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戦略とは何か?をまとめた本。500ページを超えた本で読み切るのにかなりの時間を要したが、なるほどと思わされる部分が多く為になった。
簡単にまとめると、戦略をたてるのは目標(特にシェアや財務の目標)を設定する事では無い。組織が直面する問題を洗い出し、診断し、最重要課題ポイントを見極め、どう取り組むかを議論する事である。この部分がしっかり出来れば、それを実行を管理する目標は自然に出来てくる。世の中目標を立ててから戦略をたてようとする間違った対応をする事例が多すぎると。私の所属する会社は大丈夫か?この本で得られた知見から判断してみたい。
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アイデアを生む最も信頼できる方法は『難しいと感じたところ』を『とことん考える』こと。そしてそのときに役に立つのは、粘り抜く、類推する、視点を変える、暗黙の前提を言語化する、常に“なぜ”を問う、無意識の制約に気づく、の6つ。
効率がとことん求められるご時世において、これがなかなか難しい…。
VUCAの時代にRBVが当てはまるのかと斜に構えて読み始めたが、地に足がついた内容だった。戦略ファウンドリー、自分でもやってみよう。
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生産性の高い人は、最重要ポイントに全力で集中することで、直面する課題を乗り越える方法を見つけ出す
優れた経営者は朝令暮改も辞さないとあるが、行動の一貫性も重要とある。
それは多分みんなわかっているが、今が考えを改め戦略を実行するのか、それとも行動の一貫性を保ちその戦略を推し進めるのか、その決断が一番難しく結果論でしかないのではないか
本当に本当に忘れがちだけど、企業同士の競争ではこれといった強みが何もないのに利益を期待することはできない。
自分が起業するときも、「やりたいから」、「今の流行りだから」、「その場所がいいから」で決めてはいけない。
自分の強みや優位性はどこで、他者との違いや差異がなければ失敗することになる
「組織の規範を変える唯一の方法は、アルファ(ボスザル)を変えること。」
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超高名な経営学者の新刊。
だが残念ながら、本書のメインメッセージには特に目新しい内容や鋭い考察は無かった。
ごく当たり前のことを解像度が低い話で書かれていた。(読み飛ばしながら読んでたからかも?)
第一部(1-7章)で戦略の要諦とは「難しい課題の中の最重要なポイントを見つけることだ」的なことを言っている。
。。。
う、うん。。。?
これが本書のタイトルにもなっている最も言いたかったこと?
そもそもそれは課題分析の話だし、戦略とは課題解決である、という大学生みたいな認識で話が進むのに違和感を覚えた。
第二部(8-10章)では「課題分析によって最重要ポイントを見極める方法を伝える」ということで期待して読み進めるが、残念ながらここもイマイチだった。。。
翻訳の問題なのか、洋書ならではの冗長な構成に自分自身が合わないからなのかはわからないが、主題に対してサポートする文章としては説得力と納得感に欠ける内容だったように思える。
ここまで読んでこの本は断念した。
以降を流し見しても、ChatGPTに書かせたのかな?と思うような、フワッとしたそれっぽいことしか書かれていないような気がしてしまった。
ただ、所々に言語化をされて「確かに」と思う内容が含まれていた。
「フレームワークは、ある状況で重要な要素に注意を促すツールとして用意されているのであって、これを使えば特定の状況に適した戦略を導き出せるわけではない。」P57
「こうした鋭い洞察(ひらめき)は、それまで見ていた世界の1部を変える。新しい見方のできなかった競争相手は取り残されてしまう。」
「ひらめきは、得ようと思って得られるものではない。それでもいくつか手立てはある。まず問題の原因をわかっていないときには、解決策がひらめく事は期待できない。視点を変える練習を積み、状況を裏から見たり、斜めから見たりするとひらめきが安くなる。また最重要ポイントに心にフォーカスすることの重要性を理解していると、ひらめきは生まれやすい。さらに、過去の戦略の幅広いレパートリーも大いに役立つ。加えて、正しい出発点に立つことも大切だ。私自身は、まだ誰も疑義を呈していない前提、以外の対立、リソースの非対称性、当事者や関係者の慣習的行動や前例といったものにまず注目する。」P76
P225での某企業の戦略プランの説明を聞いたルメルト教授の「この戦略の何に難しさがあるのか?」という問いは示唆に富む視点だと感じた。今現在出来ていなくて、解決するのが難しい部分に着目してそれが解決できれば競争優位に繋がるはず。
