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列聖された偉人たちのエピソードを紹介する本書は、聖人の逸話なので、奇跡や殉教の話題が多く語られる。著者、清涼院流水のデビュー作コズミックは殉教の物語であり、二作目ジョーカーは奇跡の物語である。当時クリスチャンでない著者が何故、殉教と奇跡の物語を描いたのか。神の采配を感じてしまう。
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聖人とは何か、どのようにして聖人が誕生するのか、なんとなく想像していたものとは全く違った。こうあってほしいという願いから後付けされた話や勘違いから生まれた話も多くあるだろうけれど、どれも興味深いし面白い。難しい用語が出てくるわけでもなく長いエピソードが登場するわけでもないので、サクサク読み進められた。
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著者の本業は小説家で最近カトリックの洗礼を受けた人。「どろどろシリーズ」と言って良いだろうか?著者によるキリスト教を紹介する新書は、本書で3冊目になる。カトリック教会で聖人に認定された人たちを時代順に軽く紹介する内容。一人当たり2・3p程度なのでサクサク読めるのも良い。キリスト教への悪意ある質問の一部への返答となっている「あとがき」も読み応えがあった。
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なんと様々な聖人がいるんだ.小生、プロテスタントなので聖人にはあまり馴染みがないが、p28-29, 62-63, 98-99, 128-129, 162-164の相関図は良かった.ローマ帝国のキリスト教徒への残虐な仕打ちは、人間の本性が露わになった事例と言えようが、それに耐えてきた人々も存在したのだ.為政者が反対言論に弱いのは今も昔も同じだな.聖人の定義、「願いを叶えてくれる唯一神への執り成しが、かなり期待できる有力な仲介者」というのは非常によく理解できる.欧米人の名前の基になった聖人の事例も面白かった.