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宗教シオニズムとはシオニズムをユダヤ教の文脈で正当化する思想であり、シオニズム(エレツイスラエルの地を占領)に邁進する事でメシア降臨までのプロセスが早められると考えている。宗教シオニスト政党としては国家宗教党(マフダル)がありグーシュエムニームがここから派生した。カハ党もイスラエルをユダヤ教神政国家に変えようとしており宗教シオニズムといえる。
また極右政党イスラエル我が家の党首リーベルマンは修正主義シオニスト、ジャボティンスキーを尊敬しており、イスラエル国籍のアラブ人追放を主張している。
修正主義シオニズムは穏健シオニズムを修正する意味であり今のリクードに繋がる。しかしこの修正主義シオニズムと宗教シオニズムは世俗的か宗教的かで異なる。修正主義シオニストは委任統治時代の頃から対英闘争、アラブ勢力への武力行使を厭わなかった。軍事部門のイルグンはアラブ人虐殺事件やデイビッドホテル爆破などを行っている。
またユダヤ教の宗教勢力は神学生の兵役免除だけでなく安息日を社会に遵守させ出生婚姻相続埋葬などを監督する権力を持っている。国政にもアグダトイスラエル党やシャス党が進出している。建国当時、極左極右勢力と組まずに多数派を占めるには宗教勢力を取り込むしかなかった。
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2.3章を読んで。
ナチス・ドイツとの闘いの中でいかに自分たちの安全地帯を確保するかが急務だった建国期、それを阻むアラブやイギリス、ひいては国家存在について国連という名の元他国からの多数決で決められる状況は不安定極まりないものだっただろうな、とシオニストを同情してしまう。そんな状況を乗り越え軍事力の圧倒的な差で隣国にも打ち勝ち、国連による国家承認を経ていくシオニストの逆転ストーリーには圧巻させられた。しかし、ユダヤ国家と民主主義という矛盾を抱えた状態でのスタートが今後70年の歪みを作り出していったのだった。。。
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難しすぎる国だよね。
民族国家でもないし、これで民主国家と言えるのかどうにも理解できない。それにも増して「反ユダヤ主義」が分からない。世界(特にヨーロッパでは)の嫌われ者なのはなぜ? まだまだ勉強不足だ。
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5章まで読了。それ以降は断念。
イスラエルの多様性を知ることができた。
ユダヤ教というと排他的でイスラム教との対立を思い浮かべがちだが、ユダヤ人の内部でも信仰心の強弱や人種などによって諸派が存在する事を知った。
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はじめに
著者:1990年代初頭、イスラエルに2年間滞在。当時イスラエルは「博物館」という言い方をしばしば耳にする。世界各地からやってきたユダヤ人が住むので、「文化の博物館」。また移住以前の地の言語を使用していたので「言語の博物館」
アラブ人という少数派:イスラエル建国前のイギリス委任統治期のパレスチナに住んでいたアラブ人。難民にならずにイスラエルに残った人々。ほとんどはイスラエル国籍/市民権を持っているので、イスラエル人と呼ぶこともできる。・・が多くは難民となりパレスチナを離れアラブ難民(パレスチナ難民)となった。
イスラエル人はユダヤ人か:本書でのイスラエル人は、イスラエル国籍/市民権を持つ人という意味で使用。「イスラエル=ユダヤ人」というのをひとまず棚上げして読んでください。
「ユダヤ国家」へのこだわり:上記のスタンスをとるのは、イスラエルの多くの人々が今後もずっと「ユダヤ国家」であり続けようと望んでいるから。イスラエルはユダヤ人のための国民国家でなければならず、そのためにはユダヤ人がイスラエルで多数を占めなければ「ユダヤ国家」という看板をはずすこと。したがってイスラエルがユダヤ国家でなければならないという立場は、国是として絶対に譲れない。
だからこそイスラエルは、ユダヤ人が多数である国家を防衛するために、イスラエルの安全保障を脅かす「敵」に対しては、武力など暴力を含むありとあらゆる手段を講じることになる。
臼杵陽:1956生。1988東京大学大学院国際関係論は癖家庭単位取得退学。京都大学博士(地域研究) 佐賀大学、国立民族学博物館等を経て、現在2009日本女子大学文学部史学科教授。
2009.4.21第1刷 図書館