難しさを言語化して、(多くの場合、相反する2つ以上の課題を)解決出来るアイデアを必死に考える重要性を教えてくれる良い問いだと思った。
そしてそのアイデアを生み出すためには上記のひらめきのプロセスが参考になる。
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戦略は課題の本質を見抜いて考えるもの、でも良い戦略を考える明確なプロセスはない、というのが要諦かと捉えた。そうなると最初の方の記述で十分で、それ以外の部分は費用対効果があまり良くないように感じた。
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戦略の良し悪しを考えさせられる思想に近い。
しかしながら納得する部分が多い。
実行段階においてはどうやればいいのか?と考えることもあるが、これまた同時期に刊行されていたThinkBiggerを参考に進めてみるのが相性が良さそう。
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===qte===
(短評)『戦略の要諦』リチャード・P・ルメルト著
2024/2/10付日本経済新聞 朝刊
■『戦略の要諦』リチャード・P・ルメルト著
企業が戦略を策定する際に本当に重要なことは何か。経営戦略論が専門の著者が、自説を分かりやすく解説したビジネス書である。
主張は明快だ。戦略に必要なのは、成長するために克服可能な最重要ポイントを見極め、その解決法を見つけること。イーロン・マスク氏の宇宙ビジネスなら、ロケット打ち上げを高額なロシアに委託せず、打ち上げ費用の大幅な下げが不可欠。その結果、再使用の手法を編み出し、事業を大きく飛躍させたと説く。
はやりのミッションやパーパスのような願望や理想は戦略ではないと喝破する。具体的な戦略は個々の企業により千差万別だが、その内容は企業の経営層にとって多くの示唆に富む。村井章子訳。(日本経済新聞出版・2420円)
===unqte===
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戦略とは作って終わりではなく、課題発見と解決の連続。ステートメントやビジョンのようなふんわりしたものではなく、現実に即した課題解決の連続。
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戦略の要諦
著:リチャード・P・ルメルト
訳:村井章子
戦略とは何か、ということを語る大書
扉に、こうある
戦略の策定とは
意思決定ではない
目標設定でもない
卓越した優位性も
長期的ビジョンも
他社との比較も要らない
戦略の策定とは、克服可能な最重要ポイントを見極め
それを解決する方法を見つけることである
と
気になったのは、以下になります。
■序
戦略を立てるスキルは3つの要素で形成される
・ほんとうに重要なのはどれで、後回ししてよいのはどれかを見極める能力
・その重要な問題の解決は手持ちのリーソスで現実的に解決可能なのかを判断する能力
・リーソスを集中して投入する決断を下す能力
最重要ポイントという概念を導入すると、注意がまさにその一点に集中するという効果が得られる
生産性の高い人は、最重要ポイントに全力で集中することで、直面する課題を乗り越える方法を見つけ出す
困難な課題に挑むときには、まず何が問題なのかを理解することだ
こと戦略に関する限り、リスクの大きさや勝つ確立を理解してなければならない
企業の戦略を立てるからには、今日の行動が将来の成果にどうつながるのか、説得力のあるストーリで戦略を語って信頼をえなければならない
戦略のロジックは、大胆なギャンブラーでなく、冷静で賢明な人が納得できるものであることが必須条件だ
本書で訴えたいこと4つ
・戦略を立てる最善の方法は、困難な課題に正面から立ち向かうこと
・活用できるリソースを確認すること
・いかにも魅力的な誘惑に負けたり、横道にそれたりしないように注意すること
・グループや、ワークショップ方式で戦略を立てるやり方は落とし穴が多いと心得ること
■課題に基づく戦略と最重要ポイント
戦略課題に取り組むうえで重要なステップは、その課題を正しく診断することである
・何が起きているのかを理解し、
・最重要ポイントを特定し、
・とるべき妥当な行動方針を決める
効果的な戦略は、直面する課題を洗い出し、リソースの制約や競争状況を考慮し、そこに野心が加味されるところから生まれる
有能なリーダは組織がいま実際に直面している状況をじっくり見つめ、たくさんの野心のうち、いくつかを振るい落とす
前に進むためには野心や価値観を選別する必要がある
診断は戦略策定の出発点である
手ごわい課題に取り組むときには、その課題の本質を見極めることが重要である
・いったい何がおきているのか
・解決を困難にしている最大の原因はなにか
・どの障害物は取り除けそうか
・どの制約は緩和できそうか
課題を診断したうえで解決を考え抜くことこそ、戦略を立てる最善の方法である
