投稿元:
レビューを見る
澤村伊智「みてるよ」★★
芦花公園「終わった町」★★★
平山夢明「さよならブンブン」★★
雨穴「告発者」★★
五味弘文「とざし念仏」★★★
瀬名秀明「一一分間」★★★
田中俊行「学校の怖い話」★★
梨「民法第961条」★★★★
投稿元:
レビューを見る
恐怖のツボを刺激。
「さよならブンブン」怪猫,読後感良し。
「告発者」悪行動画,後味悪い。
「閉し念仏」ドラム缶の息苦しさ。
「11分間」AI暴走。
「民法961条」15才遺言能力は初耳。
投稿元:
レビューを見る
中学生向けに表現を抑えてるところはあるものの、どの作品も作者の持ち味とジャンルの持ち味が出てて面白い。
まず本編を味わってから物語構造に触れられる流れは、ホラー創作を始めたい人の参考にもなるかも。
平山夢明先生の作品は今まで後味最悪なやつばっかり読んできたから『さよならブンブン』の読後感のよさはちょっと意外だった。
投稿元:
レビューを見る
ホラーと言っても、いくつかの形式に分類出来る。本書は八つに分類されたホラー小説と形式ごとの解説を行う、読者にも、書き手にも役立つ入門書。ホラーとは日常が僅かにずれていく居心地の悪さの積み重ねだと私は思っているので、短編だとそこが弱く感じてしまったが、解説は分かり易く興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
ホラーの読書案内として優れた一冊。ホラー小説を「心霊ホラー」「オカルトホラー」「シチュエーションホラー」「SFホラー」「モンスターホラー」「サスペンスホラー」「怪談」「モキュメンタリーホラー」というジャンルに分類し、それぞれ短編とともに解説がついている。ホラー小説に解説、というのは無粋な行為であるようにも思うが、本書が「14才の世渡り術」というシリーズの一環として刊行されていることを考慮すれば、むしろ自分がどの分野のホラーにどんな魅力を感じたかを考える一助になっていると思う。巻末にはブックリストもついているので(中にはYA世代が読むのはどうだろう…と思う本もあるが、そうした本には※印がついていて注意を促している)文字通り「ホラーの扉」としての役割を果たしている。ちなみに作品は好き嫌いの分かれるところと思うが、自分はサスペンスホラーに分類された雨月氏の「告発者」が1番良かった。
投稿元:
レビューを見る
ホラーはなぜ怖い? 人気作家陣が書き下ろしたホラーを各ジャンルの魅力解説とともに味わう、ホラーカンパニー・株式会社闇がてがけたもっとホラーを「楽しむ」ための最恐アンソロジー。
ホラーが、なぜ他のジャンルと違いハードルが高いか?それは、自分の好みのジャンルを見つけにくいからということで、様々なホラージャンルの短編を集めたアンソロジー。
コアなホラーファンには物足りないが、ホラー初心者向けの分かりやすいストーリーではあるけど、ホラーならではのじわじわと恐さを高める絶妙な語り口のエピソードばかり。
「ぼぎわんが来る」の澤村伊智さんの心霊ホラー「みてるよ」。YouTuberでホラー作家の雨穴さんのサスペンスホラー「告発者」。平山夢明さんのモンスターホラー「さよならブンブン」。
この3本は、ホラー初心者にも楽しめる傑作エピソード。
各ホラージャンルの特徴や解説があるのも、楽しい。
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りました。好きな作家さんと、流行りの作家さんも沢山。手元に来てから中学生向けのシリーズだと知りちょっとがっくりきたのですが、読んでみると嬉しい誤算で、非常に良い本でした。
全て書き下ろしで、どれも面白い!ハズレ無しです。短いのでサクッと読めるし。ホラー入門というテーマで、ホラーを読み始めたのがここ1年ほどである自分にもピッタリでした。巻末にあるブックガイドも参考にしたいです。
