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旦那の赴任に付き添う元銀座のホステスによる北京道中膝栗毛
2023年、5回も中国行った身としては本屋で見つけて即買い
主人公の自分ファーストで、どこでも臆せず飛び込んで行くサマが、あの国で細かいこと気にしてたら頭おかしくなる教訓を思い出させてくれます
最後は、女性らしさのステレオタイプや匿名誹謗中傷社会にはびこる正論に中指立てる逆張り展開
スッキリ痛快に読み倒せました
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すごい。綿谷りさって昔1冊だけ読んだと思うのだけど、その本もラスト数ページの勢いが凄かった気がする。と読み終わって思い出した。身も心もギャル(?)であるヒロインの疾走感が、ピリピリ心にくる。刹那的で短絡的で、でも突き抜けてるから強くて解放感がある。食べたことないけど本場の中華料理も、こんな感じの刺激でクセになるんだろうか?
一口で説明するとほぼショッピング&食べログin北京、だけの内容となる。食レポが不思議と美味しそうで、これエッセイ?と勘違いしそうになる。
ただ最後には、何故か菖蒲姐さんのファンになっているし、心がデトックスされた感がある。彼女の天才的な表現は笑えるし。
他人の目を気にせず100%自分の為にそりゃ生きたいけど中々できないじゃん、というのが人生の一面で、落ち込んだ時に読み返したい1冊になりました。
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描かれている人物像がとても痛快。そしてそれを描く綿矢さんの言葉のチョイス一つ一つ(登場人物&動物の名付け方など基本的な設定の作り方も含め)が素晴らしいと思った。
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中国のパワーに負けていない菖蒲さん。
コロナ禍の中、パッキパキな寒さでも外に出て楽しむバイタリティーに溢れる様子は、壮快だった。
そして、最後に出した結論は菖蒲さんらしかった。
「私も世界にたった一人の大切な赤ちゃん、せっかく生まれたんだから、このラッキーを味わいつくさなきゃ。」という菖浦さんが、精神勝利法を極めたらもっと面白い人になるだろうと思った。私は、一気に読んで爽快感が味わえた。
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北京に単身赴任している夫から中国に馴染めず適応障害気味で、厳しいコロナ対策で家からも出られずに鬱寸前なので、こちらへ来て欲しいと言われた菖蒲。
中国には特に思い入れもなく、中国語も喋れないが夫に呼ばれてまぁ行くか…と。
行ったからには…と菖蒲は北京を楽しむ。
シビアなほど陰と陽をはっきりさせてる北京。
油断してるといきなり野趣が溢れだしてくる。
中国の人は話すとき声デカい。
だからって何⁈とばかりに菖蒲は今日も歩く。
とにかく自分で自分のことを面の皮厚蔵だから煙たがれたりもするけど、全然へこたれない。
強く逞しいのが菖蒲だ。
北京の激しさに負けない菖蒲を味わい尽くしたという一冊だった。
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主人公のゴーイングマイウェイ、自分大好き、超絶前向き思考。ここまで徹底してるとあっぱれ!まさしく日本より北京に向いてる性格。最後にたどり着いた人生目標、永久に世界に完全勝利すること間違いなしです。
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言葉遣い!笑
元気になる
ウソだらけでもその場をしのげたら、上出来。私にとって知性とはムカつく相手をどれくらい早く言い負かせるかだし
女性はポーカーフェイスが必須です、感情を無にしてようやく、これだから女は感情的だ話にならない、とは言われなくなります。喜怒哀楽どれもそうですが、怒るなんてもっての外。男が鼻血出そうなくらい怒ってても、森林でヨガしてるくらい無の境地でいなさい、それでようやく対等です
屑のために死ぬな
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ふつうにいけばタダの北京見聞記が、北京で受けた刺激の鏡写しみたいな主人公の一人称語りにすることで、立派な小説になってしまう。軽快なリズムが気持ちよい
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元銀座のホステス、お金を使うこと大好き。
そんな主人公が夫が赴任するコロナ禍から脱しきってない北京に移住。
パッキパッキの生活を送ると。振り回されない生きてる女性感が面白い。さすが
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「嫌いなら呼ぶなよ」に続く「パッキパキ北京」。最近の文体を綿矢りさ軽薄体とでも勝手に呼びたいのだけど、どうにもこうにもいろいろ吹っ切れちゃった人の目線で、選択肢など初めからなかったかのように道をすっぱり決めつけてずんずん進んでいく様子が気持ちいい。無理なもんは無理だしー、みたいな。それをそのまま書ける人、なかなかいないんだよなー。
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フィクションなんだけどエッセイっぽさがあっておもしろかった
ラスト10ページぐらいのあの勢いがかなり良かった
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エッセイとすると、もう少し、考えがほしい。
小説とするなら、ストーリーの展開としては少なく感じた。
ストーリー展開と主人公の心情と比較して、
街の紹介か多く、描写が細かすぎて北京のリアリティを凄く知りたいって人にだったら向いているかもしれない。
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芥川賞を取った頃一冊読んだきりの綿谷りさ。泉鏡花賞の選考委員をしているので、美しく大人の女性になった姿を見ることはあるが、まさかこんなうまい文章を書くようになっていたとは(すごい上から目線!失礼!)。
駐妻と言ってもかなり異色の菖蒲(あやめ)。たいていの日本人の口には合わない、ガチ中華を堪能するなど、適応力がすごい。中国の街の様子もかなり詳しく、あるあると頷いてしまう。調べてみると、作者本人が駐妻として中国にいたことがあるそうだ。どうりでリアルさが半端ない。
菖蒲は知識はないかもしれないけど、すごく頭のいい女性だと思った。
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味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを-。
『蹴りたい背中』以来の綿矢りさsan。
コロナ禍の北京で単身赴任する夫、妻の菖蒲(あやめ)と愛犬ペイペイ、お祭り騒ぎの春節、超絶なローカルフード、カオスな交通事情など。
中国語の簡体字が画数を減らした漢字のため、文字一つ一つが「ヨガのポーズを決めているように見える」という感覚は新鮮でした。(同感1)
また、私も上海の歩道で、何度も「自転タ―」にわき腹?を狙われた事があるので、恐ろしさも納得でした。(同感2)
菖蒲は自身で”面の皮厚蔵(つらのかわあつぞう)”と呼ぶほど、一見何も考えずただ豪快な人のようですが、実はしっかりと周りの人や環境に順応しながら、且つ自分の芯も持って生きていると感じました。
ネット上で叩かれたことに対しては、所詮電子の絵空事、罵詈雑言なんてそよ風、シーブリーズ。そんな”屑のために死ぬな!”と。魂の叫び。
ひとりひとりの精神勝利法を習得して、楽しく生きていきましょう!
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笑っちゃうほどポジティブマインドの主人公・菖蒲の適応力が素晴らしい。ローカルな世界にもどんどん入り込んでいく。彼女ならどんな国でもたくましく生きていけそう。
「情報強者」だがリスクに怯えて家に閉じこもって仕事ばかりの夫に比べて、外を歩き回って全力で遊ぶ菖蒲の方がずっと楽しそうに生きている。五感を使って出かけた方が絶対楽しいよね、と共感できた。
北京の街中の精緻な描写も読んでいて楽しく、北京に行ってみたくなった。
軽快な文体も相まって一気読み。