これが古文書から導いた内幕ですか?
2019/02/20 14:02
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投稿者:パミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が過去に新聞や雑誌に連載、掲載した文章64話程を収録した本である。内容は卑弥呼の時代から昭和の時代までを題材にしているので、当然ながら本のテーマとしての一貫性はなく一話完結である。また新聞、雑誌への掲載の為か散文的でもある。著者は「まえがき」で古文書を通して日本史の内幕に読者を案内したいと述べているが、残念ながら記述内容が内幕とは言い難く、正直内容に物足らなさを感じざるを得ない。
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<目次>
まえがき
第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
第2章 家康の出世街道
第3章 戦国女性の素顔
第4章 この国を支える文化の話
第5章 幕末維新の裏側
第6章 ルーツをたどる
第7章 災害から立ち上がる日本人
<内容>
現在は京都の国際文化センター教授の磯田さんの本。「読売新聞」連載の「古今をちこち」をベースに他の雑誌の記事を合わせたもの。新聞連載なので一篇一篇は短い。また、古文書読みのプロなので、古本屋から手に入れた古文書の話が多い。読んでいると「ほんとかな?」というぐらい面白いネタがゴロゴロある。いくつかを組み合わせれば、いっぱしの論文ができそうな感じである。それが惜しげもなく書かれているので、かえって疑ってしまうのだ。また、テレビに出ているせいか、顔が広い。本人の性格なのかどこでも話がトントンと進む。この歴史のはざまの面白さ。これが歴史だと思う。
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良い。
磯田さんはいい人。手間を惜しまない。現代的な歴史学者。
日本史の内幕というほど突っ込んだ内容ではない。エッセイ集みたいな印象。
会津に戊辰戦争で亡くなった自分の遠い親戚の墓を探しに行くお話は感動した。
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日本史関連のエッセイ集。
得意の古文書解読から、それに係わる地への探訪、
著者が係わった映像やTV、近々の話題等の話も楽しい。
連載の関係で、短文ばかりだけど、人名索引があるから、
気になったら読み返しが出来るのも親切。
西郷隆盛や井伊直虎、築山殿・・・んん?と
目が留まる内容が多く、
日本史への興味を大いに掻き立ててくれました。
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なかなか面白い内容だと思いました。
やはり歴史や古文書に対しても
それ以外の学術・研究の調べる・研究するということは
面白くわくわくすることだと思いました。
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古文書オタクとも称する著者の本領発揮ともいえる、古文書から解き明かした「日本史の内幕」エッセイ。
歴史好きの読者なら、見逃せない一冊。
目次だけを見ても、興味津々となる。
「城の便所の天井は高く」「美女処刑と信長の死」「龍馬が導いた西郷書状」「吉田松陰の複雑な側面」「江戸期の婚礼マニュアル」…etc
歴史の実像は、古文書という一次情報からしかわからないと、著者は説く。
歴史を語る一方で、現代の課題にも言及する。
古代の中国人韓信の自制の故事を引いて、かつて日本は大和魂を叫び中国を馬鹿にして韓信の自制を失って失敗したが、いま大国意識を振りかざす中国も、自制を失うと同じ陥穽にはまるのではないかと。
さらに、他のアジアの国々と違い、日本が植民地とならずに独立を保ってこられたのも、江戸時代が世界一の「書物の国」で自らの出版文化を持ち独自の思想と情報の交流が行われたからと説き、粗雑本を濫造する現状の出版界を自戒する。
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注目すべきは、貝原益軒の療養訓である。日々の食事や薬の飲み方、心構え等を解いた健康的な生活への指南書で大ベストセラーとなった。この本がなければ保健衛生意識の高い日本社会も、長寿国家日本もなかった。それほど日本の健康観与えた影響は大きく、元禄期に書かれた本が大きな遺産を残してくれたと言って良い 本を読んだり、著者になったりと言う国民リテラシーの増大が肥沃な土壌になるが、今は土壌自体が流出しかかっている。まずはいかにして土留めするか この点、方谷は西郷より人物が大きいのかもしれない。いや少なくとも謙虚であった。他人を小人よばわりしたらしい弟子の三島中洲には世に小人なし。一切、衆生、みな愛すべしと言って戒めている。世につまらぬ人間などいない、みんな愛そう、と言った