1番好きなのは平山夢明の「さよならブンブン」。先月読んだメルカトルが良くも悪くもパンチ強すぎたのだけど、やはり彼の作品には独特な空気があって癖になります。このくらいの残虐レベルでもっと書いてほしいなー。タイトルを見た瞬間、某漫画を連想したのだけど、私だけだろうか。
投稿元:
レビューを見る
・12月14日に読みはじめ、19日に読み終えました。
・たいへんおもしろかった! ホラーはちょこっと読みつつ新しい作家さんを開拓したりなどはしていなかったので、ここからかなり広げられそう。知ってる作家さん、梨さんと雨穴さんだけだし。今回は梨さん目当てで入手しました。
・シリーズがヤングアダルト世代向けなぶん、そのあたりの歳の子が主人公の話だったり学校を舞台にしたものが多くて、ドンピシャで読んでたからもっと怖かっただろうな~と思った。
・『みてるよ』 思い返せば「姿は見えてもそれ自体が何かはわからないまま」っていうホラーばっか読んでたような気がして、こんなにはっきり存在自体や理由がわかる作品はなんかだーいぶ久々だった気持ち。学生のとき読んでたらこの話が一番怖かったかも。多かれ少なかれ、誰もいない廊下を一人で歩くっていうことは経験があると思うし、ちょっと異質な雰囲気だなってたぶんみんな思ったことあると思う。次は誰が標的になるかわからない、もしかしたら自分かもしれない、って思った矢先に怪異の存在理由を知って「次はお前だよ」と言われるのこわすぎるね! 終わり方も好きです。
・『終わった町』 閉鎖的で排他的な町、こわ~。皐のこと、ふつうに女の子だと思ってたからびっくりしたけど、女の子にされてたんだな。閉塞感がただようまま狂っていく町でひとりだけ正気を保っているのが恐ろしいし、それは茜自身が引き起こしたものだとわかって更に怖い!ゾッとする。茜が置かれた状況は自業自得だとひとまとめに言ってしまえるけれども、そもそも皐巫女とか土地神もなんなんだよという話である。そういう理不尽(?)な上位存在がいる話ってどこから学ぶんだろう。いや、学ぶというかそれこそ地域に根づいてきた伝承か…… あと芦花公園っていうペンネームかっこよすぎない? あ、京王線の駅なんだ……
・『さよならブンブン』 モンスターホラーって読んだことなかったけどよかった! ホラーはホラーだなと思ったけど、SFも感じました。ブンブンつよ。その研修施設もなんなんだよ。 ホラーって結構、主人公が何かしらの怪異によっておぞましい目に遭うようなのが多いと思うんだけど、その怪異が自分を救ってくれるパターンは初めてだったので新鮮でよかったです。解説で、モンスターは恐怖と強さだけでなく「かっこよさ」も兼ね備えているケースもある、と書いてあって、すっごく納得した。例で吸血鬼や狼男が挙げられていたけど、それももちろん怪獣とかもそうだしね。ブンブンもかなりかっこよさを描かれていたように感じた。あとお話がすごいジュブナイルだし。 50音表で話してるときのブンブンの肉球……かわいいだろうな。紙に押し付けられる肉球……
・『告発者』 サスペンスですね~。健太郎が何をしたのか知らないまま話が進むから、個人的には健太郎ほんとに悪いことしたんかなあって終盤までずっと思ってた。ので、落差すごかったな。事故とはいえ隠し通すのは普通に最悪だし真相を知った父母のそれぞれの対応もかなり怖かった。唯一話のわかる人だと思っていた父が告発者だとわかるところ、お���ろしくていいですね~。てかまた殺してるぞ!? 真実を受け入れられず、重ねてしまった罪も直視できないまま、母の無償の愛に身を委ねてしまいたいと思ってしまうの、ほんとうにどうしようもなくて、10年前からなんにも変わってないのかという無力感がある。後味悪いねえ!おもしろかった!
