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切なくて哀しい真っすぐな憧れ。痛みと共にある愛に、その佇まいに心を揺さぶられました。小説家となった二人の間を隔てるもの、通うことのない情念が30年の時を経てやっと届いたプレリュードの章、救われました。
日下明氏の装画がまた雰囲気にぴったりで素晴らしいです。
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初めましての作家さんでしたが一気読みでした。
相手の思っていることと、自分の思っていることとがかけ離れてしまって悲しいことになってしまったな、と感じました。
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先輩の冴理が後輩の天音の才能に打ちひしがれ、嫉妬し憎んでいたが……みたいな物語。冴理のパートで「ああこれ天音が冴理のことマジで尊敬して神だと思ってるのに上手く伝わらなくてすれ違っちゃった感じの話なんだろうな」とわかってしまい、天音のパートは答え合わせ感が強かった。一行ごとに段落が区切られている部分が多く、めっちゃ改行するな……と思った。感情描写などがすごく端的で、悪く言えばわかりやすすぎる言葉ばかり使っているなと感じた。「神に愛されていた」というタイトルが、天音の才能や容姿が神に愛されていたという意味かと思いきや、神(天音)に愛されていたのが冴理だった、というダブルミーニングになっていたのはよかった。そこがこの作品で一番好きなところかもしれない。
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文体が軽い感じだったので途中でやめちゃうかもと思いながら読んだけど、冴理が話し出すと一気読み。「神」はそうだったんだ。
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終始グロテスクでとても良い。
個人的に美しい物語で大好きだけど、こういう奴いるよな〜、、、、と萎える1面もあるよ
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誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことがあるか。
サスペンスと思って手に取りましたが、サスペンスとは違う。予想とは違うけど、すごく心に刺さる本でした。自分と相手を比べて落ち込んでしまうこと、もしかして自分は特別な才能があるのでは?と(大小あれ)勘違いしてしまうことは多分誰しもが経験あることではないかと思う。近くにいるのに思いがすれ違ってしまった二人。二人の想いと行動、小説にぶつけた気持ちをぜひ読んでほしい。
神に愛されていたというタイトルもすごく素敵。
自分にとっての神、そういう人を大切にするにはちゃんと言葉にして伝えていかなきゃいけないよなと考えさせられた。
小説は主人公の東山冴理と、主人公の後輩であり同じ小説家の白川天音どちらの視点からも描かれているので、この時こんなことを思ってたのか!と思わされた。やっぱり思ってることは声にしないと伝わらないなぁ。
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女性作家2人の羨望と嫉妬。冴理の回顧から始まり、最終章の天音の手記で一段階ぐっとおもしろくなった。
狂気を感じる執着。
もっときちんと向き合って想いを伝えていたら、神に愛されていたかもしれない。
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話の展開が常に予想できてしまうものの、作家(東山)と若き作家(白川)が見事にすれ違っていく歯痒さを覚え、一気に読了。
自分より若く才能もあり、本も売れているとなれば、こいつさえ居なくなれば…と考えるのは当然だと思う。しかし、東山は、白川に全てを奪われて憎しみを覚えながらも彼女の本を買い続け、その才能にひれ伏していた。単純に凄いと思う。私だったら嫌いな奴とはなるべく関わるまいとして避けて生きていくだろう。
白川の思考回路に、どうしてそうなるのかとツッコミたくなるところもあったが、実際、かねてからの憧れの人にやっと会えたときに平常心を保てるかと問われれば自信はない。
東山に小説を書いて欲しい、ただそれだけのために生きていたのに、逆に自分が原因で東山が書けなくなったと知った白川が哀れでしょうがない。
東山と小説を遠ざける者は何人たりとも葬り去るというスタンスを最期まで貫いた点に感服する。
白川のように生涯をかけて追いかけたい作家がいるというのは、羨ましい限りだ。
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たくさんの人がこの本を紹介しているけど、その紹介ほど狂気だったり過ち?の要素は感じなかった。
読めば読むほど続きが気になる作品。
読み終わる頃には主人公が愛おしく思えるような、暖かい内容だと思う。
神に愛されていたのは誰だったのか。
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帯に「女にだけわかる狂気」とあり、どろどろしたミステリーを期待してしまったが、すれ違う恋物語だった。
天音の崇拝とも言える執着は異常なものの、読みやすい文体のせいか狂気というよりも健全な方へ導いてあげたファンとして、しかし当の本人にはその愛は伝わらなくて、という切なさ。
天音のやっていることだけを考えると異常なのだが、それを"狂気"と呼ぶには違和感がある。別に狂ってる訳じゃなくて、神として執着してしまっているだけなのだから。
もっと闇が欲しかった。
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天才が秀才に抱く激重な愛情が最高すぎる。
後半の、前半へのアンサーが特に好きでした。
愛し方がわからなくて「こうだ!」って行動したら秀才のコンプレックスを刺激してしまって。
なのに自覚がない。
なにも伝わらない。
それで逆に秀才が引いてしまって、「あれれ?なんで?」ってなってる天才のサイコパスみにたまらなくなりました。才能に全振りしてしまったが故にその他が欠損しているかんじ、とても好きです。
授賞式で、緊張しすぎて素の自分になってしまって笑顔がつくれず塩対応になっちゃったのも不器用かわいい。自分がさりの一番になりたくて同じ作家になったのに、幸せを考えた結果、好きでもない男と結婚しちゃうところが本末転倒すぎて泣けてきました。
ぜんぶ裏目に出てて……。
それでもちゃんと、最後にはさりちゃんに想いは届いてたからよかったねとなりました。
対比の描き方が気持ちよかったです。
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小説に限らず、何かを創造して世に送り出す仕事をしている人は、こんな風に身を削りながら作品を創り上げているんだろうな。
『最終楽章』を読んだ時の衝撃が凄かった。
ぜひまた読み返したい。
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大きく二部構成になっているが、一部目のストーリー内に張られた伏線がすべて非常にわかりやすい。
そのため、答え合わせパートとなる二部目に新鮮味はなく、失速したままストーリーが終わる印象。
帯文負けしている。
普段全くミステリーを読まない人なら、それなりに楽しめるかもしれない。
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読み始めて数ページで、その世界観に惹き込まれ、一気に読んだ。
途中、「もしかして…?」と伏線と『雨』の正体に気付いたけれど、気付きながらも夢中でページをめくった。
あ、あの時のあれはそういうことか、ああ、これも…と切なくなる。捉え方次第でこうも変わってしまうのか。
全て読み終わった後で、それぞれの視点からまた読み返したくなった。
全て分かった上で改めてタイトルを見ると切なくて堪らない。
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初めて読む作家さん。
表紙の雰囲気に惹かれて借りてみた。
本を開いたら、文字間隔広め、会話多めの
すっきりしたデザインで、一日で読了。
ミステリーのカテゴリーに入れるには
その謎が分かりやすすぎたので、
これは二人の女性のすれ違いの物語かな。
うまくいっていればお互いを高め合い、認め合える
最高の関係を築けたかもしれないのに。。