課題を分析すると同時に手持ちのリソースを点検し、最大の難所を乗り越える方法を練る
とほうもなく困難な課題とは何か
・問題自体の明確な定義ができない
・解決策が二者択一ということはめったにない
・考えられる行動とその結果との関係がはっきりしない
相反する願望と現実、ニーズ、手持ちのリソースなど、さまざまな条件が絡まりあう中で最重要ポイントを見定めてからでないと
とほうもなく困難な課題は解決できない
●収集とは、直面する難題と機械をリストアップし、何も見落としがないようにする作業である
こうすれば、最初に思い浮かんだものから取り掛かるという愚を避けることができる
●分類では、リストアップした項目をグループ分けする
書き出された問題は複合的な性格のものであることが多いため、それを切り分ける作業が必要になる
●収集と分類が終わった段階で、取り組むべきことが多すぎるし、絡んでいる利害も多すぎることにあなたは気づくだろう
そこで選別が必要となる
●緊急性に基づいて、順位をつけ、喫緊の課題をいちばん上にし、先送りできるものは、下に回す
●選別が終わったら、重要性と取り組み可能性を評価する
重要性とは組織の中心的な価値あるいは組織の存在を脅かすかどうか、
または、組織の飛躍的成長につながるような大きなチャンスかどうかその度合いを意味する
取り組み可能性とは、個人または、組織のリソースでもって現実的に解決が可能かどうかを意味する
重要性よりも取り組み可能性を評価するほうが悩ましい
一部の課題はあきらかに取り組みが容易だろう
一部の課題はきわめて重要だが、手も付けられないように見えたりする
最重要ポイントは後者に潜んでいることが多い
死活的に重要なのに手が付けられそうにもない課題には、最大限の注意を払わなければならない
●課題の最重要ポイントは、さまざまな条件、リソース面の制約、方針の衝突などが重なって摩擦熱を発するようなポイントである
とほうもなく困難な課題に取り組むとき、収集・分類・選別のプロセスを経て、最重要ポイントにフォーカスしない限り、
解決は極めて困難で長くかかる、もしくは、解決できない
●とほうもない困難な課題について、選別プロセスが完了し、アタックするポイントが定まったら、取るべき行動を何通りか、考えることが
第二の手順となる
チーム内で出された案をすでに分かっている事実や知識と照らし合わせ、確実な情報と齟齬をきたすような提案は却下する
●ひらめき ⇒ とことん考えること ⇒ アイデアを生む最も信頼できる方法は6つ
①粘り抜く
②類推する
③視点を変える
④暗黙の前提を言語化する
⑤つねに「なぜ」と問う
⑥無意識の制約に気づく
戦略とは継続的なプロセスであることを認識する
●戦略を考えるときには、他といちばん差をつけられそうなところ、つまり、「勝てる」ところにフォーカスしなければならない
相反する価値観や願望がせめぎ合い、どちらを選ぶか決めかねるようなとき、英語では、心が二つになるという
●こうし���状況における問題の最重要ポイントは、価値観あるいは願望が最も激しく対立するところに存在する
この状態から抜け出すには、価値観や願望が課す制約条件のどれかを緩和するか排除しなけれならない
●戦略課題は、決定的に重要 かつ 現実的に取り組み可能 でなければならない
人知では乗り越えられないような課題は、いかに重要でも戦略の対象とはなりえない
<成長への7つの道>
1 ユニークバリューを提供する
2 不要な活動を排除する
3 機敏であれ
4 合併・買収を活用する
5 必要以上に払わない
6 バケモノを育てない バケモノとは古い組織の中核に巣くう仕組みやシステムのこと
7 細工はしない
●戦略を策定し、実行するためには、そのための権限を得なければならない
方針と行動が一貫していること
一貫性のある方針とは、目を引くような奇をてらったものではない、一貫性を追求すれば、ひたすら思慮深く賢い方針となる
一貫性のある戦略は、問題の最重要ポイントに焦点を合わせる
目次
はじめに フォンテーヌブローの森にて
第1部 課題に基づく戦略と最重要ポイント
第1章 戦略自動作成機は存在しない
第2章 課題を解きほぐす
第3章 戦略は長い旅路である
第4章 どこなら勝てるか
第5章 戦略と成長
第6章 戦略と権力
第7章 行動の一貫性
第2部 診断
第8章 アナロジーとリフレーミング
第9章 比較とフレームワーク
第10章 分析ツールの活用は慎重に
第3部 最重要ポイントを攻略する
第11章 強みを探す
第12章 イノベーション
第13章 組織の機能不全
第4部 リーダーを迷わす誘惑
第14章 目標が先ではない
第15章 戦略と目標管理はちがう
第16章 現在の財務実績は過去の戦略の結果である
第17章 戦略プランニングの活用と誤用
第5部 戦略ファウンドリー
第18章 ラムズフェルドの疑問
第19章 戦略ファウンドリーの擬似体験
第20章 戦略ファウンドリー:コンセプトとツール
謝辞
