やっぱり自分と比べるのかな
2024/04/20 07:20
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投稿者:ポッポ - この投稿者のレビュー一覧を見る
オナー企業でよく話題にあがる内容ですが、中小企業診断士の助言もアドバイスをしますが、オーナーの思惑とは違った方向に進んでいきますが、後継者の人間性に気づいてバトントスしていくんだと感じました。一歩下がって見極める難しさがでています。特に3話目は自分たちで会社を守るところから成長させていくことを気づかせるのがいいですね。
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中小企業には悩みが尽きない。業績は経営者の舵取りでなんとかなる。だが、必ず突き当たるのが後継者問題だ。
大企業のように人材が揃っているわけではない。数少ない候補者はみな帯に短し襷に長しで、とても任せられないように見えてしまう。
そんな悩める経営者が1人の中小企業診断士との出会いによって、自身を見つめ直して変わってゆくさまを描いたヒューマンドラマ連作短編集。
◇
会社のトイレを出た岡村正人は廊下で次男の玲二がつっ立っているのに気づいた。熱心にスマホを見ているらしい。
何をしているのか尋ねると、波の情報を見ていると返ってきた。サーフィン好きは知っているが勤務時間であることを注意して、岡村はその場をあとにした。
社長室に戻った岡村が黒い革張りの椅子に座って間もなく、ノックとともに入ってきたのが長男の洋一だ。
仕入先の鶏卵業者から納入価格値上げの要望があったというので先を促すと、洋一は手に持った書類を差し出した。それは鶏卵業者のリストで、仕入値の安い順に並んでいる。業者を替えようと提案する洋一だが、各業者の卵の味を調べてはいなかった。
ケーキは卵で決まる。岡村が知る限り、現在の取引業者のものより味のよい卵はない。さらに、前回の値上げの要望は業者側に我慢してもらっている。
それらを説明して値上げ交渉に応じるよう伝えると、洋一は「わかりました」と無表情で答えて出ていった。
2人の息子のどちらに社長を任せてよいか考えると岡村は頭が痛い。堅実だが視野が狭く柔軟さに欠ける長男か、勘はよいが奔放でマイペースを崩そうとはしない次男か。悩んでいたとき、内線電話が鳴った。
中小企業診断士の北川徹が来社したという連絡だった。 (第1章) 全3章。
* * * * *
もう映像化の話が進んでいるかも…… と思うようなエンタメ作品でした。
何と言っても中小企業診断士の北川のキャラクターが秀逸です。
派手な蝶ネクタイに怪しげな笑顔。物腰は柔らかく言葉遣いも丁寧なのに、時おり覗く山師の顔。胡散臭いことこの上ありません。この強烈なインパクトは映像向き。
剽軽な北川、真面目な北川、淡々とした北川。この男が見せる様々な顔は、どれもが自然で違和感を感じさせません。
「演じているのです」と、北川は言います。舞台役者でもある彼にとって、演ずることこそ人生なのです。
相談相手によって突拍子もない提案をしていく北川ですが、その狙いは一貫しています。視点を変えて見ることと、俯瞰して見ることです。
それが象徴的に描かれているのが第3章でした。
社長が急死した中堅包丁メーカー。社長に跡取りの子どもはおらず、残された妻は経営に関わったことがないためドイツの企業への売却が決まります。
おまけに屋台骨を支えてきた専務まで急病で長期入院となったため、社員は動揺し浮足立ちます。
そんな社員たちのためにセミナーが開かれることになり、その講師として呼ばれた��が北川でした。
北川はワークショップを企画します。
それはクジで選ばれた2人が、その場で自ら引いたクジに書かれた(社内での)役職になりきって即興でやりとりするという内容です。
与えられた役職の業務や相手側への要望を想像しながら演じることで、他者の視点で考え社内を俯瞰できるようになっていく社員たち。その1人が本章の主人公の伊藤浩紀でした。
さらに伊藤は、「演じる」ということの有用性を知り、気が優しく自己主張が苦手だった自分を変えていけるようにまでなっていきます。
この第3章の伊藤は経営者や後継者ではないのですが、北川に感化されて社内の雰囲気やモチベーションを一新する人材に成長するさまが読んでいて楽しかったです。(専務の後継になりそうに思います。)
舞台人独特の熱量で、悩める企業人たちを導いていく北川という中小企業診断士の活躍。もっと見たいと願ってやみません。
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「県庁の星」が話題になったころ何冊か読んだ桂望実さん。その後はなぜか手にすることもなくなり15年近く経った。過去作品を読みたくなるかどうか本書で確かめたい
#この会社、後継者不在につき
#桂望実
23/11/30出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3N9fxMl
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会社を愛するそれぞれの形に好感が持てました。また、仲間と一緒に一つの目標に向かって取り組むことの素晴らしさは、会社でも学校でも、どこでも変わらないし、素晴らしいなと感じました。
本を読む前後で(読む前はタイトルからの印象ですが)、ここまで大きく印象が変わった作品は初めてです。
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三章で構成されたお仕事小説。
それぞれの物語は独立しているが、全編に共通して中小企業診断士・北川徹が登場する。
県内に十店舗を構える洋菓子店・ルージュの跡継ぎ問題、女性向けのブランドバッグを販売する会社の経営問題、社長の急な逝去により、外国人オーナーの元で働く事になった刃物メーカーの社員達。
