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何を読まされたのだろう? としばらく呆然としてしまいますが、一気に読めて、突拍子もなく難解な、でもおすすめ本です。
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★5 人生丸ごと戦闘機に魅了された男… 変態的な価値観と真剣な愛情があまりにも怖く美しい #幽玄F
■きっと読みたくなるレビュー
空の青さをみると、心が落ち着きますよね~
河出の文藝夏号で掲載されていたし、爽やかな空を駆け抜けるような、純文よりの作品かなーと思ってました。
実際に読んでみると、文章や表現の美しさや構造美は純文学を感じさせつつも、戦闘機萌えな主人公と、想像だにできないストーリー展開が面白いドエンタメ小説でした。いやー、面白かった!
物心ついたときから飛行機に夢中な主人公。本書では彼の人生が丸ごと描かれてゆくのですが、実はなんとも物悲しい物語です。
何かを好きになること、夢中になることは、人に生きがいや希望をもたらしてくれます。彼も飛行機乗りになるため、並々ならぬ努力を重ね、夢を実現していく。それは晴れた青空のように美しい。
しかしその過程と現実の中、人との出会いや、時には挫折しながら自らの人生と飛行機を重ねてゆく。ただの飛行機乗りの話ではなく、人間であれば誰しも一度は悩む「何のために生まれてきたのか」という自己の存在証明に切り込んでいくのです。
それは決して大げさに描かれるのではなく、でも血の色よりも濃い赤色で目の前を広がっていく。飛行機オタクの変態的な価値観、真剣な愛情があまりにも怖い。
特に終盤クライマックスのスピード感とアクションシーンの筆致に、完全に心を奪われてしまいました。可憐すぎるのよ…こういう文字の連なりを体験できるのが読書の魅力なんですよね。素晴らしかったです。
■きっと共感できる書評
私はいつも強迫観念に囚われている。目立った強みや特技も能力もなく、社会に対して目立った成果を出せておらず、このままの人生で良いのかと悩むことも多々ある。
しかし個人の人生は長いように思えるけれど、世の中の時間は永遠に流れ続け、宇宙は無限に広がっている。そう考えると、革命めいたことをする必要はなく、実現できることでいいから、何かに貢献できるだけでも十分かもしれない。
何事もこころ持ち次第で、ふるまいを優しく、にこやかに生きていければいいなと思いました。
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『ANK』と同じように、読み出したら止まらないスピード感のある一作。
特にこの作品では、透が戦闘機に乗っているかのようなスピードで人生を歩むため、溝口やキドなどの登場人物が置いていかれているような感じがした。
ショフィクルの今後がたのしみ。
三島由紀夫の作品を読んでみようと思った。
好きな言葉
『空の青とは、すなわち死の補色』
---『豊穣の海』 読了後追記---
豊穣の海の登場人物やその転生した姿が登場していそうだ。
・明らかに易永透は安永透に関係しているが、転生した姿なのか。もし透が本物の転生者であった場合の姿なのか。
・最後に登場する日本人の僧侶は、盲目であることと年齢を考えると、安永透(本多透)本人なのかもしれない。
・松が枝清文は明らかに松枝清顕を意識しているだろうが、性格が全く違う気がする。
・溝口の下の名前が聡なのは、聡子に関係するのか??
・木戸に勲っぽさを感じる。
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これまでの著者の作品とは感じが違うような。
面白い!とはならなかったが、不思議な魅力のある本だった。
著者インタビューで執筆にいたる経緯を読んだが、ははぁ三島由紀夫…
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読解はともかく最後まで読み切ったことに安堵。
物語の意図が良くわからなず戸惑いながら、しかし三島由紀夫のオマージュならばわからないのも仕方がないかと中盤から開き直り(笑)、ところが3章で一気読み。不思議な読書体験だった。
主人公の生きざま、仏、蛇、戦闘機、近未来・・・不思議な世界が交錯する、それが小説となる。
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飛行機好きでパイロットになりたかった少年・易永透は、高校時代に同級生の溝口から三沢基地航空祭に誘われ、そこで見た戦闘機F-16CMに魅了される。その別名はバイパー=毒蛇。
純粋に戦闘機に乗りたかった透、その手段が日本には航空自衛隊しかなかった。そこで才能を開花させた透。極限の世界だからこそ、研ぎ澄まされる感覚、考え方、そして身近にある何かを畏れる感覚も。三島由紀夫や仏教の世界も絡み、物語がどこへ向かうのか、中盤は不安に。蛇は常にキーワードであり、象徴であり。最後まで純粋だった透、そんなラストでよかった。
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10月から佐藤究ウィークさながら3冊一気読みでした。
今作は三島由紀夫通であればもっと深く読み込め、感動も倍増だろうと思うのですが、なにしろ全くその辺りの知識無しで読んだ為本当に残念です…
が、さすが佐藤究!戦闘機と仏教の深みでこんな私でものめり込めました。
空中飛行の描写などは、スカイクロラ以来のカッコ良さ!
