紙の本
何でもあり
2023/12/17 10:03
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
必然性のないキャラクター設定。
話の筋は悪くないだけに、なんでもありの用務員の設定がもったいない。
そもそも、穴を掘るだけじゃ池はできないし、ビオトープなんてできないけどね。
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タイトル通り、中高生向きの本かな。
人生先生が、悩みを抱える高校生にお題を出して、解決へと導いてくれる。
第四話「生きる意味って」は、大人にも響くものがあった。
生きるために生きる。ほんの少しの希望で人は生きていける。
人と比べることなく、毎日をただ生きていると、幸せだと思える瞬間に出会えるというのは、確かにそうだなと思った。
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「恋と愛の違い」
「運とかガチャとか」
「不幸せになる方法 」
「生きる意味って」の4話とエピローグで構成された連作短編集。
物語の舞台は奏杜高校。
この高校のイケメン校務員・平人生(通称:人生先生)の元には日々、悩みを抱えた高校生が訪れる。
二人の男性から好意を寄せられどうすべきか悩む藤崎、運を上げる方法を知りたい坂東、生きる意味が分からない陽菜。
それぞれの悩みに人生先生が真剣に向き合い寄り添ってくれる。
様々な生物が生きる場所を意味する『ビオトープ』。
皆が自分の居場所を見つけられますように。
若い世代にお薦めの一冊。
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さらっと読めちゃう。読書に慣れていない高校生には読みやすくていいかもしれない。
4人の高校生それぞれが、恋愛や運、幸せ、生きることについて身近な出来事に触れたり、考えたりすることでストーリーが進んでいく。
校務員の人生先生(意外と若い方でした)が、彼らの相談役となり、救済者となるのだが、なかなか謎の多い人物で、まだ続編が出るのかな?と思いつつ読み終えた。
ちょっと道徳の教科書っぽい感じがあって、物語とビオトープとの関わりが少なかったかな…。
ともあれ、多感な高校生、彼らがビオトープ(居場所)を見つけられるといいなと思う。物語でひとまぶの完成を果たした中庭のビオトープも、これからどんな生き物が住み、育まれていくのか楽しみである。
全然関係ないけれど、武者小路実篤の『真理先生』がちらついて、あちらの方が物事への掘り下げが深かった気がする(高校時代に読んだのではっきりこうとは言えない)ので、比べてしまったかもしれない。
なんにせよもう一度『真理先生』を読み直したくなった。
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一気読み。
大人が読んでも面白かったです。
考えさせられる優しい本でした。
子どもが大きくなったら読ませたい本だなぁ、と感じました。
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謎の校務員、人生先生が高校生の相談にのるスタイルで綴られていく、本当に今どきの高校生の悩みでもあり、今を生きる私達の悩みに答えていく作品です。
恋と愛の違いは?
運を上げる方法とは?
幸せになる方法とは?
生きる意味とは?
考えてみると全くわからない、もしくは少しは考えたことはあるけど深くは考えたことはない、何なら考えても答えを出したことはないことに人生先生が答えてくれます。
今、人生先生が答えてくれると書きましたが、少し語弊があります。
答えはそれなりに教えてくれますが、基本的には自分で考えていくスタイルで、人生先生が出した答えが全てではないのです。
でも、人生先生が出した答えで良いんじゃね?と思ったりします。
それくらい、良い答えを出してくれる上、生きるために必要なもの、それがビオトープであり、それを作り上げることもまさにビオトープということなんだろうなと思いました。
今作の高校生たちの共通というか、いわゆる通常の高校生は衣食住が確実に保障されている高校生であるということをまずは忘れてはいけないのかなと思いました。
世界を見ると戦争をやっていて明日どころか1時間後の自分が生きているかどうかすらわからない境遇の子供たちもいるし、学校にも行けない、今日を生きるために食べるために働かないといけない日本の高校生と同じくらいの年の子がいっぱいいる。
つまり、世界を見渡せば、衣食住や基本的に恵まれている日本の高校生たちの悩みというのは贅沢でちっぽけかもしれない。
また、私達はネットで簡単に調べられるはずの世界の国の暮らし、例えば日本よりも発展していると思うアメリカなどの国の生活を調べようとはしない人が多いと思います。
なんだかんだで、今の暮らしには満足すらしているかもしれないはずなのに、悩みが尽きないし、なぜか他国よりも同じ国の他人と比べがちなんだなと思いました。
そんな高校生たちの悩みはじゃあバカバカしいのか?というと決してそうではなく、むしろ答えが出ないことについて考えることの大切さを教えてくれるそんな作品だなと思いました。
生きるためのビオトープ。
きっと当たり前過ぎて気が付かないだけで、本当はもうビオトープを得ているのかもしれない。
そんなことを考える40代のビオトープでございました。
考えることも大事ですし、当たり前のことが当たり前でないことに気がついたりすることも大事。
何も考えずに自然と生きるのも良いですが、たまにはこういうことを考えても良いかもですね。
答えがない、正解もないかもしれませんが、たどり着いた答えこそ、私の、もしくはあなたのビオトープなのだと思います。
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愛と恋の違いについて考える事も無かったし、運が良いとか悪いとかも思ったこともない。
この物語の人達に比べると、もったいない高校時代だったな。
それとも、ただ忘れてしまっただけなのかな?
