレに行けなくなってるようではとてもエンターテイメントとは言えませんよ!(バンッ)
というわけで本書『恐怖の正体』です
「恐怖」と「娯楽」の関係性にも多分に触れていて非常にためになりましたよ
ただね…肝心の『恐怖の正体』ですが…よく分かりませんでしたw
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恐怖について、小説や映画、産婦人科を経て精神科医になった著者の臨床経験などを踏まえ、幅広く論じてくれる。映画にしろ小説にしろ知らないものも多く、この作品は観てみたい、読んでみたいというものもあって刺激的だった。印象に残るのは、映画「人間魚雷回天」をめぐる父とのエピソード。著者はこの作品を子どもの頃、お父上とみて心底怖かったと思うが、父は平気な顔をしていたという。その謎解きが、本書の末尾で語られる。恐怖のような感情の体験は、自身の経験と密接につながる者なのかもしれない、と思ったね。俺が心底怖いと思うものは、なんだろう。
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思ってた内容と少し違ったけど「恐怖」とは何かが作者の主観に沿って小説や映画などを参照しながら考察されていておもしろかった。論文みたいな感じ。
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ホラー作品とは、恐怖そのものではなく恐怖のカニカマなのだ。しかし自分の恐怖のツボが分かると、人生や社会の何を恐れているかが見えてくるのかもしれないね。
色んなホラー作品が例として紹介されているので片っ端からチェックしていきたい
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自分はビビリである。
世の中に、好んでジェットコースターに乗ったり、ホラー映画を喜んでみる人がいるというのが信じがたい。
そういうわけで、「恐怖の正体」に何らかの回答が得られるのではとの期待をして本書を読んだ。
この本では、恐怖を以下の三要素によって説明する。
・危機感
・不条理感
・精神的視野狭窄
しかし、単純には語り切れないらしい。
例えば「恐怖症」の人たちにとっては、実際には直面していないにも関わらず恐怖を感じる。
むしろ、漠然とした不安を、わかりやすいものによって形を与え、そこに恐怖を感じるメカニズムがあるらしい。
恐怖の最中にある人が、どんな風に時間を意識するかが語られるあたりまでは、ほお、そういうことがあるのか、と専門家のご意見拝聴モードで読み進める。
著者は最初から、ご自身の恐怖への嗜癖のようなものを、いくぶん自虐的なトーンで言及している。
だから、覚悟はしていたが、だんだん本書では筆者自身の恐怖体験や、映画・小説その他の中に含まれる恐怖エピソードをなぞり、腑分けしていく。
これがビビリたる自分には、なかなか苦痛を伴う。
これまで意識していなかったものに、改めて恐怖を感じるようになってしまうかもしれない、と真剣に思った。
ただ、なぜ人が恐怖に惹かれるのかについては、少しわかった気にはなれた。
死のような、「絶対的な無」への関心。
しかし、その領域に入ったら、戻ってこられない。
こうしたジレンマから、人は死に魅惑され、かつ恐怖するということらしい。
恐怖に隣接するグロテスクなものについても、本書は取り上げていく。
目を背けたいおぞましさに、くぎ付けになる。
それと同じ世界に生きる不条理に耐えられない気持ちになる。
しかも、なぜか時にそれは滑稽な感じさえ引き起こす。
これがグロテスクの要件だそうだ。
なるほど、不条理感は恐怖の要件に通じている。
滑稽さにつながってしまうというのは、理詰めには考えられないことだが、感覚的には分かる。
なるほど、「エロ・グロ・ナンセンス」と括られたわけだ。
恐怖を覚えさせるものをこれでもか、と挙げていく本ではあるが、最後の最後に対処法を示してある。
本を途中で投げ出さずにいて、よかった。
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恐怖症や娯楽としての恐怖、死など、いろいろな恐怖の対象が精神科医によって考察されている。
バラエティに富んでいるものの、けっこう主観的な感想も含まれているなと思った。