・『とざし念仏』 狭くて細くて出られないところってマジで嫌だな。怖いとかいうより嫌だわ。このお話はドラム缶っていう最低限なになのかとか周囲の環境がわかってたしお墓の話といい、ホラーがメインとして描写されてたからよかったけど、そういうのがなかったらけっこう恐怖とかより不快が上回ってたかも。それはそれでホラーとして成功してるわな。分類としてはシチュエーションホラーだし…… お化け屋敷っていう状況と、張り紙一枚で主人公の「死ぬかもしれない」って恐怖が「お化け屋敷のアトラクション/演出」になってたのが恐ろしかった。張り紙にはどんなことが書かれているんだろうと少しワクワクしたのもある!
・『一一分間』 全然怖くなかった……!! たぶん、SFは普段からかなり触れてるからだと思う。ふつうにSF短編としておもしろかった! おそらくオマージュ元であろう『23分間の奇跡』が未読だったので、読んでたらよかったな。 パンデミックとかが出てきて、時代背景は結構近めかな?と思ったら全然未来の話っていうミスリード、何回読んでも好きだなと思う。未来なんかーい!!って人差し指立ててツッコんでます(?) 学校での号令や集団行動、自分がやりたくてやってたかというとそうじゃないので、「あなたたちは本当にいま自分で考えているの?」という言葉はドキっとすると思う。でも本当にすべてを自分で意思決定しなければならなくなったらそれはそれでだいぶきついと思うので、自由とはいえ、ほどほどに縛られてほどほどに流されるのがたぶん一番良いよなと思ったのであった。人間は群れで生きる種族だからね……
・『学校の怖い話』 怪談だ!mp3も聞きました。以前怪談の朗読(何て言うんだ?)を聞いたことがあったんだけど、そっちは対面だけあって体の動きだったり声量や声色を激しく変化させていたりのものだったので、こんな感じに淡々と語られるのはそれはそれで怖いなと思った。そもそも、映像や音声でのホラーコンテンツがあんまり得意じゃないので(ジャンプスケアが大嫌い!)、こういうあんまり激しくないのなら喜んで聞くのになーと思った。『ハマダノゾミちゃん』が一番好きかな。自分だけしか覚えてない、じゃなくてお母さんも覚えてることで、単なる自分の勘違いってだけじゃ説明できない不可思議さ/奇妙さが際立ってて、よい…… 『虫とり』の、ラメ体液触った後に霊感ついて不思議な体験するようになった、って終わり方はちょっとおもしろが勝っちゃった。なんだよその体液。
・『民法第961条』 もう、梨ィ!!!!!ってなりたくて梨さんの話読んでるとこあるな。朝読書と学級文庫は小学生の時にあったけど、その時読んでたらたぶん泣いてたぞ。本書のシリーズ名を怪異に持ってくるの最悪(最高)すぎるし、ただ持ってくるだけじゃなくて「14歳」「世渡り」ということばを使ってしっかり意味を持たせているのがやっぱすごいなーと思った。画像もアリなんですね!!! 梨さんの『かわいそ笑』もそうだったけど、紙媒体の本でしかできない演出を通して、本の物理的存在に対して恐怖を生ませる演出がいいなあ。よくないけど。いい意味でのよくないって話。語り部が穏やかな口調で植田さん側に寄り添ってるっぽいのがまた嫌ですね~。これ、14歳で読んだ人の感想聞きたいよ。
・非常によかったで~す! 開拓もするぞ!
投稿元:
レビューを見る
14歳を対象としたホラー入門短編集です。
大人が読むと芯からゾッとする、とまではいかないかもしれませんが、面白かったです!
