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二次関数とかがあって、京都を舞台に、なんだか奇奇怪々な事件が発生し、いろいろな京野菜が置いてあるという「京野菜殺人事件」が発生。さあ果たしてどうなるのか?
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後書きを読むと、数学ガールの結城先生は、まだ本音では、このシリーズを認めてないのかな?
丁度、イチローの日米通算安打記録を認めないピートローズのように。
確かに大学レベル以上の高等な数学も扱う数学ガールに対して、浜村渚の扱う数学は、少し数学をかじった者にとっては常識で初歩的なものばかり。
しかし、数学ガールが淡い青春物語を絡めた「数学解説書」なのに対し、浜村渚は数学を使った「ミステリー小説」だ。分野も違えば読者ターゲットも違う。
この作品の妙味は、毎回、事件に数学がどんな風に関わってくるのかという奇想天外なアイデアの斬新さと、結城先生も指摘した鳩の巣原理のオチのように、テロリストをも改心させる浜村渚の数学愛に溢れた解釈の面白さにある。
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今回もまたおもしろい数学の定理たちが登場して、勉強にもなるし、楽しめるしでよかったです。
鳩の巣定理はすごく綺麗な証明方法だと思いました。
(2014/04/25)
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数学教育の復活を目指すテロ組織「黒い三角定規」と闘う中学2年生浜村渚の活躍を描くシリーズ5さつめ(第6弾)です。
今回は第log10000章(つまり第5章)で浜村渚が修学旅行で京都に来ました。
オビに「京都の町は碁盤の目。二次関数の舞台になっちゃうんです♪」とありますので、やや展開が読めてしまうキライもありますが、京都の通り名に詳しくない方には、楽しめるかもしれません(詳しい方は、途中でだいたい想像つくかも)。
今回特に楽しめたのは、第log100章(つまり第2章)『鳩の巣が足りなくても』でした。
ここでは、「黒い三角定規」のメンバとして、中高一貫校の数学教師を解雇されたぽっぽ・ザ・ディリクレが登場します。
ディリクレと鳩の巣と言えば……、そう、「鳩の巣原理」ですね!
「鳩の巣原理」とは、
「n個の鳩の巣にn+1羽以上の鳩が入ろうとすれば、少なくとも1つの巣には鳩が2羽以上入らなければならない」
という原理です。
言ってみれば、「当たり前」となってしまう(だからこそ“原理”)話なのですが、これが数学では強力な論法として登場します。これを初めて用いた数学者がディリクレなのです。
本書では、この原理の証明は載っていませんでしたが、あえて証明してみましょう。
このような当たり前と思える事柄の証明に力を発揮するのは、「背理法」です。
そのために結論の「少なくとも1つの巣には鳩が2羽以上入る」を否定してみましょう。「すべての巣には鳩が1羽以下しか入らない」となります。
すなわち、n個の鳩の巣のそれぞれには、鳩が1羽いるか全くいないかになりますので、鳩の総数を考えるとそれはn羽以下になります。
ところが、問題の設定では鳩はn+1羽以上いることになっていますので、これは矛盾です。
よって、結論を否定した「すべての巣には鳩が1羽以下しか入らない」とした仮定が誤りであったことになりますので、「少なくとも1つの巣には鳩が2羽以上入る」が成り立つことになります。
この「鳩の巣原理」を使うと
「座標平面上にA~Eまでの5つの格子点(x座標,y座標が共に整数である点)が存在するとき、A~Eの中に中点も格子点になるようなペアが少なくとも1つは存在する」(P.145)
というような結構難しい問題も解決できちゃいます。ぜひ、考えてみてくださいね。
なお、浜村渚はこの「鳩の巣原理」の中にある一種の“やさしさ”で事件を解決してしまいます。
「そもそもディリクレは『鳩の巣原理』とは言わず、『部屋割り論法』と言っていたんだけどなぁ」というゲスな突っ込みを入れていた私は、この数学愛にやられてしまいました。
確かに気がつかなかったなぁ。
他には、難関中学入試では押さえておきたい「パップス・ギュルダンの定理」なども登場しますが、個人的に気に入った小ネタは、
「バナッハさんとタルスキさんに頼んだら、もう1個(バランスボールを)増やしてもらえるかもしれません」
という渚のセリフ(P.53)です。バナッハ・タル���キの定理が現実世界で実現できたら、スゴイでしょうねぇ。
ややネタバレになりますが、物語としてはキューティ・オイラーがいよいよ「黒い三角定規」と袂を分かつ展開になっていることも気になります。もともとキューティ・オイラーはテロ組織に似つかわしくなかったのですが、これからは「黒い三角定規」から独立したキューティ・オイラーと渚の絡みも楽しみです。
さらに、今回の解説はなんと、あの結城浩さんです。結城さんの「浜村渚の数学ノート」への見方もわかって面白いです。
ミルカさんと浜村渚の「夢のコラボ♪」が見られる日も近い?
