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ご本人があとがきに書かれているが、びっくりした。言葉は平易、テンポが良く無駄のない短文でとても読みやすい。が、登場人物はことごとくロクでもなく、エログロな描写が少なくない。でもそれは都市生活者のある面を強烈に照らしてもいて、読み進めながら果たして自分は「まとも」といえるのだろうかと揺さぶられる感じがした。
おもしろく、とても示唆的に読めたけど、他の人には積極的におすすめしにくいなあ。
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短編と呼ぶには少々短か過ぎて、掌編と呼ぶには長過ぎる、そんな作品集。
エログロ、スカトロ、暴力、狂気、ドタバタ、ナンセンス。
人によっては強烈なインパクトかもだけど、
冒頭の「Mama told me.」に出てくるスカトロに痰壺キッスにゲロ攻撃。何年も前から、ネットに転がってるスカトロAVは既にこの小説世界を越えちゃってるからねぇ。「コケオドシは駄目よ!」と言いたくなるような。
多くの作品が若い頃の筒井康隆のスラプスティックコメディを思い出させるけど、面白さでは筒井康隆にはるかに劣ってるね。
それから、薄っぺらな文庫本にして税別で2,100円、値段もコケオドシか!?
もちろん書いはしない、図書館で借りました。
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新書で高橋源一郎の小説として紹介していた本である。タイトルの君が代は千代に八千代にが唯一まともである小説で、あとは子供に聞かせられない小説ばかりである。自分のあとがきで、講読会に来た親子が子どもの耳を押さえていたというのはわかる気がする。
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たくさんの本を読んできたが、ここまで読んで不快になり気分が悪くなった本は初めて。
神保町の本屋で買って喫茶店でコーヒーを頼んで読み始めたが、あまりの醜悪さにこの街を出るまでに読み切って売り捨てて出ていくと決めてその通りにした。
冒頭2篇が特にひどく、別に「エロ・グロ・ナンセンス」が悪いわけではないが、ここまでそれが極まっていると文学ヅラをされても困る。
この短編集を読んでも、人間の感情の一つに新しく気付かされたりはしない。どこかで読んだことのありそうな人間の負の感情が、とびきりグロテスクに描かれているだけ。
結果的に新鮮な気づきや学びや感動などはなく、ただ気分が悪くなるだけ。
あと村上龍とかこの時代の作家が性を描くといつも思うが、女性蔑視が過ぎてキツい。本当に無理。
しかもこれを筆者本人は「自身の最高傑作」「日本国に住むすべての人を書きたいと思って書いた」
などと言っていて(帯にそう書いてあるから買ったのだ)、一体何がどうしてそうなるのか、全くわからない。人間の負の側面を書きたくても、こんなに徒らにグロテスクにする必要はない。
この人はなぜ小説を書いているのか。
退廃的で非道徳的なのが文学だと思ってませんか?と言いたい。
そして極め付けは文庫のくせに2300円!それでこの最低な読書体験!
まじでどういうこと?