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久しぶりに先が気になって眠れなくなる作品に出会いました!
***ネタばれ***
そういうことだったのか・・・
渡辺さんは「お父さん」ではなく、「おじさん」だったんだね。
不幸にも赤ちゃんの取り違いが起こってしまい、本来なら本当の姪である沙耶が、両親から虐待をうけている、まして殺害されるかもしれないなんて知ったら、誘拐してでも助けようって気持ちになる。私にも姪がいるので、賢二郎に同情する自分がいました。
そして最後のページの賢二郎の思いにぐっときました。
「生きられると思えた」
「自分の愛する者たちの幸福を願い、祈り続ける、ただそれだけのために」
私もこどもはなく、オババカな毎日を過ごしていますが、大好きな姪の幸せを毎日祈っているので。
それだけで自分が生きている価値があるのだと、思わせてくれた作品でした。
面白かったーっっっ!
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読み終わってつい「面白かった!」と声が出た本
読みながら「あーそういうことね、てかこんな早くタネ明かししちゃう?あ、やっぱ違う?」を繰り返し繰り返し、結局何なん?!と最後まであっという間に読んでしまった
橋口さんには幸せになってほしい、できればそういう後日談が読みたい
あと本当のことを知ったお姉さん家族や沙耶の両親がどうなったか、刑事さん達がどう思ったのか、その辺のことも書いてもう1冊本出してくれないかなめっちゃ読みたい
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Amazonの紹介より
12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下の交流から、ふと彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?
誘拐されることが良い事なのか悪い事なのか、背景や状況を知るにつれて、複雑な気持ちになりました。
子供のために救おうとする誘拐する犯人は許すべきではないのですが、子供のためを思うと、こうしなければならなかったのかなと複雑に思ってしまいます。
最後の章以外は、沙耶パートと警察のパートの2つの視点を交互に展開していきます。ちなみに最後の章は、犯人の視点です。
展開としては、あまり話が広がらない印象がありました。犯人や誘拐など、ある程度の情報が段々とわかってくるため、枝分かれせずに、みんな同じ方向を向いている感覚がありました。
なので、なかなかそこから考察する部分が限定されている感があって、あまり考えなくても良いかなと思いました。
沙耶パートでは、特に誘拐されたというシリアス感はなく、ちょい恐怖はあるものの、ほのぼの感があって、このまま生活した方がいいんじゃないの⁉︎と思うくらいでした。
警察パートでは、身勝手な親に翻弄されながらも、捜査する姿は、お疲れ様ですと言わずにはいられませんでした。
なんといっても、この作品の要となるのが、「犯人は誰なのか?」です。父親なのか?それとも違うのか?
そして、誘拐の結末は?
最後で明かされる正体に驚きはありました。最後の章は犯人視点なので、今までの経緯が明らかになり、一応伏線を張っていたのですが、最後になって怒涛のように次々と真相を語っていくので、ちょっとズルい感じはしました。
しかし、犯人のそれまでに至った苦悩と身勝手な大人達に翻弄される姿に胸が苦しかったです。ただ、その先の展開に感動が待ち受けています。みんな幸せになってほしいと思わずにはいられませんでした。
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12月の北海道。中学2年の少女・有乃沙耶(ありのさや)は、下校途中で児童相談所の職員を名乗る「渡辺」という男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。男はなぜか沙耶に優しく、両親から虐待を受けていた沙耶は、実は彼が「本当の父親」なのではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?
二人の交流、誘拐の顛末、男の真意などが気になってどんどん読めた。誘拐されているのに、そこでの生活は温かくて、二人がこのまま幸せに暮らしていければいいのにと祈っている自分がいた。沙耶が渡辺からクリスマスプレゼントとしてふわふわの白いマフラーをもらったシーンでは、渡辺の愛情と沙耶の思いに涙が止まらなかった。不器用すぎる贖罪が齎した結末にはそれでも確かな救いがありました。
「これからもずっと、きみのことを祈っている」
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大変難しいテーマの著書だった。児童虐待を受けている女児を誘拐し、その後の展開は無是の心の誘拐犯なのか?心の内に大きな問題を抱えているのか?最終章でそれが明かされる。読者にはその後の余韻を残して終わる。素晴らしかった。
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中学2年生の有乃沙耶さんが誘拐された。
沙耶の家は貧しく、両親は沙耶を虐待していた。
誘拐されたのにもかかわらず、その匿われている家の居心地が良すぎて、危機感がない。
料理は美味しいし、部屋は暖かいし、
自分の家とは比べ物にならないほど、良い。
警察の捜査でわかったことがたくさんある。
虐待を続けていた両親は沙耶に多額の保険をかけていた。殺そうとしている。
この誘拐事件で、娘が死亡した状態で発見されたら多額のお金が手に入ることを突きつけられ、微笑んでしまう両親。
恐ろしい。
娘の死を望んでいる怖さ。
沙耶と、誘拐犯の渡辺さんの関係はどうなっていくのか?
