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帯びには「著者初のノワール小説集」とうたわれていた。ノワールとは、仏語で「黒」のことらしい。原田さんにしては珍しく、淫靡であったり背徳的であったりオカルト的であったりする黒いイメージのお話が6編。
1時間ちょっとで読める本でした。残念ながら好みではありませんでした。
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秘密基地のようで、または官能的で、でも実際にありそうな禁断の書。最高でした。読んではいけないような気がしたけれど、思いっきり封印を解いて「黒い絵」のマハさんを堪能しました。6編全てにおいて、マハさんが四方八方にかっ飛ばしたボールを拾いに行くのが大変で、でも楽しくて面白くて夢中でした。楽園の破片とオフィーリアが特に好き。
・深海魚
ゾッとした。禁断の恋から始まった海の底という名の秘密基地からの、まさかの一変。感情って人をややこしくする。もちろん素敵な気持ちにもなるけれど。
・楽園の破片
ゴーギャンの作品の題名がこんな風に登場するとは...!!楽園とは決して手に入らないもの。楽園に似たもの、あるいはその破片を生涯大切にして、憧れ続ける運命だと。いいなぁ響子。と思った矢先、これまた最後の一文で、響子の今後がどうなったのかをたくさん考えさせられた。
・指
仏像を見たら、絶対このお話を思い出すだろうな...間違いなく。仏像の指と、先生の指がこうやっ話の内容として繋がることが凄い。最後のページでまたしても、予想してなかったことが起きて、マハさんにいい意味で振り回された!
・キアーラ
これぞアートのマハさん。ここには禁じられた遊びがふたつ出てくる。それを知った時には、もう想定外で....言葉を失いました。フランチェスコとキアーラを早く一緒にしてあげて....。
修復師の使命や心得を知れて勉強になった!
・オフィーリア
私たちが絵画を見る、ではなくて、絵画が私たちを見る。うーん、思わず唸ってしまう。そして私は芥川が昔から好きなので、もう文章ひとつひとつにうっとりしてしまう。地獄変を読もう。アートも小説も、永遠を生きるものであり、私もそんな中に誰かを閉じ込めて永遠の命を吹き込みたい
・向日葵奇譚
舞台で山埜祥哉という天才役者が、ひとりの人間としてのゴッホを演じる話。脚本家の主人公の塚本と、山埜が見たものは何だったのか...これからのふたりの関係が気になってしまう。
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評判とタイトルの通り、黒かった。
救われない深みの黒を感じた。
いろんなパターンかあったけど、オフィーリアは芥川龍之介作の地獄変を下敷きにしていると書かれていて、なるほどと思った。
人は芸術を突き詰めていくと完成させたいという欲に溺れてしまうものなのかもしれない。
原田マハさんの作品の別の一面を覗いた気がする。
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マハさん初のノワール小説!
最初から、なかなかの性描写が!!!
ほっこりマハさん好きな方は、とーっても驚かれると思います。
マハさんの『異邦人』が好きな人はハマるのでは?ちなみにわたしは、マハさんの『異邦人』が纏う妖艶な雰囲気が大好きなので、嫌悪感など抱かずにするすると読めちゃいました。
アート関連の『キアーラ』と『オフィーリア』がよかったかな。
やっぱりアート関連の方は、実際の絵とかエピソードとか調べちゃいますね。
おかげで読後は知識が増えて、お得な気持ちになります。
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※
絵画や彫刻などの芸術品に心を奪われ、
歪んだ欲望や身勝手な願望が暴走し破滅に
向かって進む物語。
美しい芸術の裏にのたうって蠢く闇、
黒いです。
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原田マハさんの多才ぶりには脱帽。アートへの愛と造詣の深さが伝わってきて、こちらもワクワクと芸術の世界に引き込まれた。さすがの文章力で、1話1話テイストも雰囲気も違っていて、チョコレートの詰め合わせ箱から一つ一つ丁寧に選んで味わっているような感覚も楽しかった。個人的には"指"
が好きだったなぁ。芸術とエロスって通ずるものがありそう。禁忌って人を惹きつけるよね。そんな禁忌が詰まった一冊であった。初原田マハさん、別の作品も読んでみたい。
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著者の本を初めて読んだ。アートを絡めて生々しい欲望を描いた暗く重たい内容で、中でも、「オフィーリア」は特に印象的だった。ノワール小説ということで覚悟して読み進めたが、短編集なのであっという間に読了しその後はそこまで暗い気持ちが引きずられなかったのが絶妙だった。
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原田マハさん初のノワール小説集。
今まで小説とは系統が異なり、かなり生々しかったが、一つの「芸術」「アート」と思えるような作品ではあった。
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原田マハさんの美術に関する言葉と、文学的か文章が大好き。
本書は、事前の下調べも内容も知らずに読み始めるが、おもしろい。エロティッシュでそして絵が頭に浮かぶ。楽しみ。
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かなり官能的な短編集。
好き嫌い、賛否、ありそう。
そのアートを知っていたら、好きなら、自分の感覚との差異に戸惑ったり。
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違う、とは知っていたけれど本当に今までの原田マハさんの作品とは全く違います
表があれば裏もあるし
光があるなら影も存在する
光の部分が多かったマハさんだから、それが好きな人には合わないかもしれない
私は新たな一面を知って、またマハさんの作品読みたいかも!と思えました
ゾクゾクしますね
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新たなマハさんの雰囲気が纏う作品集。
個人的には同郷の写真家土門拳さんがフィーチャーされてて嬉しかった。
写真をしてる人は自然と構図線の比率が身に付いている人は多いと思うのですが、土門拳記念館ではどこで写真を撮ってもカッコよく写真が撮れます。
配置、設計がすごい。
オフィーリアが良かった。芥川龍之介の「地獄変」をベースに創作されてあるとの事。
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著者初の「ノワール小説集」ね…
まぁ確かに内容はそうなんだけど、期待した感じではなかったな。
向日葵奇譚がいちばんマハさんらしかったかな。
いろんな物を書いてみたいのもわからなくは無いけど、マハさんにこういう作品は求めてないのよねーw
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私が読んだ事あるマハさんの作品とは異なる。短編集で、「思ってたのと違うな」と思いつつも、あっという間に読み終えました。
パッパッパと画面が切り替わる感じ。
それぞれ「ぱっつん」な終わり方なのですが嫌いではないです。
タイトルにある「黒い」感じはあるな。
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原田マハさん、初のノワール集と聞いて読むかどうか迷いましたがご縁あって読了。
禁断の書という紹介文の通り、出だしからかなりディープな秘め事に満ち溢れた6編でした。
あたたかほっこりなマハさん作品しか読んだことがなかったのでびっくりしましたが、個人的には読む手が止まらなくなりあっという間に読了できました。
ダーキーなんだけど、なんでだろう。読みやすくて後に引く感じじゃないんです。
読後感が不思議とさっぱりで、また時間を置いて読み返したくなる1冊です。