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歴史を研究する鉄則のひとつとして「一次資料をあたる」ことが大切ですが、一次資料である古文書をとことん研究し、私たちにおもしろい話を提示してくれる、私の憧れの歴史学者の一人、磯田道史さんの本です。
出版されてずいぶん経ってしまいましたが、図書館で借りた本を読みこなす合間を縫いながらやっと読了できました。
文章は決して難しくはありません。「古文書から歴史を読み解く」がテーマの本ではありますが、古文書のような文章が並んでいるわけでもありません。
古文書からわかった歴史をわかりやすく解説してくれるだけでなく、その古文書が見つかった背景やエピソードも満載。
磯田さんの楽しげな様子もよくわかり、楽しく読めます。
そしてこの本を読み終わった今、無性にGEOに行きたいんですよね。TSUTAYAでもいいですが。
「殿、利息でござる!」が観たい。今更ですけど。
映画ができる裏話も載っているので、読んだ後はこの映画、観たくなりますよ。
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古文書から事実に辿りつこうとする姿勢が、随所に出てくる。
色んなことを発見されているが、それは平素からの探究心と人脈形成の為せることだと思います。
著者の好奇心の強さが、よく分かるし、それがどんどん伝わってくる。
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常に新しい古文書を探している著者が新しい資料を発見して、新しい歴史の解釈を説明してくれたり、自分の説を確認したり、非常に読みやすく面白い本です。
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さまざまな古文書を読み解き、前後を付き合わせることで日本史の新たな一面を浮き上がらせる。
それは地震の記述から防災を、毒味役の日記から特殊な仕事の様子がわかる。
著者の指摘の通り、日本は文字の国、本の国。誇るべき文化である。
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歴史の薀蓄を書いた本。この本を読んでいると古文書を読めることがとても羨ましく思うが、もう少しタイトル通りに「日本史の内幕」がわかるのかと思ったら、ただの歴史エッセー集だった。自分の書いた本や、原作の映画を自画自賛しているところも鼻についた。
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帯には「小説や教科書ではわからない魅力」とある。
著者ご本人も、まえがきで「教科書的な、表向きの歴史理解にとどまって、歴史常識を維持したい方は、読まれないほうが良い本かもしれない」と述べている。
自分はどちらかというと、「歴史は暗記」というイメージを持ち続けていた。これは学生時代の教師が良くなかったのだと、本書を読んでやっとわかった。小学校や中学校の先生が、著者のような先生だったら、きっと歴史の授業は楽しくて仕方がなかっただろう。
著者は、古文書を読める。ダイレクトにその時代と接点を持つ。誰かから聞いた間接的な情報ではなく、自分の目で直接真実を追求し、そこから見えてくるものをさらに深堀していく。
通りいっぺんの教科書の歴史は無味乾燥だが、本書を読めば、生々しい当時の真実にアプローチする著者とまるで一緒に古文書を読んでいるかのようで、もっと言えば時代をさかのぼってその時代の現場までいってしまったようなリアリティを感じることができる。
卑弥呼の時代には卑弥呼の時代の現実があり、家康の時代には家康の時代の現実があったんだな。今とは異なる戦国時代のトイレの実情があったんだな。戦いだけが歴史ではなく、能にも、香にも、生け花にも、そういう文化的なものにも歴史というものがあるんだな。・・・とそういう風に、リアリティを感じさせてくれるのが、磯田氏の歴史であるなと思う。
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物凄く面白かった。この先生の他の本も読みたいし、古文書を読めるようになりたいと凄く思った。自分の故郷の郷土史を調べたいと思った。
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新聞連載や雑誌掲載の文章をまとめたもので、一つ一つが短いのでとても読みやすい。電車内で読むのにピッタリなカンジ。 読んでるうちに、古文書が読めると楽しいだろうなぁと思えてくる。一般庶民の生活を直に感じることができてとても楽しそう。
ただ、連載で字数制限があるためか、アッサリと終わってしまうテーマも多く、文章の終わり方が唐突だったりもして、物足りない気持ちにもなる。
ま、「入り口」として読んで、興味を持ったテーマは各々ほかの本で掘り下げましょう、ということだろう。