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もう何十年かぶり…というほど久しぶりに赤川次郎作品を楽しんだ。
大学受験に向かう女子高生が目撃した射殺事件。
かなりの衝撃に信じられない気持ちが渦巻いているのだろうが、どうしたらいいのか…とにかくは受験校へと走る。
なすすべもなく日は過ぎていくのだが、ハッキリと目撃した犯人の顔を忘れることはなく…
やがて親友の恋人として再び目の前にしたとき。
ハラハラしながらも女性刑事と大学へ進学した彼女たちの行動に目が離せない。
事件をひとりで追う女性刑事に大臣秘書と繋がりができ、その大臣の周りで起こる不審な出来事とは…。
凶悪な事件に権力の醜悪という、かなりのサスペンスだがそれを感じさせないのが赤川ミステリーなのか…と改めて感じた。
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珍しいのかどうかわからないが、社会派の赤川次郎。
権力の腐敗と暴走。それに翻弄される市民。
マスコミも警察も全く当てにならず、個人では、スルーするか長いものにまかれるしかないが、いずれにせよ、結局個人は追い詰められる。
そして権力の暴走に個人レベルで抗っても、圧倒的に不利なことが描かれる。
最後の最後まで、黒幕は保身をはかる。
小説ほど酷いとは思っていなかったが、現実でも政治家の裏金問題やら、統一教会問題やらを見ていると、構造は全く同じ。
変わらないからと言って放っておくと、この小説のように、いずれは自分の首が絞まるのだろうという危機感が焚きつけられる。ここ数十年間の日本社会の地盤沈下は、そうした構造を野放しにしてきた我々市民の責任かもしれない。自分の首が絞まるならまだしも、将来世代の首が絞まることになるのだろう。
逃げきるのではなく、何を自分がするのかということは大切なこと。若者たちにもぜひ読んでほしい。
サラッと読めるサスペンスの中に、社会の課題を描き、個人の葛藤やドラマも盛り込まれた良質なエンタメ。
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装丁のオッドアイの猫に惹かれたが、著者といえば猫だから?
さて、政治や警察ミステリーなのだが、近年の小説のようにおどろおどろしくなく、淡々と謎解きが進んでいく。なんだかんだと本当の悪人は存在せず。
今のミステリーとは異質で、それがある意味、新鮮ですらある。昔「三毛猫ホームズ」を愛読していた読者として、昔を懐かしみながらの感もある。
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大昔、子供だった頃に世の中で流行っていた《三毛猫ホームズ》のシリーズ。
今回、何かで好意的な書評を見たので、久しぶりに手に取った赤川次郎作品。
政治的権力の部分、多様性の世の中になっても許されることのない性的嗜好。
著者には珍しく(かな?)重いテーマも扱っているが、そこはやっぱり赤川次郎。
いい感じにご都合的にスムーズに進行する部分もちらほら。女子大生(若い女性)も欠かせない。
が、それはそれでいいのかも。
ライトで読みやすいエンタメだった。
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図書館で借りた本。
タイトルに惹かれて読破。
主人公は麻紀という女子大学。大学受験に向かう途中、殺人事件に出くわし、犯人の顔を真正面から目撃したことにより事件の鍵を握る人物に。
さらに、その殺された人物の元妻である芳子という人物と、殺された人物が通っていたバーの充子と杏という女性。
その後は麻紀の友達のルミや、女刑事、その同僚、すずかけや、政界の山倉、謎の人物前畑(偽名)、その他人物により物語は動き始める。
結末に近づくにつれ、物語は加速し、真実が明るみに出始める。山倉の秘密、前畑、すずかけの目論見などなど見所は沢山。
ただ、どうもしっくりこないところもあり個人的には星3。
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にゃんソロジーの近くにあった猫表紙に併せて手に取ったが、猫は出てこなかった(苦笑)
久しぶりに読んだけど良くも悪くも変わらない赤川テイスト。
読みやすいけどさらっとしてる分苦味も強い。
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昔、三毛猫ホームズシリーズにはまって以来の赤川次郎さん。
やっぱり読みやすくてスイスイ完読。
このみ刑事の単独行動が多くて、刑事って2人組じゃないの?と思ったり、殺し屋が案外ころっと恋に落ちていたり、たまに小さな疑問はあったけど、なんだか軽く読める感じなので、通勤中なんかにいいかも。