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魔方陣、鳩の巣原理、さらには京都市街地を座標化した上での二次関数の話…。6巻にもなるのに数学を用いたトリックの話は尽きない。
むしろ癖のあるキャラが続々登場するわ、過去に出てきた数学のトリックの応用みたいな話も出てくるわで、徐々に面白くなっていく感じ。
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数学にからめた事件に無理があるように感じるようになってきた。それほどキャラクターに感情移入できないし、次はどうかな。
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解説の結城浩さんの「数学ガール」を読んだ後だとこのシリーズが本当に柔らかく噛み砕いてあってわかりやすいのを感じます。魔方陣、鳩の巣原理、パップス・ギュルダンの定理、ラストは放物線と接線。これがこんなに簡単に説明できるものなんですね(パップス・ギュルダンの定理のとこだけは、重心が簡単に求められる図形の方が少ないだろう!と突っ込みましたが、改めて円錐の美しさには感激しました)。さて、今回は気になっていた武藤さんの過去に触れていたり、ストーリーは少し進んで変化もあり、この後も長く続きそうです。続きも楽しみです。
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「魔方陣」、「鳩の巣原理」、「回転体」、「二次関数」などが登場。
やはり今作でも、渚の数学好きならではのセリフや、「これでだめならこうしてしまえ!」という発想の転換の面白さが光る。
数学の美しさにこだわった短編が並んでいる。
『京都、別れの二次関数』は渚の修学旅行先が舞台。
修学旅行の定番、渚の「恋バナ」なんかも聞けちゃったりします。
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鳩のお話、こんな先生に出会いたいなと思った
数学のモチベを定期的に上げられるので好き、一次関数が理解できた。
みっつめのお話はまた読み返そうと思う。
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もう本作に登場する数学者の知見がない……。でも楽しめる。「鳩の巣原理」で鼻持ちならない国会議員の息子でさえも許し、集団ヒステリーを収めてしまう渚の力量がすごい。「パップス・ギュルタン荘の秘密」は黒い三角定規事件とは関りがない珍しい話。円錐曲線だ! そして「京都、別れの二次関数」は黒い三角定規の内紛を描く。キューティー・オイラーの排除を、渚と警視庁・武藤たちは防ぐことができるのだろうか?
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表紙の渚ちゃんの前にあるのは抹茶パフェでしょうか?修学旅行、京都、平面上といえば、整然と碁盤の目のように走る京都の街筋。そして渚ちゃんといえばそれは座標平面でしょう。『鳩の巣が足りなくても』『パップス・ギュルダン荘の秘密』など中学生にして、こんなに人間性豊かな浜村渚の魅力が増幅するエピソードでした。底面積x高さだけでなく、重心が動いた距離x断面の面積で回転体の体積を出す方法は感心しました。親友のセチの他におともだち二名も登場。数学から離れれば渚ちゃんもかわいい普通の中学生。ほほえましい。
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「遊星よりの問題X」
魔法陣の立方体を作る。
もしも違う物を入れてしまっていたら、逆に計算式は完成できずに終わっていたのかもな。
あっさりと居場所を教えたということは、彼にとって有能な者ではなかったのかもしれない。
「鳩の巣が足りなくても」
追い出す事は考えない。
本来の目的を果たすだけでいいのなら、始めから別の場所でやることはできなかったのか。
一人の行いのせいで去る事になったのかもしれないが、それだけが原因ではなかったのでは。
「パップス・ギュルダン荘の秘密」
少しずつ変化する場所。
生前に全てを教えてもらったとしても、彼自身に知識が無ければ出来なかった事だろうな。
ナビを頼らず道に迷ったのは問題だが、文句を言うのであれば自身で運転すればいいのでは。
「京都、別れの二次関数」
座標に見立ててみると。
分かりやすく完璧な情報ではあるが、数学の知識が0の人間には難しい答えだったかもな。
階級による上下関係も重要かもしれないが、拘りすぎると知らぬ内に独りになりそうだよな。
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京都の碁盤の目のような区画を座標にする発想に目から鱗。これなら一次関数も二次関数も楽しくできたかもしれない。個人的に、古典大好き文系人間としては、被害者たちの名前や会社名が枕詞や歌人、百人一首が元ネタになっていたのに気づいてクスッとなった。
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正確に書くと星3.8。
難しい数学の公式などが多く登場するのだが、たまに中学や高校レベルのものをすごくわかりやすく教えていて、中学生くらいの方におすすめ。
話としても面白い。