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・ドラマ版を見るに当たり再読
・前に読んだのは10年前以上
・当時読んだ時はあまりピンと来ていなかった
・今回読んだ時の方がスッと自分の中に入って来た
・前回読んだ時〜今回の間にMCUが好きになった事により、アメリカのヒ-ロー文化に対するリテラシーが上がったので、その為今回の方が理解が上がった(気がする)
・以前は日本の漫画文化の方が進んでいる、と思っていたけど、そんな事は無い、と今は感じている。むしろ何処かの部分ではアメコミの方が上?とウォッチメンの様な本を読むと感じる。(何処か?というのは簡単に説明出来ないが)
・ヒーローに対する考察はアメリカの方が上?
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Who watches the watchmen?(誰が見張りを見張るのか?)
SF文学の最高峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞し、タイム誌の長編小説ベスト100にも選ばれた、グラフィック・ノベルの最高傑作!アメリカン・コミックがたどり着いた頂点がここにある――。2009年3月公開映画原作。
1985年、東西冷戦下のアメリカでは、核戦争の危機が目前に迫っていた。そんなある日、ひとりのニューヨーク市民が殺害される。政府により禁止されたヒーロー活動を続けていたロールシャッハは、独自の調査で、殺害されたのが、かつての仲間コメディアンであることを突き止める。これはヒーロー抹殺計画の第一段階なのか?
事件を追ううちに、ヒーローたちはそれぞれの心の闇に直面し、やがて世界を根底から覆す巨大な陰謀に巻き込まれていく……。
スーパーヒーローが実在する、もうひとつのアメリカ現代史を背景に、真の正義とは、世界の平和とは、人間が存在する意味とは何かを描いた不朽の名作。アメリカン・コミックがたどり着いた頂点がここにある。
スーパーヒーローの人間性を描き切った複雑な人間ドラマ(シルクスペクターはスーパーヒロインの母の期待に応えるために2代目シルクスペクターになった、娼婦だった母を憎んでヒーローになったロールシャッハ、裏の汚い仕事を引き受けていて暴力を生きがいにしているコメディアン、フィギュアを売って富豪になったオジマンディアスなどのスーパーヒーローの人間的な面、人間の愚かさ野蛮さに嫌気が差したドクター・マンハッタンと自分の気持ちを察しないドクター・マンハッタンに寂しさを感じ自分を愛してくれるナイトアウルに心が傾くシルクスペクターの愛憎関係、核戦争の危機やスーパーヒーロー狩りに怯え引退していたけどロールシャッハの危機をきっかけにスーパーヒーローとして立ち上がるナイトアウルとシルクスペクターの葛藤と決意、世界を救うために途方もない計画を実行するオジマンディアスなどスーパーヒーローの葛藤と決意を骨太に描いた熱い展開)と激動のアメリカ史の中でそれぞれのスーパーヒーローが何が本当の正義なのか人間に救う価値があるのか苦悩する骨太なストーリーが組み合わさって、アメコミを超えた、文学作品であり、衝撃のラストに善悪の観念を揺り動かされるはず。
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期待通りに面白いし、マジで救いようのない世の中をバッチリ見せてくれました。
この世はマジでクソww
終始不穏な空気が漂っていて、先に進みたくないなと思いつつも、でも先が読みたい。
結局これが描かれた時代と、全く今の世界は変わってなくてむしろ悪くなっているってゆう。
クソな世の中の堂々巡り
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本編を読み終えたのは、6月の半ば頃だったと記憶しているが、巻末の付録まで読んでから感想を書こう、と考えているうちに、8月が終わろうとしている。
とにかく情報量の多い漫画で、興味深く読み続けていても、中々残りのページがなくならない。こういう漫画は初めてかもしれない。
当初はDC作品のヒーローを用いて、そのキャラクター自体の経てきた歴史なども織り込んで、メタ的なコンテクストを包摂する、というような構想だったらしいが、目論見が外れて、オリジナルのキャラクターで話を展開することになってもなお、依然としてその試みは有効に作用していたように感じた。
暗い時代、恐怖に覆われた1985年が、ヒーローを軸に重層的に描かれていく。世代に跨ったヒーローたちの歴史は、物語の重厚さを担保すると同時に、独立した世界であるにも関わらず、現実で描かれてきたスーパーヒーローものを意識せざるを得ず、また彼らの歴史的変遷と物語を接続する。すわ予習が必要か、と思われるほど、重厚なバックボーンが匂わせられるが、次第にそれらが詳らかになっていくのが興味深い。
ストーリーラインが素晴らしいというより、どこをとっても多重に意味が折り重なっていたり、様々なテクストで物語が補強されていたりと、ストーリーテリングの巧みさ・面白さが関心を引いた。
コマ割や絵柄はさして好みではないが、マッチカット的な重ね合わせの演出が多かったり、アラン・ムーアの作劇の仕方が巻末で垣間見えた点は楽しめた。
丁度、相互理解への理想を抱くばかりで、何もできない自分に嫌気が差していた時期だったこともあり、面白く読んだ。ただし、共通の脅威によって、世界が一つになることは恐らくないだろう。