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「私の愛するブッタイ」が子どもを今育て生かすのに必死な私には刺さった。気持ち悪いし、一歩間違えたらこうなってしまうかもしれない様子が恐ろしくて。
デビュー作からほとんど全て読んでるけど変わらないなー。読めばすぐ山田詠美の作品だってわかる感じが
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ポリコレとPC(ポリコレ)は時々相容れない。
だからこそ、文学には意味がある。
わかりやすいくらいにそんなことをわからせてくれる短編集だと思った。
ぐちゃぐちゃとした情愛というか、歪んだ愛というか、愛故に歪むというか、そんな話もけっこう収録されていて、
また、PC(ポリコレ)に対して疑問を投げかける話や表題作のように、時代を通した性に対する感覚の違いを投げかける作品もあり、と
いろいろな面から人間を描くからこそ、いろいろ考えられる短編集だった。
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短編集。表題作はじめ性にまつわる問題や昨今のポリコレ事情との相性の悪さを語る短編があるかと思いきや、想像力を膨らませてくれるエロ短編もある。
私はエロの方が好きで、面白おかしく読ませてもらった。
『陰茎天国』は女性たちだけの村にびっしりと生えている陰茎の姿を想像すると、それだけで楽しい。しかも女性たちは自分のお気に入りの陰茎を見つけるため、いろいろな陰茎を試し、これと決めたら陰茎を自分好みにアレンジしたりしているのだ。映像化したらとんでもないだろうな。笑
男が村を訪ねた時点で結末は見えてくるが、一捻りあって面白かった。
『F××K PC』はもう分かったよというぐらいポリコレ全盛期である社会に対してのやりづらさが書かれている。私も同意する部分は多い。何だか気持ち悪い世の中だよね。本編と関係ないが、以前職場で「女性の管理職は増えた方が良いと思いますか」という意味の分からないアンケートがあった。性に関わりなく優秀な人が管理職になるべきと思うが、一体これに周りの人は何て答えていたのだろう。
著者の本を久しぶりに読んだ。相変わらずの面白さ、微エロさに嬉しくなった。
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「肌馬」この言葉も初めて知った。種馬なら知っていたけど。子馬を産むために繁養されてる牝馬。種馬の対義語。
なるほどね。
けっこうブラックな短編集だった。
できれば第一章の「わいせつなおねえさまたちへ」のその後の坊っちゃんの人生(小説では大学院生まで)も読みたかったわ。
ラストの章の「時には母にない子のように」自伝と思われる。
あの愛すべき(ポンちゃんシリーズを読んでると)ご両親が立て続けに亡くなられていたということ。
そして仲が良かった夫婦にも色々あったということが伺い知れる短編だった。
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面目躍如とはこのこと。様々な形の愛がエログロを極めて描かれどれもすこし歪んでいる。これを歪みと言ってしまっていいのかをすこしためらうのが21世紀。何度も言うけどこの人ほど差別やバイアスについて真に理解してるのは日本で他にいない。だから山田詠美はポリコレ無視でいいんだよ、だいたい本人が受けてきた仕打ちを振り返ってみてよ。両親について書かれた短編を読んでああこのひとは根っからお嬢なんだなと思った。一生好きです
https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344041912/
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山田詠美さんが描く人間はずるくともいやらしくとも、気高く品があって自分の本物を知っているのだ。あとがきに共感。これからも人間の事情を丁寧に描いて欲しいな。戦慄したりクスッとしたり、自分と重ねたり。最後のお話が好き。
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赤裸々且つ滑稽な十三篇収録。あとがきを読むことで、一篇一篇に深さを為す。ねっとりした嫌らしさを感じさせない筆致が心憎い。
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タイトルからしてインモラルな感じが漂っている短編集。
自分の予想を軽く超える卑猥さに動揺した。
特に『○○天国』という題名が衝撃的で思わず二度見してしまったほど。
だけど不思議と嫌な感じはしない。
明け透けな物語を隠れて読むのも悪くない。
ああでも『ぼくねんじん』は結構好きだったな。
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肌馬という言葉を知らなかったので、気になり読む。
女性が抱える現代の問題のような小説は他にも読んだけど、この小説はぶっ飛んだ世界観もあって、笑えるところも多くて楽しかった。その一方で現実的な部分もあり、抉り出されて苦しくなる。
現代の世間の常識やモラルについて、うっすらと感じていたことをはっきりと言葉にしてくれた。
うわ!こんな設定、世界観、大丈夫!?というような話も山田詠美だから良いのかな。
陰茎天国は世界が面白かった。女だけの世界の話は他にもあるけど、これは想像するだけで面白い。そして気持ち悪い…。
ジョン&ジェーンは残酷で切ない。
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大きな声では聞こえすぎて、小さな声では聞こえない。
誰かに共有したいけれど、誰にでも共有したいわけじゃない。
世の中の普通と、自分の中の普通。
***
読み進めていくうちに「これは山田詠美のエッセイなのでは」と錯覚させる(あとがきが余計にそうさせる)。
あとがきにもある通り、ずっとこの調子ではなく箸休めになるような物語も挟まれているので、重苦しい雰囲気のまま読み進める…ということはなかった。途中途中自身が触れたことのないカルチャー(一定昔の音楽や映画)については調べながら読み進めた。
ずっと手元には残さない本かもしれないけれど、山田詠美の本を手に取るたびこの本のことは思い出すだろう。
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「たたみ、たたまれ」はすっかり騙されました。冒頭の14歳で体が小さな私を疑いもなく受け入れてしまいました。最後には14歳で体が小さな私がシンパーを超えて、ワンダーでした。
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とてもスキャンダラスな作家という
イメージなので
読むのに勇気がいるけど
作品は現実社会を捉えていて
人物描写も細かい
人間の感情やセックスに対する
考え方も
時代とともに変化していることを
感じる
山田詠美も時代を観ながら
描いているんだろうか