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これは、「今」が旬な作品。
後々読む人には、昔流行った人だとか思ってしまうんだろうなという名前が出てくる。
4人の悩みを抱えた高校生が、公務員の平人生(たいらじんせい)先生のもとをおとずれ、「考えること」や気づき等を与え、導いてくれるようなお話。
4つのお話は、一編が10分かからずに読める。
恋や生き方、SNSについて。中高生世代にぴったり。
展開が早く、アップダウンしているうちに終わってる、という印象だった。読みやすい。
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一気読みしました。
恋と愛の違い…
私は、恋は見返りを求めるもの、愛は見返りを求めないものと考えていた。
恋は好きな人に振り向いてもらいたかったり、好きになって欲しいという感情があるけど、愛は自然とこの人のためにと行動しているから。
この本ではちょっと違った。
どれも正解らしい。
100人いれば100通りの考え方があるよね。
他にも運についてや生きる意味についても考えさせられる内容だった。
難しい文章ではないので読みやすかったです。
高校生の姪っ子にプレゼントしようかな。
この本、来年のブックサンタにしよう。
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初めての作家さんでしたが
とても面白く読めました。
高校生向け?なのかな?読みやすかったです。
人生先生と呼ばれる校務員が
とても謎めいていて、気になりました。
続編が出たら是非読んでみたいです。
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「恋と愛の違いはなんだと思いますか?」
高校の校務員、平人生に恋愛相談をした藤崎葵は、逆に問われる。
葵は隣のクラスの飯野と大学4年生の東山の両方から好意を持たれている。このドキドキは恋なのか、愛なのか。東山と2人でカラオケをしていると顔が近づいてきて…
4編+エピローグの連作短編集。
第1章 恋と愛の違い、第2章 運とはなにか、第3章 幸せとは何か、第4章 生きる意味とはなにか、を悩む主人公たちに平が問い、最後に語ります。平の語りに癒されます。
それにしても、なんで先生、そこにいる!?と言いたくなるほど、先生が都合よく現れてピンチを救ってくれます。それがパターン化されていて、なんだか昔のヒーロー物のようだな、と微笑んでしまいました。
最近直木賞や芥川賞作家の作品を読んでいたせいか、この本の素直に読めるどストレートさに好感を持ちました。
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2024-016
人生先生の含蓄のあることばに救わる優しいお話。どんな人生を送ったらあんなに穏やかになれるんだろか。
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人生先生と、17歳の高校生たちとの問答。
哲学対話のような
ソクラテスの問答のような
「自分で考えること」を
してみたくなる一冊。
めちゃくちゃ読みやすい。
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答えをすぐに求めてはいけません。
自分で考えることが大事なんです。
そんな楽をする必要はありません。
そして考えることをやめてはいけません。
生死に直結しないことに対して、深く悩んで考えられることは人間に許された贅沢の一つですよ。
恋は変わることで、愛は変わらないことなんだと思います。
…恋した時って変わるんです。
好きな人がいるってだけで気分も変わるし、それに相手を振り向かせたいから、可愛くなろうとしたり、大人びて見せようとしたり、自分自身変わるんです。
でも変わるってのはいいことだけじゃなくて、ちょっとしたことでその気持ちがよくない方へ変わっちゃうこともあるんです。
些細なことで急に恋心が冷めたり…。
だけど、愛は変わらないことだと思いました。
小さな問題から大きな障害まで、どんなことがあっても変わらずにずっと相手を愛し続ける。
それが愛だと思ったんです。
永遠の愛って言うことはあっても、永遠の恋って言うことはないですもんね。
永遠って言葉が似合うくらい、愛は変わらないものなんだと思います。
正解かどうかなんてそんなの大したことではありませんよ。
どんな答えだったとしても、藤崎さん自身が考えて出したものならそれが正解です。
正解は人それぞれの分だけあるはずですから、藤崎さんが自分で考えて答えを出したことが重要なんです。
正しいことよりも、よっぽど素晴らしいことですよ。
私は、恋と愛は主体が違うんだと思います。
恋は私が相手のことを知りたい、私が相手に触れたい。私が好きだと言いたい。私がそばにいたい。
