投稿元:
レビューを見る
1923年9月1日 午前11時58分、関東大震災発生。
その数ヶ月後に、旧制第一高等学校生達が書いた作文を編集した一冊。
旧仮名遣いの修正や注釈のおかげで読みやすい。
また、地震発生時の人々の動揺や流言に惑う心情なども、生々しく書かれていて面白い。
人の感情は時代が流れても大きく変化はしない。
貴重な資料を、大変な苦労をして再版してもらえた事を嬉しく思う。
投稿元:
レビューを見る
関東大震災発生の半年後に当時の一高生が書いた震災体験記。さすがエリート達が書いた文章だけあって、どれも文章が上手だし視点の置き方、自らの体験の描き方が秀逸で今読んでも震災の記録として良い資料ですね。
大災害の時の人の姿にいろんなことを考えさせられる点もあり。
原本は国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能ですが、やはり紙の本の形で手に取れるのはありがたい。本分フォントも大きくとってあって読みやすいと思います。
投稿元:
レビューを見る
期待よりずっと面白かった。人の凄惨な大震災において、「一高生」という極めて同質的に見える若者らが、各々異なる感を抱いて著すというのは本当に、意外だが当たり前のことだった。
今では関東大震災のように箪笥を持って出ることが常識とは思われないが、果たして本当に震災があったらどうなるだろう。まさに旧下谷区に住んでいる身としては火災旋風も他人事ではない。しみじみ、揺れるその時と、その夜をどうするか、何度も何度も考えさせられる本だった。