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★虐げられた者への暖かい視線★精神病とはどんな病なのか。正常との境目は極めて曖昧なのに、社会的に隔離されてしまう。そんな思いを精神科医の著者が小説に記したのだろう。全体に漂う暖かさには確かに救われるが、作品としてみたとき映画「カッコーの巣の上で」と比べると、破滅的な鋭さを欠く分だけ完全に負ける。映画になったらしいが売れなかったろうなあ。
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とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
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著者の本は初読。電車1時間乗るのに暇だったので、なんとなく購入したけど、良い買い物だった。淡々とした話だけど、いろいろ考える。
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精神科の入院病棟は患者さんにとって生活の場そのものだから、大変な時も、平穏な時も入り交じってぐじゃぐじゃなのだろうと思う。この小説でもそのようなことが描かれているのだが、なぜだか全体を流れる雰囲気は静かで優しい。患者ではなくあくまで一人の人間としての心の交流がある。これが筆者の世界観なのだろうか。自分にもこのような静かで優しい目が欲しいと思わされる本。
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テーマの重さのせいか、今年読んだ小説の中でもっとも読むのに時間がかかった本。ただし読み始めてペースがつかめてくると淡々と読みすすめた。物語の内容はそれほど劇的に動く訳ではなく淡々とすすむ感じ。あとがきにもあったが閉鎖病棟について書いているが公平に書かれていると思った。読後感はよかった。[2008/4/12]
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08年1月読 いろんな背景を背負って精神病院に入院している人たちの物語。表題から連想させる暗さはなく、面白い。
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最後の方の数ページはボロボロと号泣しながら読みました。
涙がかすんで文を目で追うのも一苦労。
ほんと涙なし、ハンカチなしでは読めなかった最後。
うまく説明できない、でもとにかくたくさんの人に読んでもらいたい。
最近東野さん一色になっていたけど、
新たにははきぎさんの作品も制覇したいと思えた。
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精神科の患者に対する認識が変わる。病院に入ることとで全てを奪われ”患者”という枠でひとくくりにされる。誰よりも純粋で澄んだ心を持っているのかもと思う。読んでいて辛くなるところもあるが強く心を打たれた。
2008/2/10
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とある精神科病院。重い過去を引きづり,家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも,明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは,ある殺人事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたのは何か?(裏表紙より)
精神科病院に入院する患者を,一人の人間として捉え,詳しく表現しています。詳しい個人的な背景を理解するためにぜひお読みください。
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泣く…!!
心理学を学んでいるせいか、精神病の症状とかリアルで生々しく感じて、そのうえで物悲しさと温かさを感じました。
落ち込んだときとかに読むと、人間ていいもんじゃないか、と思える。
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チュウさん、秀丸さん、島崎さん、お互いがお互いを思いやって助け合っているラストが感動的。テーマは重いけれど、希望が持てる終わり方でとてもよかった。
患者達の個性が一人一人きちんと描かれていて、出てくるすべての患者達に目が向けられた暖かい本。
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偏見や差別心にみちた人間である無知で陳腐な私は、この本を読んで考えさせられる部分が多かった。
人間とは、人生とは、痛みとは。
木訥とした語りに、心がじりじりとしながらも
ラストは涙で、読めなかったほどだ。
なんだか、重い。でも嫌いではない一冊。
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精神科病棟の患者たちを、公平かつリアルに描ききった作品でした。自分が直接知ることのないであろう世界を鮮やかに垣間見た感じでした。文がすごく丁寧で、登場人物を大切に育てている感じがしてステキです☆
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管理されたような状況であれば尚更、自分のすべき事を真剣に見つめ行動しなければならない。
閉鎖病棟とは正に、目と耳が麻痺したように日々を漫然と生きる自分のことだ。
人を思いやることを清冽に感じた。
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精神病院を舞台に、様々な過去を抱えた人たちを描く。
精神病棟という世間から隔離された場所が舞台なのだけども、そういった中でもポジティブに生きていく登場人物には好感が持てた。
ラストは、きっと健常者身障者関係なく<人間>に対する作者なりのメッセージなんだろうな。と感じる。
強く生きていかねば。