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「セレブリティ」
「ATB(エアーターンバック)」
「イミグレーション」
「エマージェンシー・ランディング」
「テロリズム」
成田国際空港を舞台にした連作短編集。
空港警察の署長に新たに着任した仁志村賢作。
『社交的で温厚そうで協調性に溢れた人』との印象を持つ者もいれば『人嫌いで酷薄で唯我独尊』と捉える者も。
だが空港で起きる難事件を巧みな手腕で解決していく姿を見ればそんな事どうでも良くなる。
類いまれなる推理力と冷静沈着さ。
ただただ凄いの一言。
最終話に至っては私もまんまと騙された。
『敵を欺くにはまず味方から』のお手本だ。
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成田国際空港の警察署署長として仁志村が赴任したところから空港の管理が変わっていくお話。ちなみに署長の仁志村は高頭冴子の県警本部時代のパートナー。
一つ目は麻薬の密輸を巡る対応のお話。
二つ目は出発した飛行機を成田に引き返させる、普段から不遜な男と、どうやら仁志村が目をつけている二人の男性が乗った飛行機の話。
パスポート偽造で拘留されていた女性と、彼女を見守っていた職員が殺され犯人を空港内で探す話。
アイドルグループの復活を条件にハイジャックした犯人、乗客と機体を取り返すための闘い。犯人たちの真の目的は?そのために仁志村が取った解決策は。
一つ一つは短く、どんどん事件が展開するのでサクサク読めます。殺人事件あるので中学校以上。そして、中山七里作品はやはり順番に読まないと登場人物が被っていて真に楽しめない。でも、この本は単体で読めます。
成田国際空港警察署署長 仁志村賢作
成田空港GS(グランドスタッフ) 蓮見咲良
東京出入国在留管理局成田空港支局 熊雷
→昔、警視庁捜査一課 犬養に情報を流した義侠心あるスタッフ
出入国在留管理局成田空港支局 相良支局長
千葉県警刑事部捜査一課 高頭冴子
成田空港 主幹航空管制官 伊庭幸太郎
〃 主任航空管制官 倉間美知
交通管制部長 梶田実則
千葉県警本部警備部 志度
真垣総理
鹿内国家公安委員会委員長
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やはり中山七里。面白い。
出だしは、単発のショートストーリーのようで、そこまで面白さを感じなかったが、後半になり一気に話が進んでいった。テロリスト達との交渉の様子は、手に汗握るものだった。後半の1/3は一気読みだったので、さすがだと思う。
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成田空港では普段から「役立たず」と言われていた空港警察に仁志村賢作という切れ者が署長として赴任してくる。次々と乗客の嘘を見破り検挙していく…
とんでもない事件をとんでもない方法で解決していくのにびっくり。肝が座っている。
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SL 2024.1.9-2024.1.10
中山七里らしい、変わり者だけど超優秀な主人公。サイドキャラの女性が鬱陶しいのも含めて能面検事とやや被っているような。
短編ながら捻ったオチをつけるのはさすが。
もう少しユーモアがあるともっと楽しめるんだけどなー
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もう中山七里には感心してしまう、次から次へとよく話が湧いて出るなと呆れてしまう、こちらもオールコンプリートしたいのにとても追いつけなくてまだ多少の未読本が存在する。だからスターも豊富だ今回は高頭冴子も登場するし犬養刑事の話もそれとなく出てくる。さて今回の仁志村賢作署長のシリーズ化はあり得るのか空港職員の蓮見咲良とのコンビは捨てがたい、そして罪を憎むのはもちろん犯罪者を憎むという観点も斬新だ、最近は犯罪者にまで同情するような馬鹿なマスゴミが存在するし、チャイナや隣国人の犯罪も許しがたい。
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全くの偶然だが、本作品を読み終えてから「新空港占拠」が放映されると知った。特にタイミングを見計らって読んだ訳ではない。「新空港占拠」は約一年前にTBSで放映した「大病院占拠」に続く占拠シリーズ第二弾とのこと。出演者も重複するところが多いので入り込みやすいが、基本設定が似ているので。大病院の二番煎じにならないか少々危惧している。
空港の占拠の仕方については、圧倒的に新空港の方が迫力満点である。かたや本作品の方は占拠シーンがクライマックスに出てくるものの、様々な事件の一つに過ぎないので、どうしてもそれだけにページを割くことはできないのだろう。やはり映像の方が感覚へ直接訴えるので、インパクトが高くなるのは否めない。もし、新空港が別のタイミングで放映されたら、本作品に対してはまた違った印象を持ったかもしれない。
さて、本作品についての印象だが、殺人は控えめで、新キャラの成田国際空港警察署所長の仁志村賢作の御披露目・その腕前ぶりに重きを置いている。警察署長というのは署内でふんぞり返って脳内だけで物事を判断するというイメージがあるが、仁志村署長は刑事のごとく様々な場面に出てきて事件解決に奔走する。まあ、あり得ない設定がまた小説ならではの面白さ。千葉県警本部時代の刑事根性が抜けきっていないのだろう。最後は、情報の共有化をきちんと行わないせいで多くの人を危険に晒してしまうのが唯一の欠点、今後の反省材料に繋がることだろう。謎解きが少なく、最後にお決まりのどんでん返しがあったものの、これまでの中山作品とは少し違うタイプに属している。さすがに空港ではあまり殺人事件はおこりにくいので、普通の殺人とは異なったイメージが自然発生する。単発かな?