投稿元:
レビューを見る
収録作はどれも大変面白かったし本の主旨にも合っているし良かったのだけど、「14才の世渡り術」という叢書の本で、巻末ブックガイドに『ぼっけい、きょうてい』と『残穢』を入れるのはやめてあげて
投稿元:
レビューを見る
ホラーを細かくジャンル分けし、その一例としての短編と解説がセットで一つの章を構成するといった内容。体系的にホラーを学びたい人のための教科書のようなものである。ジャンル毎の恐怖の違いに関して理にかなった説明がなされており、漠然としていたジャンルの好き嫌いがよりハッキリした。
この本は「14歳の世渡り術」という児童向けのシリーズらしいのだが、タイトルと著者一覧を見て何も知らずに即買いしてしまった。かなりマイルドな怖さので、怖さを求める人にはお勧めしないかも。ホラーの入門としては丁度いいくらい。
個人的には「とざし念仏」が一番好みだった。
投稿元:
レビューを見る
気鋭のホラー小説家達による、オムニバスホラー短編集。
ジャンル特化型ホラーということで、各話が5W1Hにジャンル分けされ収録。
・Who「みてるよ」心霊ホラー
学校に出現する、不気味な男子の幽霊。彼に見られた者は恐ろしい目に遭う。
・What「終わった町」オカルトホラー
土地神の怒りを買った主人公が、自分以外が狂った町に閉じ込められる。
・What 「さよならブンブン」モンスターホラー
クラスメイトに虐められている主人公が心の拠り所にしていた猫・ブンブンによる、いじめっ子への復讐劇。
・Why「告発者」サスペンスホラー
動画サイトにアップされていたのは、主人公の過去の罪を糾弾する切り抜き動画。火種を消そうと動いていた主人公は、恐ろしい真実に辿り着く。
・Where「とざし念仏」シチュエーションホラー
文化祭のお化け屋敷でドラム缶に閉じ込められてしまった主人公が体験する恐怖。
・When「十一分間」SFホラー
AIに世界を支配されるか取り戻せるか、瀬戸際を描いた11分間。
・How「学校の怖い話」怪談
学校にまつわる実話怪談4話を収録。
・How「民法第961条」モキュメンタリーホラー
学校の本棚にあるという「読んだら怖くなる本」がもたらす恐怖に、主人公さらには読者までもが巻き込まれていく。
様々な種類のホラーを味わうことができて、読み応えがあった。
特に好きだったのは「終わった町」「とざし念仏」「民法第961条」。
巻末のブックガイドで紹介されているホラー小説も興味をそそられるものばかりで、今後もどんどんホラーを読んでいきたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
ジャンル別の解説やガイドも付属したホラーアンソロジー。「14歳の世渡り術」シリーズということで、一応は児童書の括りになるのでしょうか。そのせいか、やや怖さはマイルドな気がします。とはいえこの作家陣で怖くないはずはない……!
お気に入りは平山夢明「さよならブンブン」。えー、平山さんなのにめっちゃいい話になってしまっていますよ!(笑) そして化物だろうが何だろうが、猫なので和んでしまうのです。
怖かったのは芦花公園「終わった町」、雨穴「告発者」、五味弘文「とざし念仏」でした。どれもそれぞれに違ったジャンルと違った読み心地で、とても楽しい一冊です。解説にもなるほど、と思わされる部分が多く、とっくに首まで浸かっていると思っていたホラーだけれどまだまだ奥は深いと感じました。もっと極めねば。
投稿元:
レビューを見る
地元の全中学校に寄付したくなるぐらいにはホラー入門書として最適だと思う。
解説を読むのがまた楽しくて、一口にホラーといっても「どういう部分に恐怖を抱くのか」を分かりやすく解体してくれていたので初心者の自分には有り難かった。
特に、モンスターホラーの解説項がどう見てもいじめっ子のことを説明しているようにしか感じられず、しかし決してそのことには触れずあくまでモンスターの解説という皮肉めいたスタンスが心地よい。
投稿元:
レビューを見る
ビジネスシーンで使われる5W1Hがホラーに対して使われていることに笑った。これがまたうまい具合に当てはまる。「何が恐怖の根源か」という判断基準を設けたことが素晴らしい。短編ごとの解説が毎回楽しかった。
私自身は、ジャンルがどうこうというより、読み終えたときの余韻でゾワゾワするものが好み。本書で言うと、『みてるよ』がそれだった。