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高校時代の友達だった美穂と空、14年ぶりに偶然SNSで出会い、
美穂が昔から憧れていた松尾芭蕉の「おくのほそ道」を一緒に旅をするという
一度は誰もがしてみたい理想な物語だと読み進めていましたが、
高校教師をしている美穂とバイト店員の空というお互いの生活レベルや環境などが違うことが徐々に分かりはじめ、
二人の旅が思いがけない方向へと進んでいく物語だったのでかなり意外性のある内容でした。
美穂は高校教師として働き、恋人もいて空から見れば
憧れな生活をしていると思われているけれど、
実際の所は教師として疲労困憊している所もあったり、
恋人といてもぎくしゃくとして本来の自分を出せていなかったりと
かなり心身共にいっぱいいっぱいな状況があらゆるところで見られています。
常に周りと意識して自分らしさを出せなていないなと思いました。
そんな美穂を見ながら、本当の自分を出すことが出来ずにいた空も
また今まで知っていた過去とは違っていていわるゆる普通の道とは違った
人生を送りながらも懸命に生きていたことが分かっていきます。
それをいくら友達だったからといっても美穂にも事実を
告げるには時間を要することは仕方のなかったことなのだとこの場合は思いました。
けれど旅をしながら徐々にお互いの心に寄り添っていくうちに、
本当のことをお互いに告げられていき、お互いの人生の道を切り開いていった後は爽快さがありました。
時間が経過しても、それぞれの歩いていた道が違っていても、
また元の学生時代のようにお互いの気持ちを察しながら
また人生を歩いていく様子にはとても元気づけられて、
良い読後感になりました。
とかく女友達の友情は成立しないと言われがちですが、
この作品を読んだらそんなことはなく、むしろ女友達も
しっかり友情を育むことが出来ると言えると思いました。
作品中に出てくる松尾芭蕉の俳句や奥の細道での名物や
グルメがふんだんに出てくるので、
同じような旅をしてみたいなという思いになりました。
旅行気分を味わいながら、立場の違う人生の再生を味わえた作品でした。
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書店に平積されていた文庫本、知らない作家さんでしたが何気にタイトルみてジャケ買いしてしまいました。
週末に奥の細道を追体験しようと名所旧跡を旅する話なんですけど、私も30代の時にふと思いたって「更科紀行」とか「笈の小文」のルートを辿ったことあるので無茶共感してしまいました。芭蕉のBLについては「笈の小文」が秀でてると思うのですが、「奥の細道」は芭蕉の紀行文になるのかな。白河の関以北は当時もあまり知られてない最果て感あったし追体験したく思ってたんです。今ならばフォト撮ったりして手軽にSNSにUPしたりできるわけですが、江戸時代では、俳句の中に風景や心情を封じ込めることがフォトの役割をしてた気がしてて、芭蕉の句はカメラで写す以上に特徴や心情がデフォルメして映えさせる力があったようで実際よりも凄みをもって脳裏に刻まれるんですよね。そんな感じでみると奥の細道は江戸時代のガイドブックだったんじゃないかって思いながら眺めてました。
高校時代の友人だった美穂と空、14年ぶりに偶然SNSで繋がって一緒に旅をするなんて素敵な設定でしたが、高校教師をしている美穂とバイト店員の空、生活レベルが違うこととか忘れがちで相手に無理させちゃったり、ちぐはぐしながらも、奥の細道の旅は途中飛ばしちゃったところもあるけど。大垣まで辿り着いてここからが始まりなんだと、淀んでいた日常にも浄化作用があったようでスッキリした読後感に包まれました。
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面白かった〜。
松尾芭蕉が辿った道を学生時代の友人と一緒に巡る旅。
自分も松尾芭蕉が訪れた場所に何ヶ所か行ったことがあり、少し興味があったので
手に取りました。
時折出てくる俳句が、どういう情景で詠まれたものなのか解説的な文も出てくるので
すごいよかった。
国語の授業でやるけど、全然覚えてなくて
日本人なのに知らないこともたくさんだなと思いながら…
途中から、主人公2人の関係性にフォーカスされてくるのだけど、
くどくなくて大人の友情って感じが
よかった。
本の厚さも読みやすくて読後感が
あったかい気持ちにしてくれます。