紙の本
俵万智さんならではの本
2018/11/26 10:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
古典和歌を現代短歌に翻訳することは、数学における数式の変形にも似ているような気がします。誰にでもできることではありません。この困難な仕事を得意としておられる俵万智さん。まさに古典への案内人です。
紫式部が、源氏物語の中で、男性の短歌を女性の短歌よりも少し下手に詠んだことに面白さを感じてしまいます。
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作中で詠まれる和歌に焦点を当てて書かれた源氏物語の本。歌人である著者ならではの着眼点で分かりやすく書かれていてとても楽しめた。
和歌の内容のみならず、その技法や表現などからそれぞれの女性について考察がされている。今まで和歌部分は大意だけで何となく読み飛ばしていたが、その言葉の選び方などにも登場人物の性格設定が生かされているんだなあ。
特に空蝉の最後の歌については、まったく予備知識がなかったので、なるほどそういう演出効果があったのかと納得。
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5/6 和歌から読む源氏物語。しかも俵万智調の現代訳。おもしろかった。作者が薫嫌いなのが超伝わってきたのと末摘花の話が個人的には受けた。
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源氏物語に出てくる和歌を現代の口語の和歌に読み直した,という試みが良かった.ちょっと口語すぎてつまらないところもあるけど.あと,解説とかつっこみとかもすごく楽しい,というか,そうそう!という感じだった.
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今までで一番、源氏物語のすごさを感じた。話が面白いのはもう、分かってる。そこに和歌というエッセンスをプラスするか、しないか。これは断言できるでしょう。しなきゃもったいない。
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歌にこめられた登場人物や作者紫式部の思いを紐解こうとするもの。
同じ女性の立場から見て書いているので分かりやすくてお勧めです♪
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歌だからこそ、大胆な本音や心の奥の想いを雅な言葉や曖昧な表現に包んで詠むことができる、という見解に感銘を受けた。日本語の表現が持つ不確かさゆえの美しさを改めて知った。
また、当時の歌のやり取りと現代のメールのやり取りを重ね合わせている部分で、日本人の心性の不変性を読み取っているようで面白いと思った。
ただ、俵万智の解釈は痛快で面白い反面、その俗っぽさや本人の独自の価値観が濃く出すぎていると思うようなところもあった。そこが面白いところでもあるのだが、「ボキャ貧」という表現や「BC」の話など、やや品性にかけるように私には思えた。もう少しだけ、源氏物語のオブラートに包まれたような優美さや色っぽさを失わないでいて欲しい。
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源氏物語に出てくる和歌を軸としながらも、この物語のエッセンスを上手く説明している。
特に「万智訳」で登場する和歌を詠み直しているところが心憎い。
理系だったボブには、高校生時分にこんな調子の授業があったら…と思ってしまう。
「あさきゆめみし」も読まず、果敢に原文にぶつかっていたなぁ。
万智的解釈が随所に出てきますので、これも参考になります。
なかなか手に入れることができなかった1冊。
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話の流れだけでも掴もうと必死になって読んだ『あさきゆめみし』。和歌なんか読んでも意味不明やったからすっとばしてたけど、こんなにもおもしろいものだったとは・・!一生の不覚。
全部の和歌の説明があるわけではないけど、すごくわかりやすい説明がされてるし、表現がおもしろくって笑ってしまう。(特に末摘花の君、おもしろ!) 古典の授業でも、和歌の内容って難しくって理解できなかったけど、単なるプレイボーイ物語だとおもってたけど(実際そうだけど)愛着がわくというか、もっかい古典をじっくり読んでみたくなった
あぁ、からころ!
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これはいい作品!!
源氏物語で一番の魅力は様々なキャラクターの歌だと思うので、それを一番引き出してくれている現代語訳書。
できることなら全部やってhげふんげふん
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源氏に登場する和歌を万智訳として紹介している。どれもこれも今の言葉に置き換えたり言葉を足したりしながら、それでいて元の和歌のよさも残している素晴らしい万智訳です。一番好きなのは女三宮の歌「立ちそひて消えやしなましうきことを思ひみだるる煙くらべに」ですがこれは万智訳だと少し軽くなりすぎた感が。万智訳で一番素晴らしいと思ったのは桐壺更衣の「限りある命だけれどどうしても今は生きたいあなたのために」です。
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よかたです。
拙者は万智ちゃんファンなのだが。
きっと「恋愛」を通して、人間の、
理性の手綱じゃ馴らせないじゃじゃ馬な欲望とか、かと思へば、
狂おしい欲望に強引にストップ命令をかけてしまう
お利口サンな理性とか…を己で嫌という程、
味わっているひとなんだろうといふのが
言葉ひとつひとつから伝わってくるからなんだろう。
万智ちゃんの着眼点や描写がとても好きなのだが、
とくに「女性」の心理描写は、いい。
なまなましくて、りあるで、好きだ。
「源氏物語」は今までにも現代語訳や漫画で見てきたが、
この和歌で読む源氏物語は実に奥ゆかしい。
「心の結晶である和歌を、小石のように飛び越えてしまうのではなく、
氷砂糖をなめるように味わったならば、
源氏物語の世界はさらに豊かな表情を見せてくれるだろう。」
という言葉、そのもの。
三十一文字が、せつない、苦しい、いとおしい、あいたい…
人間のこころの中でうごめく大胆で繊細な思いを響かせる。
ときにそれが、
人間関係(とくに恋愛関係)のかけひきとなり、かけはしとなり、
陳腐な愛の羅列や野蛮な体の交わりをも上回る、
愛情表現となりかわって恋愛を大いに盛り上げるのだ。
作品の中に登場する様々な身分・身なり・性格の女性たちの
心中が露になった和歌は、どれもそのひとの分身のようでおもしろい。
叫び、尽くし、心を殺し、憎み、嫉妬し、愛する女の顔が浮かぶよう。
背景にある心理や表現技巧なども楽しめる作品だと思ふ。
制服JCをつまさきから頭のてっぺんまでを
じっくり嘗めるかのやうに 読みすすめていきやした。
いやはや、いつの時代も恋愛は自分磨きの一番のツールですな。
どぅーでもいーんだが、
何度、どの作品で読んでも末摘花を広瀬○美ちゃんと重ねてしまう。
いんや、決して○美ちゃんがぶさいくといっているわけじゃあないんだがね。
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歌より何より、源氏を始め夕霧、薫、匂宮の全員にいらいらしっぱなし!
女の人の心の動きが描かれた部分が繊細な物語で、そこが醍醐味だと思われるのだけど、ほとんどが可哀想なので女性としては辛い。宇治十帖は特に暗いし…
伊勢物語のライトな感じの方が、いまの私には好みです
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和歌を一つ一つ取り上げて、詳しく、しかも、俵万智さん流に解説がなされていく本。さらに、一帖一帖取り上げるのではなく、何かのテーマを絞っての解説、横断的に解説をしていくのが面白かった。
ただ、源氏物語をちょっと読んだだけでこれを読むことは難しかった。全部を読み終わってから読むと「なるほど」・「おお、面白い解説・新説だ」と思う。
光源氏の女ったらしぷりを万智さんは楽しんで読んでいるような気はした。薫の優柔不断っぷりには、御怒りというか、あきれているような気がした。
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源氏物語の本文をきちんと読んでいない私でも楽しめた。どちらかというと女性目線で解釈が進む(筆者の恋愛観など)ので、それが嫌な人にはお勧めできないが、読み物として面白い。原書を読みたくなった。