透は天才ゆえ共感は出来ませんが、そういった域に触れる甘美を味わえました。
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戦闘機バカの話として読めばいいとは思いつつ、真言宗僧侶の祖父との対話を通じた哲学的側面がストーリを不明確なものにしているようにも感じた。「Ank」や「テスカトリポカ」ほどの熱量・力量は感じられなかった。とはいえストーリテリングは流石で、最後まで面白く拝読させてもらった。
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飛行機に憧れ戦闘機のパイロットであることが存在意義のような透の人生。彼をこのような生き方に駆り立てたのは何だったのか。孔雀明王陀羅尼とか真言とか煙に巻かれたような説明はあるが、途中の挫折を振り切るような最後の戦闘機での飛翔、心に残る。
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「三島由紀夫をモチーフにした小説」とのことだったので、氏の小説は「金閣寺」しか読んだことのない僕には理解が難しい部分がたぶんにあるんだろうと覚悟の上で読んだ。
やはり消化不良の感が…。
文章は平易でスジは理解しやすい。
ロードノベルとしてとても楽しく読ませていただいた。
ただ、全体的に抑制的な語り口も相まって、最後まで読んで自分がたどり着いた所がどこなんだかわからない。
三島文学に馴染んだ人には響くものがあるんだと思う。そこがわからないのが残念。
この小説の主人公とおなじ読みの名前やすながとおるが登場する「豊饒の海」を読んでみたいと思った。
♫Letting Go(feat.Jenna G)/Goldie(2009)
← 刊行にあたりSpotifyに公開された、佐藤さんやデザインを手掛けた装丁家・川名潤さんらによるプレイリストから。
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空を思わせるカバー、青空を示していると分かり一層期待をもたせた。
最後のおちは?クエスチョン❓
この展開になるの、うーん、勿体ない。
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何が驚いたって三島由紀夫の担当編集者がまだ(少なくとも取材時には)生きていたって事だよ。
豊饒の海は学生時代に読んだが細かいことは忘れてしまった。
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雑誌掲載時に読んで、単行本は読んでないんだけど、単行本の方が人の目に触れそうなので、こちらにも書くよ。
「幽玄F」どんな話か知らずに読んでたら、主人公がファイターパイロットになり、おお、燃える、と思ったら、あっさり自衛隊を辞めてしまい、くすぶってると思ったら、ぶっ飛んだことをやり始め、そこからなんかファンタジーになってしまった感じでちょっと残念。
序盤は、佐藤究らしく?不穏な感じで良かったのになぁ。
私は三島由紀夫を読んだことがないので、三島由紀夫云々は分からない。
佐藤究作品がとても好きで、新作を1番楽しみにしてる作家だったんだけど…。
ふと、この人の作風、すごくマッチョだな??と今ごろ気がついて(遅いか。笑)、さらにTwitterでまさにインセルみたいな人が本作を超持ち上げてるのを見てしまい、すごく嫌な気持ちになった。
佐藤究の作風がマッチョでもミソジニーは感じないんだけど、インセルに好かれちゃうのかぁ。
ちょっと引いてしまったよ…。
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空に、飛ぶことに憧れ、取り憑かれた、一人の戦闘機パイロットの一生を綴った物語。
時系列順にたんたんと描かれる透の一生なのに、何故か飽きることもなく読む手が止まらない。
透目線で書かれているのに驚くほど透という人間がよくわからない。私の読み込みが甘いのだろうけど。ただただ、彼の中にあるのは飛ぶこと、しかも戦闘機で。
地上には彼の居場所はなく、透が最後に選んた選択は正しさは別にして、それしかなかったのかもしれない。
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これまでに読んだ佐藤究さんの作品と比べると、
サッパリとした印象。
それは、雲のない澄んだ青空を思わせる。
主人公の淡々とした性格、人間的な部分より機械の説明に多くを割く構成が静謐さを生み、空や風や死を感じさせる。
上空の冷気に包まれるようだった。
内容だけでなく、そういう書き分けができることが凄い。
・
美術教師は言った。「これが心理補色だよ。赤の残像でシアンが見える。きみたちの探しているのは、こういう青じゃないかな」
(中略)
空の青とは、すなわち死の補色だった。
・
個人的には同級生の溝口君のその後が気になる…。
後半に主人公と接点があったら良かったなぁ。
(いかにもな感じで作品をダメにしてしまいそうだけど…)