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紙の本

著者の代表的研究の一つ。係り結び研究の集大成

2009/03/20 11:21

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

推理小説を読むような面白さと興奮を感じながら読んだ、橋本進吉の「 古代国語の音韻に就いて」いらいの感動、感激である。多くの謎が解き明かされている。何となくもやもやしていた思いが吹き払われたような感じがする。
 係り結びは、古典文法の重要要素であり、高校の古典の授業でも重点的に教わる事項である。しかしながら、強調の手法であるとのみ教わり、その構成や種類の相違点や、どのようにして成立しまた消滅したのか、までの説明はない。大学入試や定期試験のために、とりあえずどんな形の係り結びがあるかを覚えておくだけであった。不満が残っている。ここで、これだけ論理的体系的に、各時代ごとの多数の事例をもとに詳細に説明されると、素人にもかなりのところまで理解できる。本書を読み終えた時点では、ほとんどを忘れているだろうとしても。
 著者の研究上の独創は第一に、まず係助詞を疑問詞を承けるか承けないかで二系統に分離し、つぎに本来文の主部にあって題目提示に関わったか、文の述部にあって陳述の変容を示したかという視点によって、二類に区分する、二行二列の表(マトリクス)分類にある。実際は、さらに区分けがあり二行四列の表(マトリクス)になっている。(340ページの図)
 文の終止が連体形、已然形、自由、に分類したうえで、各終止形ごとに対応する助詞の共通点と相違点についての事例を提示して解説する。「ハ、モ」の対比の説明に続き、「コソ」と已然形で表現されていた意味内容が、万葉集前期から平安時代にかけてどのように変遷してきたかを、解説する。本来は、文の主部にあって題目を提示した「ハ、モ、コソ、(シ)」の説明の後、本来述部の末尾で働く終助詞であったものが倒置によって文中に移った「ナモ・ナム、ゾ、ヤ、カ」の働きの違い、強調の働きが出てきて消滅してまた文末にもどった歴史的過程、も解説される。そのようにして、係り結びの全体構造を明かにしようとする。
 現代語の「は」と「が」の違いにも示されるように、日本語が主語と述語ではなく、既知と未知の項目の提示の仕方になっていことや、膠着言語である日本語の構成というものと、係り結びの成立と消滅とが根源的な関係にあると、示唆されている。
 著者の代表的研究の一つであろう。集大成ともいえる。

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