原註
ISBN:9784296117529
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:528ページ
定価:2200円(本体)
発売日:2023年11月28日1版1刷
発売日:2023年12月12日1版2刷
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最近流行している「ミッション」「パーパス」経営の危うさを指摘する内容
願望や理想は目標であり
戦略とは重大な課題を克服すべく設計された方針と行動の複合体であると定義づけしており
この2つを混同している場合が非常に多い
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まるで言うとおりにするかは差し置いても、ミッションやビジョン、バリュー、パーパスの策定に夢中になっている高校生みたいな経営陣には重要な話で、耳障りのいいことに夢中になっててもなんにもならないし、利害調整は本質ではないことが再認識できる。
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備忘録:
・1章 戦略自動作成機は存在しない
└戦略のは組織の命運を決するような重大かつ困難な課題解決をするために設計された方針と行動計画の組み合わせを意味する。
戦略は組織が直面する課題を特定し理解することから始まる
効率的な戦略は直面する課題を洗い出し、さらにリソースの制約状況を考慮しそこに野心が加味されるところから生まれる。
・第8章 アナロジーとリフレーミング
戦略はある種問題解決。問題を理解していないと答えを出すことができない。直面する問題を理解するカギは診断プロセスにある。
診断にはアナロジー(類推)とリフレーミング(再構成)、比較、分析が有効。
アナロジーとは直面する課題とよく似た状況を探し、両者の類似性や共通性を手掛かりに現在の課題を理解する手法。
リフレーミングももう1つの診断に役立つツール。どの切り口から見るか?を指している。
・第9章 分析ツールの活用は慎重に
破壊的イノベーションへの対応が遅れ敗北した企業の問題は、
A.対応には莫大なコストがかかりそれに見合わない
と判断
B.対応に必要な技術力、財務的な体力、組織体制が備わっていない
C.現在のエコシステム全体を破壊してしまう
・第14章 目標が先ではない
良い戦略目標は戦略を立てた結果であり、目標が先ではない。
明確な目標設定は意思決定にすぎない。目標を決める時企業は何をするか、何をしないかを選択したことになる。こうした明確な目標は経営幹部がどこに時間とエネルギーを集中させるか、どこに企業のリソースを配分するかを決定づける。
良い目標の特徴は、
①問題を整理して曖昧さを解消し解決可能な単純な形で定義し直す
②達成する方法がわかっている、または達成する方法が見つかると合理的に予想できる
③明確な選択肢を示し、焦点を絞り、意見対立を解消し、何をすべきで何をすべきでないか理解する助けとなる
④必ずしも全員が賛成するとは限らない
・第16章 現在の財務実績は過去の戦略の結果である
イーロンマスクはテスラの株式を非公開化を目指したことがある。(その後に撤回)動機としては、
上場していると四半期ごとの財務報告が重圧となりある四半期にとって適切でも必ずしも長期的には正しくない判断をくだすことになりかねない。
ジョブズから学びたいなら彼がやらなかったことから学ぶと良い。
①常に業績指標にフォーカスすることによって事業を成功に導くことはしなかった。
②主な成功要因に連動するインセンティブを設けることによって業績改善をすることはしなかった。
③あらゆるレベルの社員が参加してコンセンサスを醸成し、将来展望や価値観において一枚岩となることにより戦略を立てることはしなかった。
④ミッション、ビジョン、目標、戦略をどうするかに頭を悩ませて時間を無駄にすることはしなかった
⑤戦略的成長目標達成のために買収することはしなかった
⑥規模の経済を追求して利益率を高めることに興味がなかった
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素晴らしかった。
困難だが解決可能な最重要ポイントを見つけて、そこにリソースをぶちこむ
現状を鑑みない理想だけの目標はクソ
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前著「良い戦略 悪い戦略」の加筆版といったところ。事例が豊富なのは良いのだが逆に読み切るための分量も多くてややしんどい。最終章の「戦略ファウンドリー」で、実際に経営幹部たちが戦略を検討した事例が書かれているのが参考になった。後で手のひら返しにならないようにするためのコツまで書いてあって実践的。
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