投稿元:
レビューを見る
SNSや婚活アプリ、見栄と嘘の描写が頻発に出てくるため、今どきの小説だなという感じをまず受ける。
予想を外す展開が続くので読んでいて楽しく、読後の感覚も気持ち良い。
善意で主人公を救おうとしてくれる携帯ショップの店長さんと、打算なしに手助けをしてくれる行為が理解できない主人公との対比が泣ける。
投稿元:
レビューを見る
犬好きとしては犬が可哀想な目に遭うことがなく(もともと可哀想な境遇の犬はいるが)安心して読めて安心…!犬を好きな登場人物が多く出てくるので、共感しながら読めました。
主人公はなんでこんなに嘘をつくの?と疑問や違和感のある方も多いと思うのだけど、両親や友人からの興味関心や愛情を得ようとして虚勢を張りがちな人なら、その気持ちは痛いほどわかるはず。…とは言っても、限度はあるけど…そのついてはいけない嘘とそうではない“話を盛る”程度の境界線をうろちょろしているのは誰か、考えながら読むとさらに面白い話でした。
投稿元:
レビューを見る
「犬を盗む」が楽しかったので、同じ作者の犬繋がり…?と読んでみた。全然別物てすが、こちらも犬好きには面白い本だと思います。
主人公は自己保身や見栄のためにウソばかりついている32歳の梨沙。SNS にセレブ偽装投稿をし、犬を飼っていると言ったもののもちろん写真撮れずに割りと得意な日常マンガを上げる。しかしそれが少しうけてフォロワーが五千に。本を出したいという編集者も来る。そのうち保身のために設定そっくりの犬を手に入れようと画策する。
主人公の梨沙にいいところが何一つなくて、共感できず、読むのが辛かったが、二章後半辺りからそれすらあまり気にならなくなって一気に読めました。
殺人シーンやグロい表現はないものの、死体の描写などあるので、小学校はむいてない。
投稿元:
レビューを見る
六本木のセレブ妻で保護犬と暮らしていると偽りSNSに漫画を投稿している自称インフルエンサーの梨沙。出版社からの書籍化のオファーが来たことから、噓がばれないように何とか犬を手に入れようと企む。常軌を逸した梨沙の行動にハラハラドキドキなのか呆れなのか何とも言えない複雑な気持ちになる。SNSはある程度誇張の世界なのだとは思うのだけれどもこんな感じなのかな。それでも最後は優しい温かい気持ちで読み終えることができた。面白かった。
投稿元:
レビューを見る
SNSで虚構のセレブ生活を発信している埼玉県在住の派遣社員リサが事件に巻き込まれるミステリー。
今どきの承認欲求の強い32歳独身女性が、嘘に嘘を重ねてドツボにハマっていく様がテンポよく描かれています。
SNSだけでなく実生活も嘘だらけで、性格が悪く友人もいない主人公。自己中心的で短絡的で、とんでもない行動で突っ走ります。
ちょっとイライラするやら呆れるやらでしたが、保護犬を迎え入れてから少しずつ変わっていけたのが救いだったかな。
「犬を盗む」と同じく、ワンコが健気でかわいくて、様々なことが絡み合って展開していく物語で面白かったです。
個人的に里親募集で出会ったワンコを飼っていたので、保護犬の譲渡の流れが似ていて色々と思い出しました。
犬の表情や仕草や賢さ、犬を飼う心得、犬と暮らして得られる幸福感などが描かれていて、著者はきっと犬好きの方なんだろうなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
元保護犬である飼い犬さくらとの日常をマンガにしてSNSに投稿しているセレブ妻。ある日出版社の編集者からマンガを書籍化したいと連絡があり、大金目当てに書籍化を承諾するが、セレブ妻と言うのは真っ赤な嘘。犬も実在しない。欲望を諦められない嘘だらけの主人公が大胆な行動を起こす…。
顔の見えないSNS、多少の作り話をしてしまうことはあるのかもしれない。ただここまで嘘で固められるのかといっそ感心するほど。今の時代、この設定は現実感ないとも言い切れないのが怖い。
嘘を取り繕おうとする主人公の行動が予期せぬ事件につながっていくとは。あっと言う間に読み切ってしまった。
そして、『犬を盗む』も読んだけれど、犬に対する描写が優しく感じられて、この作者さんは犬好きなんだろうなと思った。