投稿元:
レビューを見る
『味見方同心シリーズ』の、“サードシーズン”が始動。
本書はその第一弾でございます。
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物にまつわる謎や悪事に挑む、連作四話の構成となっております。
前作では、魚之進がおのぶにプロポーズをした場面で終わっていましたが、めでたく夫婦になって幸せな新婚生活を送っているようで良かったです。
そして、前シリーズでもおのぶは何かと謎解きに関わりたがる傾向にありましたが、魚之進と夫婦となった今、より積極的に事件解明の手助けするようになって、実際おのぶの推理が解決の糸口になっているので、頼もしい限りですね。
さて、今回は「化かされそば」「化粧寿司」「カラスの黒鍋」「クジラの活きづくり」といった、珍料理の裏にある謎を、いつものように魚之進&麻次のコンビ(&おのぶ)が解決していく流れなのですが、今のところ前シリーズのような、巨悪が背景に云々・・みたいな大きな事件はまだ無い感じです。
本シリーズのタイトルに“魔”が入っているのに関連するのか、“魔食会”という“魔味(謎の味覚)”を追求する、ちょっと変わった会が登場するものの、こちらは魚之進の上司・筒井奉行も参加したりと、名前のわりに悪い集まりではなさそうですね(今後も出てきそうではありますが)。
そんな訳で新シーズンが開幕したわけですが、新妻のおのぶが早速いい働きを見せてくれました。
彼女は推理だけではなく武芸の腕もたつので、今後もさらなる活躍で魚之進をサポートしてくれることを、期待しております~。