投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
芦沢央さんの【汚れた手をそこで拭かない】読了。
【火のないところに煙は】に続き芦沢さん作品2冊目。短編5話、芦沢さんの文章も非常に読みやすかったです。
誰しもが経験した事のあるほんの僅かな「間違い」と日常的に潜む人の内側にある「毒」が絡み合い、日常が少しずつ歪んでいく所がものすごくリアリティがあって面白かった。後味の悪さが尾を引く傑作
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
2023年12月10日読了。
「世にも奇妙な物語」「ヒトコワ」みたいな印象。
とても読みやすく、人の汚れた部分に触れているような感覚。『埋め合わせ』が特にハラハラさせられて面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家……
きっかけはほんの些細な秘密だった。
保身や油断、猜疑心や傲慢。
内部から毒に蝕まれ、気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。
凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。
5話からなる短編集
とても読みやすく どの話もハラハラヒヤヒヤして 冷や汗が出てきそうな内容だった
とても上手く考えられてるなと思った
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ミステリーというより精神的ホラー!怖い!
人物の心理や場面の描写が秀逸で引き込まれる
気づいて引き返せる点を越えて戻れなくなる展開
「志村!後ろー!」みたいな気持ちで一気読み
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
汚してしまった手をすぐに洗える場所はあったのか‥すぐに洗わないと後が怖い‥そんなふうに感じさせる5つの話。埋め合わせの話が良かった。
綾瀬まるさんの解説も良かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
寝る前の読書時間に読む本ではなかった。
人間って怖い…。正直に生きよう。
プールのお話が1番ゾクゾク感があった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
誰にでも起こりうる、ふとしたきっかけで一気に転がり落ちてしまうような出来事。
そんな嫌ーな部分を凝縮した小説がこちらてす。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
第一話 ただ、運が悪かっただけ
「俺は昔、人を死なせたことがある」
末期癌で余命短い主人公の十和子は、夫の苦しみを引き受けることを提案する。夫は大工見習い時代、面倒な客に仕事で使用している大型の脚立を譲った。客の中西はそれから数年後、その脚立の故障により落下。頭を打って亡くなったのだ。
十和子は元来理屈っぽく賢い女性であった。自分に対してずっと優しく接してくれた夫の苦しみを癒すべく、頭を回転させてある推理を展開する。
事実はわからない。
ただ、読後感はとても優しかった。
死に頻してもなお愛する夫の苦しみを癒すべく、欠点とも捉えられてきた理屈っぽさをあえて利用する優しさ。
でも、もし、私の理屈くささが、この人の荷物を降ろすことに繋がったなら・・・。
夫の声がかすれ、そのまま嗚咽に変わる。
これはただの「最恐」ホラーではない。
夫婦の優しさの物語だ。
第2話 埋め合わせ
プールの水を半分抜いてしまった。さて、どうする?からスタートする壮大なごまかし計画。これでいけるだろうの誤算は飄々とした同期の五木田にバレたことだった。
『なるほど、その手があったか』
これは怖い……
5万円では足りなかった。人の失敗を利用して、競馬ですった13万円をプールの弁償代にすり替える。ごまかし計画に乗るふりをして……。
このホラーの怖いところは、主人公に感情移入しやすい構造になっていることだろう。実際にやったことがあるかは別として、自分の失敗をなんとかして誤魔化せないか思考を巡らせたことは誰にでもあるだろう。ごまかし計画を立ててその計画を検討してという段階を読者も無意識に体験している。そして、よしこれでいけると思った計画を他人に暴かれ加担してくれると知って一旦は安心しそれを最後に覆される。
その間の心情を、無意識に主人公と共有してしまう。読者一人一人が五木田にやられたという気持ちに陥ったに違いあるまい。
第3章 忘却
高齢者だらけの集合住宅。隣人の笹井が昼寝中のエアコンの故障で亡くなった。電気会社で働いていた経験を生かし、我が家の電化製品の故障を直してくれていた気持ちのいい隣人だった。
笹井が亡くなったあと、夫は妻が笹井に渡す予定だった誤配の電気料金督促状を見つける。認知症が入った妻が『何か忘れていることがなかったかしら』と呟くたびに誤魔化す夫。
しかし、自宅の電気代がえらく安くなったことで夫が異変に気づく。ちょうど、エアコン代くらいの金額だ。
盗電というと、身近なことなら仕事場で携帯電話の充電をすることくらいだ。隣家のコンセントに細工して、エアコンの電気を拝借するという発想は新しいと思ったが、特別妻の認知症が話のオチにつながってこないのは若干物足りなく感じた。私が気づかなかっただけで話の大切な筋に絡んでいたのだろうか……?
第4章 お蔵入り
いい映画が撮れた。しかし、放映前に役者が薬中であることが判明した。さて、どうする……?
