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(無論、自分を含む)読者の皆さんは、九段さんの創り上げた仮想空間に、まんまと嵌り込んでしまった…感じですかね。
つまり、キャラクター達の生命反応が感じられないのです。それこそ、仮想現実のアバターのような。
ラテン語で機械を意味するマキナを、ヒロインの名前にしたのは、そのような作者の企みでしょうか?
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執筆に生成AIが活用されたというところに興味を持ち、珍しく芥川賞受賞作品を読んでみた。普段あまり読まないディストピア小説だった。
序盤の東京タワーの命名の話が一番興味深かった。
巨大建築の設計を一度でも経験したことのある建築家がかかる職業病である「未来が見える」病というのも面白い。東京タワーが「昭和塔」だったら、と考えると…確かに怖いかも。
著者の九段さんは、落ち込んでいた時に相談したのがChatGPTとの最初の会話だったそう。自分も毎日ChatGPTに助けてもらって仕事をしているが、たまに投げかける雑談や相談にも模範解答のような回答をしてくれるし、仕事のパートナーも話し相手もChatGPTでいいのでは、と思うことも多々ある。
一方でタクトの「文章構築AIに対しての憐れみのようなものを覚えていた。他人の言葉を継ぎ接ぎしてつくる文章が何を意味し、誰に伝わっているかも知らないまま、お仕着せの文字をひたすら並べ続けないといけない人生というのは、とても空虚で苦しいものなんじゃないかと同情したのだ。」という考えにも同感できた。
また、九段さんが取材で答えていた「現在のところ、AIが発する言葉と人間の発する言葉の違いは、『相手との関係性の中で初めて生まれる言葉があるのが人間』だと思う」「人間が生み出す“偶然”や“逸脱”といったエラーを大事にすべきだと考える」という考えはしっくりきた。AIが得意としている部分は大いに活用させてもらい、我々人間は人間だからこそできる強みを磨いて生きていきたい。
芥川賞受賞作は大体難しくて自分には理解できないので、その中では興味をもって読めた方だと思うが、比較的ボリュームが少なかったので物足りなさは感じる。東京都同情塔の中の人たちの様子を描いたスピンオフがあればぜひ読みたい。
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純文学得意な方では無い(多分)けど、読みやすくて興味深かった。
Twitterのくだり、まじでそれな!と大声出た
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近未来の東京メトロポリタン。ザハ・ハディッド国立競技場がアンビルドワールドの器のように振舞われている設定だった
80年90年代にアニメや映画で知った悲壮的未来がAIやSDGsなど日常に出てきて進行形で進んでいる問題が素通りされてる事を考えさせられた。
最近のトレンドが細かく入る文章が好みでなくTwitterを毎日チェックする現代人らしさがでている。
さもアンドロイドのような登場人物が新時代のルールにいち早く適応すること、AIに書けない文章を書く事に希望を持っていて面白いキャラクターだった。
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かなり面白かった。素晴らしいフィクションだ。2023年に書かれるべき小説だと理解したし、建築を纏う文芸は2024年にまた多く開かれるのが適切だと解釈した。
生成AIを使用したかどうかが話題になっているが、まあ読んだらそれはどちらでも良いかなと思った。ツールとして適切に働いた可能性が高くて、芸術そのものにネガティブに染み込むものではないと感じるので、今般の作品の本質にはさほど影響しないという意味。
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言わなくていいことをあえて付け加えて、一言で表せる単語にわざわざ2行使うようなまどろっこしい文学、好きだ。
以下は、本の感想ではないかもしれないが私が読んでいて感じたこと。
仕事を始めてから、自分の文系的思考(偏見)や文章の組み立て方を知らず知らず恥じ、避け、省き、なるべく簡潔な文章を作るようになってしまった。
なんと言われようと私は社交辞令を言うし枕詞をつけるし結論を先に述べることによるリスクを天秤にかける。結論が先に欲しいかもしれないけど、私は先に渡したくない。そういう自分に出会いました。
「現実はいつも言葉から始まる」
そうだ、そうだったんだ。
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最後までグイグイ引き込まれた。
建築家の女性と青年の会話劇がちょっと村上春樹っぽくて小気味よい。
言葉が氾濫する現代社会の行く先はディストピアなのか?それでも未来に生きようとする人間の執念を感じた。
ザハ・ハディッドの新国立競技場が実際に建築されたという設定がSFチックで面白い。
東京都同情塔の建築理念も常識を覆すようだけど、妙に頷けるところもあるんですよね。
生成AIが使われてるらしいけど、この小説自体が生成AIのある世の中を暗示してますね。
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少しSFっぽい作品だと思っていたが全然違かった。ページ数に対して文字がびっしりと書いてあるので読むのに時間がかかり、理解するのも時間がかかった。チャットGTPを使ってかいた斬新な作品。犯罪者に同情できるか。犯罪者に楽園のような場所を与えるのはどうなのか、と私は思ってしまった。でも同情されるべき人はその辺の刑務所に入るべきでないという考えは私にはなかったので新しい考えであった。カタカナ語については作品内でもあったように最近何でもかんでもカタカナにすれば良い風潮がある気がする。
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AIが書いた文章が数パーセント含まれるということだったので気になって読んでみました。先入観で純文学は読みにくいというイメージがあったが、特にそのようには感じなかったし、表現がきれいだなーと思うところがたくさんあり、純文学に興味が持てた一冊。
AIが書いたであろう部分は意味不明な部分もあり読んでて気持ち悪いところもありました。
私自身、今回が初めての「芥川賞」受賞作です。
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私が爆速で読んでいるのか、もしくは言葉がとてつもないスピード感で進んでくるのか、よく分からなくなってしまう程ズバーっと文字が頭の中に入ってきて、作者の言葉を全然理解できていないのではないかと思う節もあるけれど、自分に正直に生きようと思った。
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#東京都同情塔
#九段理江
24/1/17出版
https://amzn.to/3UdhJa9
●なぜ気になったか
芥川賞作品は無条件に読む。おおむね「純文学系」の芥川賞作品は?な読後感が多いが、読書経験を積むにつれそれが普通と思えるようになった。今回はどれほど?な作品なのか楽しみ
●読了感想
読むのが辛くなるほどの?はなかったが、一読では面白いと思えなかった。選択されたテーマは僕が社会の主張にモヤモヤを感じるものでもあり、その選択には共感。何度か読み、読み解くことで楽しめる本と思えた
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
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芥川賞作品はいつも難解で、今回もイマイチ理解出来なかった。AIの何を伝えたかったのか、結局わからなかった。
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普段「直木賞受賞作」を読むことはあっても「芥川賞受賞作」を読むことはない(芥川作品は読むけど)。
今回は設定に惹かれて読んだものの…
やはり芥川賞系は苦手だと痛感した。
ダメだ………
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建築を題材にした、言葉に関する物語。
言葉で考え言葉で未来を作る。
生成AIの言葉の平均的な気持ち悪さ、とか外来語のオンパレードな世の中をみて、なんだかほんとに近い将来言葉の貧困化はどうなってしまうのか、と心配になってきた。
ヒトの心を動かす言葉は、ヒトの心から出た言葉、だけじゃないかなあ。。
いやあ、東京都同情塔に税金はいやだな。笑
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#読了 #東京都同情塔 #九段理江
芥川賞受賞作品。
生成AIを使った事で話題になったと聞きました。
とめどなく溢れる言葉の濁流にのまれそう。
作中に『曖昧な微笑みは日本人のあいだで共有されている、他人を思いやるマナーのひとつなのだ。』とあり、笑ってしまった。