という風に、「私」が主体になります。
かたや愛は、あなたに喜んでもらえることをしたい。あなたのためにできることをしたい。あなたが幸せでいてほしい。
という風に、「あなた」が主体になるんです。
つまり愛は自分より相手のことを第一に考えて、相手のためを思ってする行動のことなんだと思います。
それに愛は主体が相手にあるからこそ、恋人だけではなく、家族や友人、その他多くの人ではない存在にも向けられるものだと私は思っています。
自分以外先生、自分以外師匠だと思って過ごすくらいが、日々学ぶうえには良いことだと思っていますから。
私は人の運こそとても大切なものだと思っています。
良い人の周りには良い人が集まるものなんです。
そしてあなたが周りの人を大切にすることで、その人のためにしたことは、きっと後になって自分に返ってもくるでしょう。
あなたに良いことが起きた時は共に喜んでくれますし、あなたに悪いことが起きた時は助けになってくれることもあります。
例えば事故に遭うようなアンラッキーと思われる出来事があったとしても、良い病院を紹介してくれたり、日々の生活を助けてくれるかもしれません。
そういう大切な人たちがいてくれるという幸運は、他の偶発的な運や確率とは何も関係ないんです。
どんな時でもずっとあなたの中に備わり続けるものですから。
だからこれからは不確定なラッキーやアンラッキーに振り回���れて生きる人になるよりも、そんな人の運に恵まれた人間になってほしいと私は思います。
ただラッキーなことが起きている人間より、アンラッキーなことが起きても、それをそばで助けてくれる仲間がいる人間の方が、よっぽど素晴らしいと思いますから。
運は「運ぶ」という漢字を書くでしょう?
つまり運は人によって運ばれるものなんですよ。
幸せになる方法は人それぞれ色々あるけれど、一番手っ取り早く不幸になる方法はシンプルなんです。
自分の身に事故や病気や怪我、失敗など何か悪いことが起きていなくても、いつでもどこでもすぐに不幸になれる方法があります。
他者と比べることです。
正確に言うと他者と比べて自分が劣っていると感じてしまうことです。
SNSの中は基本的に幸せそうだったり楽しそうだったりする部分だけを投稿することが多いです。
また数字によって分かりやすく順位づけをされることもあります。
比較してしまうという点ではとても関わりのあるツールです。
だからこそSNSとの距離感はとても大事です。
といってもSNSが全部悪いものだなんて私は思いませんけどね。
SNSにも楽しいことはあるので、そこから幸せを見つけることもあると思っています。
人生で本来出会うことはない遠く離れた人と知り合うことで、心が繋がる誰かを見つけられるかもしれません。
どん底に落ち込んでしまいそうな失敗談も、SNSに投稿するとみんなを笑顔にしたり、多くの共感を生むことがあったりします。
だからこそ適度な距離感というのがとても大切なんだと思います。
SNSも、人との関係性も。
もしかしたら万人が納得するようなはっきりとした答えはないのかもしれません。
ただその人生のビッグクエスチョンともいえる問題について、考えるだけでも素晴らしいことです。
どれだけ醜くても、人の不幸を願って生きるような人間にはなりたくない。
痛みは一瞬だけど、苦しみは永遠に続く。
この長い苦しみは「絶望」と名前をつけるのが相応しいだろう。
そんな風に他の誰かと苦しみの大小を比べて、自分はこんなことで辛く感じてはいけないと我慢する必要はありませんよ。
そもそも水野さんは、あなた自身の世界を生きているはずです。
だからこそ、水野さんの苦しみは、あなたの世界で一番大きいものと捉えていいんです。
あなたの苦しみは、世界の苦しみと思っていい。
だって生きる意味がないと生きてはいけないなんて思いたくありませんからね。
人はただ、生きているだけでもいいんだと思います。
それでふとした時に生きていて良かったと思える日が来ればそれでいいんだと…。
明かりの一つもないように思える暗闇の中にも、きっと光はあるんです。
そして、本当にほんの少しの希望があれば人は生きることができるんです。
その希望があなたにとって、誰か大切な人なのか、大事な居場所なのか、それとも夢なのか、想いなのか、はたまた想像もしていないものなのか、それはなんだってかまいません。
あなたにとっての希望は必ず存在しますし、もしもまだ見つけられていない��したら、これからきっと、いつかどこかで出会います。
だからこそ、生きていて良かったと思える日はこれから必ず来るはずなんです。
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私も私のビオトープを大切にしようと思える、優しい物語。表紙と帯からも優しさが伝わってくる。
10代の頃、新明解国語辞典で恋と愛を調べたことを思い出した。身も蓋もないような解説で、肩透かしをくらったような記憶が…。自分で考えればよかったんだな。