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星を付けるかどうしようか大変に悩みました。何故ならば、面白くてもっと読みたいのに絶妙に物足りない分量でもっとちょうだいよ!とお預け状態を引きずった読後感を覚えたからです。が、自分ルールの縛りで評価を付けないと平均点が下がってしまうのもアレなのでやっぱり星を付けることとしました。
実際、自分の街歩きにも影響を与えまくるだろう、言わずと知れた地図・地名界隈のレジェンド研究者・今尾恵介先生による金言の数々と変態的とも言えるムーブがたまらなくたまりませんぜ。
ただダラダラと地名の由来の答えのみを記すだけなんてそんな甘っちょろい事は致しません。まず事前にたんと妄想を繰り広げたのちに現地へ入り、地形図・地図と見比べながら現地を‘体験’し、そこに住まう方々と交流し情報を得ながら考えをまとめていく。この際、‘正解’を求める事だけに固執するのではなくて、あえて俗説を取り入れつつその土地を「愛する住民」(p217)の気持ちに気付き寄り添う。それこそ今尾先生がレジェンドたる所以ではなかろうか。
読者である私も紙面を通じて見知らぬ土地の風景が知らず頭に浮かんで来るような、先生の旅を追体験出来た読書でした。
早速『角川日本地名大辞典』を読んでみたくて試しに調べてみたら全51巻、お値段829,391円(+税)と敢え無く轟沈。背伸びはせずに、とりあえず郵便番号簿を入手してみるところからやってみよう。ひょっとして今はPDF配布のみで紙版はないのかしら?
1刷
2023.11.17