ドキドキしながら読んだ。
包丁を使わないグラタンの、褒め方がとても嬉しくて、温かい気持ちになった。
食べ物がどれも美味しそう。飯テロ。
クロワッサンなんか、もう本当にバターの香りが漂ってきたから!
エピローグが衝撃だった。
呼吸が止まった。
なんとなんと。
姪の名前は、郁(かおる)。
沙耶の苗字と似ている取り違い。
全て納得できた。
ラストページの
「これからもずっと、わたしのことを祈ってくれるって言った」
ここで号泣。
めちゃめちゃいい話だった。
学校図書館◎
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前作『ナイフを胸に抱きしめて』のラストで心を鷲掴みにされたが、本作もエピローグで心を持っていかれた。
両親から虐待を受けて来た中学2年の沙耶が誘拐される場面から物語は動き出す。
足に鎖を付けられ監禁される沙耶。
だが、ここから「渡辺」と名乗る誘拐犯との奇妙な交流が始まる。
とても極悪人とは思えない、むしろ温かみを感じる渡辺の正体とその目的は?
二人が少しずつ心を寄せていく様子が微笑ましく、この平穏な日々が長く続く事を願った。
エピローグで明かされる真実は途轍もなく残酷でありながら、人を想う愛情の深さに胸が一杯になる。
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犯人と被害者はどんな関係なのか??
本当にこんな親もいるのかな?
と思いながら読み進みました。最終章で「なるほどそういうことだったのか」と納得です。
それでも最後は皆が幸せになりそうこんな予感が感じられホッとしました。
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もう少し、ストレートに表現できたらって、最後になって思う。
親ガチャって言葉、好きではないけど、こんな本を読むとね、、、、
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面白い。面白すぎる。予備知識なしでたまたま手に取った本がこんなに面白いなんて、一足早い年末ジャンボに当たったような気分じゃん。正直、著者のこともまったく知らなくて、なぜこの本を選んだのかも今となってはわからないのだけれど、そんな僕が思うに、こんなことを言っては大変失礼だけれど、この本、タイトルとカバー絵のせいでずいぶん損をしていると思います。だってちょっと、まるで優しさの押し売りしてくるタイプの小説みたいな顔してませんか?ひねくれ者の僕みたいなやつが思わず敬遠してしまいそうな顔してるんですよね。
でも、とにかく引き込まれました。外側からの視点と内側からの視点の対比が面白かったし、人質と犯人であるはずの2人の会話のユーモラスさが面白かった。ストーリー設定からしてどうしても「流浪の月」を思い出してしまうけれど、真相の落としどころがまったく違っていた。これには胸を打たれました。この本、絶対面白いですよ?絶対読んだほうがいいと思う。
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号泣…というほどではなかったかな~、と思いました。
こんな優しい誘拐犯って何?っていう思いで読み進め、予想しない結末ではありました。
私自身、幼い子どもが2人いるのですが『取り違い』はあってほしくないな、気をつけてはいても何かのトラブルであってしまうのかな、と少し悲しくなりました。
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少女を誘拐した誘拐犯と少女の五日間を巡る物語。
なんとも悲しい。読者である私自身も誘拐犯である渡辺が少女の父親であればいいと思った。
一気に読破できる作品。
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あまりに優しすぎる誘拐犯。
たった数日間の共同生活の中で
優しさの裏に愛が見え隠れする。
なるほど、そういうことだったのか。
過去の過ちにこの誘拐犯は苦しんでいたけれど、そのおかげで誰も気づかず、
本来なら救われなかったであろう立場の子どもが救われた。
登場する毒親には辟易したが、
誘拐犯、そして彼を取り巻く人々の優しさと愛がこの物語を美しく優しくまとめ上げている。
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中学2年の少女・沙耶は、日常的に両親から虐待を受けていた。
自分の殺害を両親が計画してしていることを知った彼女は、児童相談所にも電話で相談していたのだが、訪問せずにいたある日、学校帰りに相談員だと名乗る渡辺に保護するからと車に乗せられて…。
渡辺に連れて行かれ、監禁された家での生活は、恐怖を感じたのは最初だけで、居心地の良い暖かな部屋とバランスのとれた食事に彼が誘拐犯だとは思えなくて、本当の父親ではないかとさえ感じていた。
渡辺が、何故こんな誘拐をするのか…何が目的なのか…。
彼の正体がわかったときに驚愕の真相が待ち受けていた。
ことばをなくす…とは、このことなのか。
暫し、茫然としてしまった。
運命とは、とても残酷である。
だが、彼によってひとりの少女が救われたことに違いはない。
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久しぶりに一気読みした。
誘拐されたはずなのに、何故か自分に優しい誘拐犯。本当の誘拐の目的は、何なのか?身代金?それとも、、、、。
子どもにとっての世界は、家庭と学校がすべて、そしてそれらの選択肢は子ども自身にはない。
感想とは関係ないが、ストーリーの中に出てくる料理がとてもおいしそうだった。