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私は佐藤究さんの著書『テスカトリポカ』に魅了されファンになった一人です。
新作に心躍らせていたのはもちろんなのですが、また題材が難しそうだなとビビっていました。
書店で1ページ目を読んだ時に、ああこれは没頭できる本だと確信し購入。二日間で読み終えてしまいました。
国のこと、戦闘機のことに触れることもなく全く気にせず生きてきたのですがF-35AとF-35Bの違いを知ることになりました。
タキシングはこれからニヤニヤして色んな人に説明してしまうかもしれません。
参考文献の多さもそうですが、著者の勤勉さ、描写の緻密さには感動すら覚えました。
この感想を読んでも何にも調べないまま是非たくさんの人読んでほしい作品でした!最高!!
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佐藤究の斬新な世界観には毎度驚かされるが、本作もどう展開するのか読めないストーリーにページを捲る手が止まらなかった。
何となくアジアの無法地帯を描くのが得意な感じがするが、きな臭い世界と異常な天才性を持つキャラとの相性がいいのがその理由だろうか。
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「テスカトリポカ」の次作。
三島由紀夫をモチーフに書いた(書かされた?)とのことで、「豊潤の海」「太陽と鉄(「F104」)」などの三島の作品のオマージュにもなっているという。(主人公の名前も)
自衛隊のエリート戦闘機乗り崩れの遍歴譚だが、無常観というか揺蕩う(たゆとう)感じは確かに三島を想起させる。
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難解!
テーマは描ききったような感じですが、やはりよく分かっていないですね
三島由紀夫を知らないので重要な文脈をいくつも見落としているのだろうなと思ってしまう
太虚の蛇をキーワードだと思えば、ある程度話は組み上がるけどもあまりしっくりはきてないかな?
上司は普通に蛇に咬まれて死ぬのでは駄目だったのかな?
スピーディな展開は佐藤究作品という感じでしたね
本筋は示されつつも、展開自体は二転三転するので、先が気になって仕方ない。佐藤究作品で一気読みしたのは初かも?
タイに行っちゃうあたりのどうなっちゃうの~感は面白かった
あとエピローグは「テスカトリポカ」っぽい
またあとで考えてみよう!
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神秘と物理のウロボロス。音速を超えた世界に魅せられた一人の男の、その憧憬と執着。たどり着いたのは虚無の美。
そう、この狂気に満ちた愚直さを「美」と呼ばずに何と呼ぼう。
全ての始まりは空の青さだった。Gに惹かれFにたどり着いた。そして世界は砕け散る。
「なぜ」という問いをはねのけてねじ伏せる。「空が青かったから」それ以外に何もいらない。何かを追い求める強さと脆さ。その刹那の美に私たちは惹かれるのだろう。
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碧空をのぞむ透が、実際に滑空していくシーン。そして「幽玄」をめぐり老僧と邂逅する場面。肉体的な刹那が描写されつつも、心に残りつづけるかそけさがあった。
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不思議な話だった。
テスカトリポカのように舞台となる国を変えながら話は進むけれど血生臭い話は殆ど出てこず、変わり者だけれど自分の欲に正直かつ真っ直ぐな男の物語。
飽きることなく読み勧めたけれど単純に「面白い」とも言えない、そんな作品だった。
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佐藤氏著作は全て読み、テスカトリボカでは衝撃を受けました。今作も圧倒的な情報量ですが、前作に比べるとかなりフラット、飛ぶ話だけに風が吹いているかのように思えました。透、ずいぶん遠くまできましたね。蛇から解放され優雅に飛ぶ彼の姿が目に浮かびました。私も飛行機好き、透との飛翔を文字で体験できて胸が躍りました。日本、タイ、バングラデシュと、その地の熱が感じられたのも、先生の作風ならではです。そして、今作で先生のサイン会に参加できました。作品の緻密な印象とは正反対の、とても気さくでフランクな雰囲気。感想が直接伝えられて、記憶に残る作品になりました。
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「三島由紀夫×トップガン」
佐藤究作品はハズレがなく、今作もまた素晴らしかった。
文章表現による戦闘機の操縦描写は美しく、荘厳さすら感じ、戦闘機乗りの主観には驚くべきリアリティがあった。
しかし読後に抱いた感情は、よくわからない。無色透明な・・・なにか。
心に波立つざわめきはあったが、形を成さなかった。
しばらく放置して反芻すれば明瞭な形が浮かんでくるだろうかと2ヶ月ほど置いてみたが、変わらない。
そんな不思議な読書体験だった。
とはいえ、端的に面白かったので、ぜひ読んでみてください。そして、感想を教えてください。
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ストーリーとしてはスペクタクルで面白いと言えば面白いけど、オマージュされている三島由紀夫のいくつかの本を読んだことがある(かつ記憶している)かどうかで、楽しみ方が全然違ってくる類いだと思いました。
そして私は、、読んでない。ぜめて、主人公易永透のモデルである安永透が出てくる「豊饒の海」くらいは読んでからの方がいいかも。
展開される世界観や思想、込められた想いみたいなものをちゃんと理解・解釈するには相当な”読む力”が要りそう。いわゆる読み手を選ぶ作品、ですね。
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三島作品もあまり読んでないし、戦闘機にも全く興味はないんだけど、スルスルと一気読みし、不思議な感慨を味わう。
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テスカトリポカ以来の究さん作品。
何とも形容しがたい作品だったけれど、読後感が心地良い。
三島由紀夫の作品に明るければもっと楽しめたんだろうけれど、そうでなくても時間を忘れて没頭できた一冊。
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戦闘機に取り憑かれた男の物語
面白かった!
