紙の本
源氏物語作者紫式部の一代記
2024/01/24 10:28
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏物語作者紫式部の一代記を物語る。作中では、小市という少女で登場するが、豊かではない学者の家庭で育ち、それなりに上級貴族との付き合いを経験しながら、成長していく。同世代を生きる女性たちとの出会いは、将来の宮廷での生活の予感が。彼女たちが、のちの清少納言であり、和泉式部である。主人公の思い描くような恋愛は、なかなか経験することはできず、「難のない人はいず、不条理や不公平を伴わない愛もない」と諭されれば、自然と、物語の中に理想の恋愛を求めていくようになったのかもしれない。
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藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市。人々の浮き沈みを見つめ、自らの生きる道を模索していく。紫式部の生の軌跡をたどる歴史大作。
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大河ドラマの副読本として読み始める。上巻では紫式部の少女時代から二十代後半までの人生が描かれる。
「源氏物語」をそもそも読んでないし紫式部についてはなんの予備知識もなく、勝手に煌びやかで華やかな王朝での公家の一員としての生活をイメージしていたので、思ったより地味な生き方(実際は分からないが)に少々驚いた。
そもそも藤原一族の名前や関係性を頭に入れるのが大変な上、小市(紫式部)の様々なエピソードが散りばめられているので、作品としてはなんとなく散漫な印象も残る。
下巻では小市の人生もいよいよ大きく動いてきそうなので楽しみにしたい。
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紫式部に加えて、清少納言、和泉式部、藤原道綱母、時代を同じくする女流作家の繋がりが描いかれていて、ぐっと身近に感じられるようになった気がしています。
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サブタイトルにあるとおり、紫式部の物語。上巻568ページ、下巻498ページという長編。
紫式部の名前は、この作品では小市。姉は大市、弟は薬師麿(元服後は惟規)。
7歳の小市が、5歳の弟とともに、乳母と17歳の叔母の周防に連れられて、墓参りに行くところから始まる。
そして、27歳になった小市が、越前守に任ぜられた父為時について越前へと旅立とうとしている、ここまでが上巻。
はじめのうちは、父為時の世代を中心に、おじやおばを通してさまざまな人間関係が描かれており、小市の生活環境や立場などがよくわかる。もちろん、天皇やその周囲、兼家をはじめとする中ノ関白家なども描かれつつ、小市の成長につれて小市の思いなども語られるようになっていく。
おもしろい。私は好き。古典でおなじみの作品や著者が登場し、目の前で息づいているのがうれしい。周防や大市の恋が切なく、清少納言がかっこいい。
登場人物が多く、そのほとんどが藤原姓なので、新しい名前が出てくるたびにメモするようにしている。読み進めるのに時間はかかるけど、じっくり楽しんでいる。
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紫式部の生涯を描いた物語です。
上巻では幼少期から父為時の越前守赴任に同行することになったところで終わっています。この時点で27歳ですって。
小説なので、和泉式部や清少納言が思わぬ形で登場したり、蜻蛉日記がベストセラーだったり、読者へのサービス精神が旺盛な内容でした(笑)
和泉式部についてはちょっとやり過ぎかなーと思うけど。
また、風俗や作法が私の知る平安時代とかけ離れていてはじめそれに違和感があったけど、だんだんそれは上流階級のほんの一部の風俗で、大部分の下級藤原一族の暮らしは本書のような感じなのかもなあと思えてきました。今放映している大河もね、そんな感じですものね。
正直ダラダラしていて期待したほど面白くはなかったのだけど、後半の方が結婚や出仕などトピックが盛り沢山なので下巻に期待です。。