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旅行好きで飛行機は好きなものの、恥ずかしながら空港警察署を知らなかったので、どのような仕事をしているのか、空港職員の大変さなど勉強になりました。
舞台は成田空港。成田の空港警察の新署長、仁志村賢作が、覚醒剤の密輸、禁輸品の密輸、テロリスト密入国と殺人、飛行機ハイジャックなどの事件を見事に解決していくのですが、解決するなら手段を選ばないとんでもないキャラクター。シリーズ化されるとおもしろそう。
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空港内に警察があるとは考えたこともなかったけれど、あって当然という気持ちになる。空港を利用する人達は国籍も職業の多岐にわたっていて、治安を守るという意味ではとても難しい場所なんだなと実感。警察官の皆さんはもとより、空港スタッフの矜持など頭が下がる思いで読了。
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成田国際空港の空港警察署長として新たに着任した仁志村は、腰が低く温厚な人物に思えた。しかしその本性は無慈悲で狡猾。犯罪者を憎み、手段を選ぶことなくとことん追い詰めていく見事な手腕が楽しめるミステリです。
華やかな業界に思えるCAと、一見対極のように思えるのが地上勤務のGS。もちろんとても重要な職業であるし、空港のプロフェッショナルなのですね。彼らを蔑ろにすることなくその能力を認め頼る仁志村が実に好人物に感じられたのですが、悪く言えば利用しているだけなのか……いやしかし相手に不快の念を抱かせることなく利用するのなら、悪くはないのかも。できれば本性を知りたくなかったですよね。
苛烈とさえ思えるやり口も、同じくらいに悪辣な犯罪者に対抗するためと思えば賛美できないことはありませんが。絶対に敵に回したくない人だなあ……彼に較べれば、他のシリーズキャラクターのあの人やあの人も可愛いものだと思えてしまいました。
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蓮見咲良(はすみさくら)は成田空港のグランドスタッフとして働いて5年目。心から業務を楽しむ後輩に比べ、自分は果たしてこの仕事で合っているのだろうか…そんなことを思う日々を送っていたが、空港内に設置されている成田国際空港警察署に新しい所長・仁志村賢作が赴任し、言葉を交わしたことをきっかけに、空港内で起こる様々な事件に関わることになってしまう。
見た目からは想像できないような働きをする仁志村。密輸やハイジャックなど、空港特有のハラハラ感に加え、この仁志村のキャラクターが曲者ながら鮮やかで生きていて物語がさらにおもしろくなっている。印象的には御子柴先生に近いかな。なんと千葉県警捜査一課の高頭冴子のトレーナーだったことがあるらしく、冴子は「鬼村」呼んでいて、泣かされたこともあるとか。ちなみに高頭が『越境刑事』でウイグル人を助けるために杭州へ緊急で飛ぶのに協力したのが咲良らしく、そのお礼を言う場面もあり。また、空港ラウンジに広域暴力団の山崎がいたり、入国審査官を務める熊雷(くまらい)が主人公の章もあるが、実は『カインの傲慢』で上司に内緒で犬養に情報提供したと話しているシーンがあったりと、他作品とのつながりも多数。これもシリーズ化されそうな感じで楽しみ。
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空港で普段は見えない部分って、こうなんですね。
会社のお金で飛行機にたくさん乗って、でかい態度をする馬鹿サラリーマンの話は、身が引き締まりました。
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あまり聞きなれない空港警察が舞台の小説。そこの署長が難事件を次々に解決してゆくのだけれど、こういう毒を持って毒を制す的な解決方法中山先生らしくて好き。他のシリーズの面々もでてきてそこも楽しめた。
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成田空港を舞台にした空港警察の物語である。新任の所長·仁志村は、何から何まで今までの所長とは違って独特の動きをする人物だった。空港では、違法薬物の密輸や人権問題、迷惑行為から、具合の悪いペットを案じて爆弾騒ぎの狂言を実行する輩まで現れる。更には、ハイジャックやテロ行為まで起こるのである。仁志村の捜査は冷静なのか非情なのか判断がつかないことも多いが、結局は尽く解決に導いているので、もっと彼のことを知りたくなる。続編を書いてほしい一冊である。
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空港内でこれでもかと起こる事件。
新しい警察署長の犯罪への感度がスゴい。
これはフィクションだけれど、花形職業のグランドスタッフはじめ、各空港職員も客商売だからいろいろなお客を相手にトラブルを解決しなくてはならず、勤務時間も不規則だから見えないところで色々と大変だなぁと思いました。
空港警察もしかり、なのでしょうか。
麻薬密輸はともかく、爆弾テロ、ハイジャックはなかなか起こらないとは思いますが。
とにかく破天荒(正しい意味で)で、それまでの署長が行ってこなかったことを現場主義でパイプを作り行っていきます。
仁志村署長のキャラも低姿勢で好感が持たれそうなのに、冷徹。
続編も出そうな予感もします。
サクサク読めました。