まず、タイトルの幽玄Fってどういう意味なんだろう
と不思議に思い、手に取りました。
三島由紀夫×『トップガン』ともいわれる本作、
三嶋由紀夫作品は残念ながらわからないので、
ふつーに新作として読みました。
タイ、バングラディシュを舞台に易永透のスピードに支配された人生を描く。
主人公の易永透は戦闘機しか興味のない男で、
人に興味ないのかな、感情があまり読めない人物でした。
テスカトリポカほどの衝撃はなかったものの、
戦闘機のマッハ描写は、さながらトップガンを思わせて、
戦闘機事情、国の内情、風土風習と、
十分に物語が作り込まれ、本当読んでよかったです。
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p146 行動には選択がともなっている
p148 三島由紀夫 行動学入門
p189 結局、人生は退屈か冒険家の二択だと思うね
p295 ふるまひをやさしく、幽玄に心をとめよ
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青いブックデザインが印象的ですね。
この著書を手にした時に、何故本書帯裏に『日本の戦後精神の支柱「三島由紀夫」に挑んだ』と書いているのかでした。
読了した今は、一筋縄では括りきれない深さを感じます。決してミリオタ小説ではありません。
雑学的に言うならば、戦後の日本が、米国の占領政策で失われた産業に関係があるのかと思いました。戦災で軍需産業はなくなり、復興時に造船の民営で世界一の造船国になり、鉄道輸送は国有で残りました。しかし航空機は自国で製造出来なくなり、旅客機等は米国に発注しています。国産旅客機が空を飛ぶなんて、ニュースになるほどの珍しい報道が現状です。かつて戦闘機の一流設計者は、国鉄に再就職して鉄道の開発者になり、「夢の超特急」を生み出した。著者は、それについて一切触れていないが、僕のニュアンスを汲み取ってください。
主人公易永透は、真言仏教のお寺に生まれた境遇で「ただ私は戦闘機という機械に乗りたかっただけで、その戦闘機の飛ぶ空が〈護国の空〉だったのです」と書いています。巻末の謝辞に、三島も超音速戦闘機の搭乗体験記「F104」もあり、それなら、透は「正直なところ、私には日の丸も国家も背負えません」と書いて、「自由に空を飛んだことなど、俺は一度もない」という記述は佐藤氏が戦後の三島の憂いを代弁しているかのように思いました。しかし透は、あくまで本当の青い空と地上では決して体感することが出来ない世界観「生と死」の狭間で、超音速で飛ぶ快感を知ってしまったから、少年の頃の夢を諦め切れなくて離陸はあっても着陸は考えなかったのだと…。
三島文学思想が美の描写ならば、何とも表現し難い佐藤究流に融合したのではないかと解釈すると、この小説は興味深い。
人間のバーディゴ(空間識失調・失神します)の限界は9Gだと言われています。音速飛行とは、音の速さを超えるということ。当然、超音速のパイロットは、搭乗している戦闘機の爆音は聞こえない。コックピットは静謐に包まれ無線の交信音のみ、視覚では絵具では再現できない青い空。操縦している者のみが体験できる世界観でしょうか。
読書は楽しい。(詳しくは著書を!)
ずいぶん端折って書いていて説明不足は否めないので、意味を理解し難い部分は著書をお読みになってください。
小説の解釈は人それぞれで、どなたの書評も参考にしていません。若干の引用はありますが、筋書きは書かなかった。
勿論著書には、最新鋭の音速戦闘機の性能の説明が多く散見されているが、佐藤究氏は、ミリオタ小説を書くほどの愚は侵していない。
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「本書帯より一部抜粋」
空と血と。
天才パイロットが戦闘機Fと共に辿る、数奇な運命とはーーー。
日本の戦後、そして世界の現在を問う。