三者三様の悩みを北川の型破りな提案で活路を開いていく。
一章の兄弟対決では、よもや一触即発の危機かとドキドキしたが柔軟な対応が功を奏しホッ。
二章のコロナ禍による経営不振や人間関係の難しさはリアル。
軽快に読めるザ・お仕事小説。
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まだ続きそうな予感。
後継者問題に悩む各会社に対して、中小企業診断士の北川が奇想天外の提案し、クライアントと一緒に後継者問題を解決していく物語。
各章に一会社が描かれており、この本三章で三つの会社(ケーキ屋、かばん屋、包丁屋)が描かれている。
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中小企業診断士の北川がケーキ屋、バック、包丁の会社の後継者問題を解決アドバイスする。
従業員の意識改革であり、会社経営者の視点を変えてみる等、かなり面白い企業小説になっていた。
ホロっとさせる場面もあり、読後感はかなり満足させてもらいました。
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面白かった。
珍しく中小企業診断士が活躍する物語。一般的には中小企業診断士というよりコンサルティングといった方が伝わりやすいと思うが、あえて中小企業診断士とすることに作者のこだわりを感じる。
取っても食えないとバカにされがちな中小企業診断士の資格であるが、その仕事ぶりがわかるお仕事小説。純粋に中小企業診断士が活躍する話はほかで読んだことなかったので、素直に嬉しい。
物語は3つの短編からなる。それぞれに問題を抱えた会社が舞台になっている。後継者を長男にするか次男に悩むパン屋、無能な部下しかいないと悩むバックメーカー、先代社長の急逝により外資系企業に買収された包丁製造業。型やぶりな中小企業診断士である北川が、ちょっとしたアドバイスを与えながら、それぞれの問題の解決の手助けをしていく展開の仕方である。ただし、直接的な解決策の提案はしない。こんなことをやってみてはどうですか?とアドバイスするが、それにより、社長や社員自らが大切なものを気づいていく。結果的に課題の解決につながっていく。
今まで見えていなかった自分の子供たちの能力や得意な部分、無能だと思っていた社員の会社への熱き思い、自社の誇るべき職人の技術、社員の誇りなどなど。一面的な見方により気づいていない良い部分に、別角度の見方により見えてくる大切なもの。それに気づかされていく展開が、読んでいて心地よい。
そう、中小企業診断士は気付きを与える仕事なのだ。面白い。
中小企業診断士の北川が型破りの提案を行なっていく展開はいくらでも描きようがあるので、続編を期待したい。
全中小企業診断士が読むべし。良書。
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この会社、誰に引き継げばいいんだろう?経営者でも何でもない私には計り知れない悩みだが、企業の命運をわけるこの後継者問題。その問題にどこか胡散臭い中小企業診断士の北川がアイデアを出すケーススタディ3編。面白かったのはケース①のケーキ屋。2人の息子どちらかに後を継がせたいが長男は真面目だが要領が悪い。次男はちゃっかりしてるがちゃらんぽらん。どうも決め手に欠けるなか、北川のとあるアイデアで決着がつく。単純にケーキが好きなので楽しく読めた。3編とも良作だと思うが、欲を言うなら北川の個性がもっと強くてもいいかも。
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中小企業診断士の北川が関わる3つの会社の事業後継問題を描いた連作集。
洋菓子店を営む社長の全く違う性格の2人の息子達。どちらに継がせば、、
一人でブランドバッグ店を立ち上げた女性、後継者には物足りない社員達、、
刃物メーカーの押しの弱い平社員、社長の急死を受けての動揺と葛藤。
軽く読めるのに中身が濃いし、理屈では分かってるつもりでもなかなか柔軟な考えには至らないリアルさが良かった。
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企業の跡継ぎ問題をテーマにした短編3作。
書き下ろし。
第一章
第二章
第三章
中小企業診断士・北川が、企業の跡継ぎ問題に鋭い提案をしていく。
ケーキ製造会社、カバン製造会社、刃物製造会社と、跡継ぎ問題に悩む企業が、それぞれの会社存続の形や、社員のモチベーションアップなど、ともに成長していくハートフルなストーリー。
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3章は、大切。モノを作ってくれている人、モノを買ってくれている人に双方のことを知ってもらうことは大切。ら
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とても前向きになれる本。働くって素晴らしいと再認識。個人的には、ものづくり企業が大好きなので、第三章が一番好き。ただ、あまりにわかりやすい展開過ぎて軽く読んでしまう感じがちょっと残念かも。
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社長と社員、社長と後継
最初、突拍子もない提案からオー面白い提案と話を読む中で関心していった
立場が違っても方向が同じ、そこが面白かった
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会社存続の問題に関する話。
1つ目と2つ目は社長の目線て3つ目は一社員の目線で書かれている。
相手の立場で考えるのことが大事なのはわかっているけど難しいですよね。心掛けていきたい。