テーマだけ聞けばコメディにも仕立て上げられそうなこの作品。恐ろしいほどにドロドロだ。
映画監督とプロデューサーは麻取に発見される前にヤクをやめるよう役者に要請。しかし、あろうことか薬は辞めないと開き直られる。カッとなりベランダから役者を突き落とす監督。目撃者は役者のマネージャーとプロデューサーのみ。3人が口をつぐめば大丈夫…なはずだった。
しかし、目撃者を名乗る女子高生日野が突然出現。もう1人の役者アイドルの小島が殺しの容疑をかけられる。
日野は以前ある旅館のロケで小島に会っていた。『いい画を撮る』ことに拘り小島が彼女の容姿を番組上で弄ったことがきっかけで学校でいじめにあっていたのだ。
目の前に現れた映画監督は『いい画を撮る』ことに拘り、なんの罪もない小島に罪を被せようとしている。小島を消すことはできない。だが、本当のことを言えば、同じ構図で甘い汁を吸おうとしているこの監督を消すことはできる。
最初は面白かったのだが、こちらも結末がいまひとつに感じた。
第5章 ミモザ
荒井は料理研究家。昔付き合っていたひとまわり年上の瀬部と自身のサイン会で再会する。瀬部に請われるがままに久々に飲み交わす2人。当時は既婚者だった瀬部は離婚しなぜか仏師の道へ。生活は落ちぶれ、今はビル清掃員として働いている。対した私は逆に結婚しており料理研究家としてもそれなりに売れっ子になっていた。
瀬部に30万円の金貸を請われた荒井は実に人間らしく今なら当時自分を翻弄した彼より上に立てると考える。しかし、男は思った以上のクズ男だった。彼女に夫へ話すぞとちらつかせながらさらなる金貸を要求する。
連絡を一方的に断った荒井の自宅へ押しかける瀬部。嘘だ、家を教えていないのに。彼は彼女のビルの清掃員で実はサイン会で再会する前から彼女の存在に気づいていたのだった。瀬部が家にいるうちに夫が会社から帰ってきてしまった。瀬部を隠し、夫を風呂に入れ、その間に瀬部を追い出すことに成功。ほっとしたのも束の間。玄関を確認すると男物の靴を隠し忘れていたことに気づくのだった。
話の空気はほどよく色気が漂っていて嫌いじゃない。瀬部のダメ男感もよく出ている。金にだらしなくどこをどう突けば女が喜ぶかわかっているこういう男は駄目な恋愛に女を引き摺り込むのが上手い。一見ちゃんとしてそうな女ほどほっとけなくてダメ男にハマるのだ。昔酷い目に遭わされた仕返しをしようとして、逆に相手の土俵に引き摺り込まれる。イイ子ちゃんでは到底太刀打ちできない不条理なフィールドに。同じ土俵に立ってはダメなのだ。結論、逃げるしかないのだ。
ラスト数ページ、夫が帰ってからの一連の流れは手に汗握る流れるような描写。映像が鮮明に脳裏に展開される。この本、ぶっちゃけここだけ読めたらいい。それぐらい気持ちのいい数ページ。相変わらずラストは弱い。それが残念。
1番好きなのは、最後の『ミモザ』。『埋め合わせ』も好きだったかなあ。
この作者、人間心理の描写が本当に上手いんだよな。オチの面白さにムラがあるけれど。機会があれば、他の作品も読んでみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ミステリー短編集。
人の弱みや良心に漬け込む謎に、鳥肌が立つ感覚になりました。
人って怖い、そう感じずにはいられない物語にある意味感心しました。
「埋め合わせ」の話が、特に個人的に面白かったです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
不幸中の幸いならぬ、不幸中の不幸な話が詰まった短篇集。
「自分のミスを隠すために」「ついカッとなって」「見栄を張って」そんな人間なら誰でも有り得る感情や行動のせいで不幸の沼にハマっていく登場人物達…
傍から見れば自業自得とも言えるかもしれませんが、自分がその立場になったらどうするだろう…正しい行動を取れるだろうか…と考えながら読ませて頂きました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ヒヤヒヤした〜!
自分のせいで起きた不幸の短編集。
【お蔵入り】が1番お気に入り。
先が気になってあっという間に読了!!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
自分のミスを隠すため、彼女がやってくれる(確認しない)、誰かのせいにしてしまおう、見返してやりたい…醜くなっていく姿をさらしている、抜け出せなくなっているのに気がつかない、追い込まれていく姿に、ドキドキ、ヒリヒリ。
自分の手がどんどん汚れていく。
ただ、運が悪かっただけはオチがわかってしまった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
5編からなる短編集。
ミステリーの括りだが、「お蔵入り」以外は事件というほどの事件は起きない。
むしろ誰しもの日常に起こりかねない、もしかしたらすでに起こっていたかもしれないような些細なトラブルを描いている。
些細ではあるが、自分で自分を追い込み、心拍数を上げ、ど壷にはまっていくさまが、リアルなスピード感で描かれ、まるで自分自身が冷や汗をかいているような嫌な感覚になる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
本当に実在してるんじゃないかと思う様な人達のやりとりを見ているようで、何とも後味が良くない物語でした。でもそれがいい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
息苦しい、無意識に各話の主人公に自分を重ねていて思わず呼吸が早くなる. 気持ちの解像度が高くて面白かった